第5話 山を下りた先で、賊に襲われる馬車に出くわすなんて何というテンプレ・・・
タイトルで、ある程度、話をネタバレしていますねw
季節の寒暖差で風邪をひいてしまったので、皆様も体調管理にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
「ようやく山を抜けて麓に出たか・・・。」
山賊達をぶっ飛ばし、初めての”作成”を行って武器を造ってから更に2時間程、川に沿って歩き、とうとう俺は山を出て、その麓に着いた。
とは言え、近くに村のようなモノは無く、まだ人がいるところに着いていないが・・・。
「しかし、物騒な山だったな。さすがは異世界ファンタジーだぜ・・・。」
山賊達と遭遇する前もそうだったが、遭遇した後から今、この場に来るまでにも何度も動物型のモンスターと昆虫型のモンスターに襲撃された。
まぁ、それらの敵は全て鉄の棒で粉砕またはなぎ倒してやったので、そういう意味では武器を作成しておいて良かったと言える。
ちなみに、返り討ちにしたモンスター達の亡骸は、異世界ファンタジーなら定番の「街に持っていったら素材や食材などで売れる」かもしれないと思ったので、どれも放置せずにアイテムボックスに収納してある。
まずは物騒な山から出れたという安堵から緊張が緩んだのか、空腹感が襲って来た。
そう言えば、この世界に転生してからほとんど歩きっぱなしだったなと思いながら、何気に空を見てみると太陽がそれなりの位置にあり、もう昼を過ぎているのは間違いない。
俺は休息方々、その場で座り込むと、山賊達から手に入れた携帯食の一人分を、アイテムボックスから取り出し、袋を開けてみると、丸い棒状の固いクッキーのような物が3つ入っている。
丸棒状にしたカ〇リー〇イトみたいだなと思いながら食してみると、甘みはおろか素材以外の味がない何とも味気ないものだった。
やっぱり、異世界では砂糖などの甘みは高価なモノなので、普及していないのかと思いつつ、俺は携帯食を食し終えると水を一口飲んで立ち上がり、再び川に沿って歩き始めた。
それから約一時間ぐらい歩き続けて、ようやく俺は人工物のモノを目にした。
俺が今まで道標代わりに沿って歩いていた川に掛かった石造りで掛かった橋である。
俺から見て橋を渡った先の東にも、渡らない西側にも草が生えないようしただけの簡単な舗装がされた道が通っており、この道のどちらかを通って行けば村か街に辿り着けそうである。
右に行くか左に行くか迷ったが、元々目的地なんて無いので、せっかく目にした橋を渡らないのも何だから、俺は橋を渡って東に向かう事にした。
さぁ、この先には何があるかな?とこの先にあるモノに気持ちを馳せながら少しワクワクした気持ちで道を歩き、
「・・・何があるかな?とは思ったけど、こういう場面は予想してなかったな。」
前方で野盗と思われる一団に襲われている一台の荷馬車を見て、俺は思わず呟いた。
見たところ、二頭の馬で引く荷馬車で、簡単な屋根の付いた荷台を引く荷馬車である。
もっとも今は荷台を引いていた二頭の馬は二頭とも倒れており、この場から逃げ出す事は、どうみても無理の様である。
護衛はそこそこにいた様だが、数名が倒れて動く気配がないので、やられてしまったのだろう。
今は3名だけが生き残っており、何とか凌いでいる。
野盗達は何人か倒れており、同じく動く気配がないが、それでもまだ7人ほど健在であり、野盗達が有利である。
そして荷台のところに朱色の髪をツインテールにした20歳前後の女性が恐怖の為か引き攣った表情で荷車の壁にもたれる様に引っ付いている。
黒とシャツの上に黄色のジャケットのようなものを来ており、白い膝ぐらいまでのスカートをはいており、、顔立ちも十分に整った美女と言えるだろう。
どうやら、彼女が荷馬車の主のようだが、このままいけばその美貌のため、荷物を奪われただけではなく、辱められるの間違いないだろう。
事実、野盗達の3人ほどは下卑た笑みを浮かべながら彼女を見ている。
テンプレな展開とは言え、このまま見過ごすのも良くないので、加勢しようかと思ったところに、野盗達の一人が俺に気付き、すぐに嘗めまわすような目をしながら、下品な笑みを浮かべた。
その笑みは、俺が少し前までいた山で出くわした山賊達と同じものだった。大方、新たな獲物が来たと思っているのだろう。
「頭!橋の方から女が一人、来ましたぜ!!」
その野盗の報告に護衛と対峙している賊は別として頭と思しき賊は俺を見ると、同じ様に下卑た笑みを浮かべながら嘗めまわす様に俺を見た。
「ほう、こっちは少し乳臭いがそっちの女よりも上玉じゃねぇか。こいつはツイてるぜ。」
どうやら、向こうは鴨が葱を背負って来たと思っている様だ。つまり、あの山賊達の様に俺を女と認識して荷馬車の女性と一緒に犯そうと言う腹積もりらしい。
そう理解した瞬間、俺の中で、この野盗達をぶっ殺す事が確定し、考える前に足元に転がっていた石を野盗の頭の顔に目掛けて全力で蹴飛ばした。
山賊達と同様に、次の瞬間、頭が砕け散る野盗の頭。
『は?』
それを見て、俺を除くその場にいた者達が全員固まった。その顔は何が起きたか理解できないと書いている。
頭部を無くした頭の身体が崩れ落ちると、全員、我に返り、荷馬車側は、取り合えず、この場では俺が味方と理解すると、目の前の賊達に斬り掛かり、賊達は頭が討たれた事で動揺した上に、護衛達に反撃されて一気に不利になった。
「こ、このクソアマ、よくも頭をっ、ひでぶ!!」
最初に俺に気付いた賊が俺に怒鳴りつけた瞬間に、その賊の顔にも石を蹴飛ばし、賊の頭部が砕け散ると同時に俺は手にしていた相棒の鉄の棒を両手で握りしめ、残っていた賊に襲い掛かり、そのまま俺に応戦しようとし、剣を盾にしようと構えた賊の剣を難なくへし折り、そのまま賊を頭部も身体も叩き潰して肉片に変えながら両断し、勢いの付いた鉄の棒の先は叩きつけた大地も大きく砕いて窪みに変えた。
それに驚きと恐怖で再び固まった荷馬車側と野盗側を構わず、俺は相棒の鉄の棒を全力で振り回して、瞬く間に、残りの賊達も肉片に変えた。
野盗達は逃げる間もなく、相棒の餌食となり肉片へと変わっていった。
戦闘とも呼べない一方的な虐殺が終わり、賊を瞬く間に殲滅した俺に強く警戒する荷馬車の護衛達と女性をよそに、俺を女と思い、犯そうとするクソったれた賊達を殲滅で来て、俺は強い不快感と嫌悪感が収まり、安堵と満足感を噛み締めた。
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