第49話 俺の錬金術のスキル嘗めてたわ・・・2
個人的に区切りがよかったので投稿します。
え?この狙撃銃、誰が使うのか?って弓矢を使って敵を狩るリリアか、銃を使うエリカじゃないのか?
俺がそう思い、その事を彼女達に伝えると、彼女達は困惑した表情になった。
「いくら私が弓矢を使うから相手を射る集中力と技術があるとはいえ、銃で狙うのとはまた違いますよ。ましてや銃自体使ったことが無いのに・・・。」
「私も銃を使い始めたばかりで、そんな大きな銃を持って標的を正確に射抜くなんて事は出来ませんよ。」
リリアもエリカも断固として、造った狙撃銃を使う事を拒否してきた。まぁ、人命が掛かっているのだから当然かもしれない・・・。
一応、アイリスを見ると「魔法剣士である私がそんな大掛かりな銃を扱える訳ないだろう。」と呆れの表情と共に拒否してきた。
え?じゃあ、造ったはいいが、この狙撃銃、誰が使うんだ?と思っていると、女性陣三人とも俺を見ている。
え?俺が使うの!?俺も銃なんて使った事はないぞ!!いや、まぁ、幼少の頃、縁日でおもちゃの銃やゲームで銃型のキーパッドは持った事あるが、こんな本物の銃なんて使える訳ないだろう!!
大体、使い方なんて知らんぞ!!と思ったところで、頭にこの銃の使い方が浮かんだ。え?俺のスキル、こんな事も出来るのか?!マジで!!
使い方に従って弾丸が装填されているか調べてみると、弾丸は3発だけ装填されている。
そういえばエリカの銃も1つ素材に使っているが、その時、装填されていた弾丸を抜く事なく素材に使って錬金したから、弾丸も狙撃銃用の弾丸についでに錬金されたみたいである。
しかし、弾丸3発だけでは人質を捕えている者達は殺せても、武装集団全員を殺るには到底不可能である。
こうなったらエリカから所持している銃の弾丸をもらって、それを錬金して狙撃銃の弾丸を増やそうかと思案したところで、リリアの声で中断する事になった。
「カズサさん!どうも連中、しびれを切らしたのか、人質を負傷させた様です!!このままでは人質の一人が殺される可能性が高そうなので、早くその銃を使って助けてあげてください!!」
ええい、クソッ!もはや一刻の猶予もない以上、やるしかない!
俺が腹を括ると、
「あんたらは子供達の護衛を頼む!!俺はこれで人質を捕まえている奴らを撃ち殺す!!」
エリカ達に伝えると、俺は狙撃銃を持って駆けだした。幸い、武装集団の奴らは目の前の里のエルフ達に意識が行っていて、俺達に全く気付く気配がない。
相手が間抜けである事に感謝しながら、弾丸が届く範囲まで近づき、生えている木々に姿を隠し、そこからスコープで、人質の一人であるエルフの少女を左腕で拘束し、右手に持ってナイフを少女の腕に突き刺して、泣き叫ぶ姿を、里のエルフ達に見せつけている男の頭部を捉え、引き金を引いた。
次の瞬間、銃声と共に標的の頭部から血が飛び、そのままエルフの少女を捕え、危害を加えていた男は物言わぬ死体となって倒れた。
それを見て動揺し、騒ぎ出す謎の武装集団。しかし俺は連中の混乱など考慮してやるつもりなんて、これっぽっちもないので、すかさず、もう一人の人質を捕えていた男の頭部に照準を合わせ、引き金を引いた。
再び銃声と共に標的の頭部から血が飛び、エルフの少年を捕えていた男は物言わぬ死体となって倒れた。
更に動揺が走る謎の武装集団。
「な、何だ二人、いきなり殺られたぞ?!」
「さっきの音は銃声か!?でもエルフ共が銃を使っている様子何てなかったぞ!!」
「お、おい!あっちの彼方に何人かいるぞ!!」
「な、何!?ひょっとして今の銃声は奴らか?!でもあんな距離から届く銃なんて聞いた事がねぇぞ!!」
騒ぎ出す武装集団。そしてどうやらエリカ達に気付いた様だが、距離が離れているためか、エリカ達に危害を加えようする気配はなかった。
人質を捕えていた二人が死んで、人質だった子供達も拘束から解放されたが、このままでは直ぐに囚われるだろう。
幸い、武装集団は二人がいきなり死んだ事で激しく動揺しており、今は人質の子供達にまで意識がいっていない。
しかし、見た感じ、武装集団の奴ら、銃声と共にいきなり2人死んだとはいえ、動揺と混乱が激しいな。
中にはへたり込んでいる者もおり、どうみても正規の兵士やプロの傭兵と言った様子ではない。
あいつ等って実は素人の集まりなのか?
俺がそう感じた事はエルフの里の者達も感じたのだろう、エルフの戦士の一人が子供達に対して、「逃げろ二人共!!」と叫ぶと同時に、魔法を詠唱し、激しく動揺し混乱状態の武装集団の一人に風魔法を放った。
次の瞬間、風の刃による一撃で、身体から血を激しく噴き出して「あばー!!」と短い悲鳴を上げて倒れる男。どうみても致命傷である。
それに続いて里の戦士達が次々と武装集団に襲い掛かり、瞬く間に混戦状態となった。
とは言え、里の戦士達が優勢であり、次々と武装集団が討ち取られていく。
仲間が次々と死んでいくのを見て、恐怖に駆られた表情になりながらも、事態を如何にかしようとして、逃げ出していた人質の子供達を再び捕えようとする動きをする奴がいたので、俺はそいつを狙撃銃に装填されている最後の弾丸で頭を撃ち抜く。
これを見てエルフ達は正体は不明だが、自分達に味方する者がいる事を確信し、逆に武装集団はどうにもならないと悟ったのか、中には命乞いをする者もいたが、聞き入れられるはずもなく、瞬く間に討ち取られた。
武装集団の中で生きているのは、俺が2発目の銃撃で撃ち殺された味方を見て、腰を抜かした男だけで、それ以外はすべて討ち取られている。
とは言え、あの様子では、このままただで帰してくれる様にも見えないが・・・。
俺がそう考えたところで、遠くからこの事態を見ていたアイリス達が、事が収まり、もう大丈夫と認識した様で、子供達を後ろに控えさせながらも、リリアとエリカと共に里へと歩を進めながら、
「皆、無事か!それとカズサ、援護はもういいぞ!!」
里のエルフ達と俺に大きな声で声掛けしてくると、里のエルフ達もアイリス達に気付き、彼女達の無事な姿に安堵の雰囲気が流れる。
それを見ながら、俺も木の茂みから狙撃銃を持ちながら、姿を見せるとエルフの戦士達は再び警戒し、身構える者もいたが、全員、俺の姿を見て何処となく困惑している様にも見える。
「ああ、彼と後ろの神官はコナタで里に戻る道中、子供達を護衛してもらうために雇った冒険者達だ。そして先程、銃声と共にその襲撃犯達を撃ち殺したのも彼だ。だから味方だ。安心してくれ。」
アイリスの言葉に、里の戦士達は武器を卸しアイリス達の帰還を喜んだが、何人かは俺を不思議なモノを見る目で俺を見ている。
「何か?」と聞き返すと、「い、いや何でも」と慌てて目をそらすが、彼らからしても俺は不思議な存在に見えるらしい。
まぁ、首から上と下が噛み合っていないのだから、仕方が無いと言えば仕方がないのだが・・・。
「しかし、カズサさんは優れた錬金術ですね。」
「ん?どういう事?」
いきなりリリアがそんな事を言ってきたので、俺が尋ね返すと、
「いえ、だって、こんな優れた銃を造り出す事が出来るのですから。しかもそれを難なく使いこなして敵を屠り、里の危機を救ったのですから。間違いなく錬金術の技量は一流ですよ。戦士としても高い才能があると思います。少なくとも私は錬金術師の力が必要となったのならばカズサさんに相談しようと思ったのは確かです。」
「そうだな。リリアの言う通り、カズサが一流の錬金術で、戦士としての才能も高い事も同意だ。錬金術師としても冒険者としても一財産築けると思うぞ。」
「・・・それはどうも」
二人の称賛を受けた俺だが、その錬金術師としての”力”も常人の4倍ある能力も与えられた”力”である以上、素直に喜べなかったので、俺は短い礼を返すしかなかった。
リリアとアイリスも、俺がさほど反応を示さなかった事に些か不思議そうな様子である。
俺の精神が今の肉体と同じ10代中頃だったら、素直に喜んでいたんだろうな・・・。
少しセンチになっちまったぜ・・・。
面白いと思いましたら、感想または評価をお願いします。




