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第47話 依頼により護衛としてエルフの里に向かう道中で・・・2

 リアルが忙しかった上に、体調が優れない時もそこそこあったせいで、かなり間が空いてしまいました。

 「あ、ドクターリョウコの事ですね。帝国しいてはこの大陸の医療技術の大幅な底上げをし、先王の実母でもいらっしゃる。」

 「ああ、そうだ。」


 エリカの言葉を肯定するアイリス。

 聞いた名前のニュアンスからは日本人の名前の様に聞こえるが、どういう人物だ?いや、この大陸の医療技術に大きく貢献し、先王の実母と言う事から女医なのは理解できるが・・・。

 俺の疑問を察したのか、エリカが説明を続けてくれた。それによると先王、つまりかつての第七王子が内乱を起こす更に30年ほど前に当時の王都ユピテルに、ある日、ふと訪れてきたそうである。


 「ちょっと待ってくれ。」

 「何でしょう?」

 「先王は150年前に内乱を起こして王様になったんだよな?」

 「そうですよ。」

 「そして王国から帝国に成るまでに国を大きくして今の皇帝に代替わりしたんだよな?」

 「そうですよ。」

 「今の皇帝に帝位を譲ったのって何年前の話なんだ?」

 「?え~と、50年前ぐらいでしたか?」 

 「ああ、そうだ。ざっと半世紀だ。」

 

 エリカの問いにアイリスが答えると、それがどうしたと言う表情で二人とも俺を見た。


 「前皇帝って今の存命なのか?」

 「?ああ、勿論そうだが・・・?」

 「随分と長生きなんだな・・・。」


 俺の感想にアイリスもリリアもエリカも合点がいったと言う表情になった。


 「ああ、カズサは現皇帝陛下も、先代皇帝陛下も人族だと思ったのか。」

 「・・・そのニュアンスだと違うのか?」

 「ああ、現皇帝陛下も、先代皇帝陛下も更にその前の王も長寿の種族である龍人族だ。つまりは亜人だな。」

 「あ、そうなのか。通りで・・・。」


 アイリスの説明に俺も納得した。どうにも先々代、先代、今の皇帝と時系列を聞いていると、随分、先代が君臨しているのが長いなと思ったが、長寿の種族であるのならば、納得だわ・・・。

 

 「ついでに訊くが、当時の王子に嫁いできた性悪王妃は人間だったのか?」

 

 俺の物言いに「しょ、性悪王妃ってまぁ、当たってはいるが・・・」とどこか呆れたような表情で呟いた後、


 「ああ、そうだ。しかも完全な種族差別主義者だったそうだ・・・。」

 「・・・よく、そんな王妃を嫁にもらったな。あ、いや、政略結婚だから関係ないのか・・・。」

 「ああ、それもカズサの言う通りだ。当時の王国の隣国ー今は帝国の州の1つとなっているがーから嫁いできたそうだ。まぁ、そんな訳で夫婦仲も良くなかったそうだ。」


 それを聞いて俺は、二代前の王様に同情した。


 「だから、その王様は、そのドクターリョウコと言う女医に出会って恋に落ちたという訳だ。」

 「まぁ、結果論で言えばそうだな。とは言え、出会った当初は王の方はともかくとしてドクターリョウコの方は相手にもしていなかったそうだが・・・。」


 そしてアイリスとエリカは、そのドクターリョウコと言う女医についてより詳しく説明してくれた。


 ドクターリョウコ、本名リョウコ・ハマベと言うそうだが、本人はハマベリョウコと名乗っていたそうである。

 この名前からしても俺と同じ日本人の可能性が高く、彼女は先程、説明した様に約180年前、今の帝都であるユピテルと言う当時の首都にふらりとやって来たそうである。

 それから間もなく小さな医院を開くのだが、それからしばらくすると、優れた名医として彼女の名前は王国だけでなく、周辺諸国にも知られる様になる。


 「彼女の医者としての腕は知識、技術共に当時の王国の医療レベルと比べても遥か先を行っていたそうだ。故に王国だけでなく周りの国も彼女を欲しがったそうだ。」

 「まぁ、それだけ優れた医者ならば、何処だって欲しがるだろうな。ましてや当時は今よりも酷い乱世だったんだろ?」

 「当然、それもあるんだが、ドクターリョウコの場合、当時の権力者達が彼女を求める理由が他にもあった。」

 「へぇ~、それは?」

 「彼女は目の覚めるような絶世の美女いや美少女か、だったそうだ。」


 アイリスはそう言うと俺の顔をまじまじと見つめ、


 「そういう意味ではお前も目の覚めるような絶世の美少女顔だな。実際は筋骨隆々の男なのに・・・。」

 「ほっといてくれ!とにかくドクターリョウコを当時の権力者達が求めたのは医者だけでなく、極上の美女でもあったからか?」

 「そうだ。と言っても彼女の場合、見た目は低身長の小柄な上、童顔と言う事も有り、見た目は10代中頃にしか見えない外見をしていたので美女と言うよりは美少女と表したのだが、彼女の実年齢は見た目よりも上だったのは確からしい。本人も年齢こそ言わなかったが認めた事は記録にも残っている。もっともそれに反して身体は男受けが良い実にメリハリのある身体をしていたそうだ。俗に言うロリ巨乳と言う奴だな。」

 

 この異世界にもロリ巨乳なんて言葉があるのか・・・、こんなところで元の世界を感じさせるものが出てきて何とも言えない気持ちになりながら・・・、


 「・・・そんなに当時のあちこちの権力者達に狙われて、よく、そのドクターリョウコと言う女医は今の帝都であるユピテルと言う街に住み続けられていたな・・・。」

 「そこがドクターリョウコがただの凄腕の美少女女医じゃなかったところなんですよ。」


 エリカが鼻息荒くテンション高めに説明を続けた。


 「ドクターリョウコは、その見た目に反して身体能力がとても高く腕っぷしも強かったそうです。その上、彼女は何もない所からメスや注射器をはじめとした医療器具や薬品などを出す能力を持っていた他に、指先で鋭く相手を切り刻んだり、突き刺して指先から毒や麻痺させる薬なども流す事も出来る特殊なスキルが使えたそうです。事実、記録によれば、ドクターリョウコを拉致しようとした人達や危害を加えようとした人達をそれで返り討ちにしたり、当時、ユピテルを荒らしまわっていた犯罪組織を成り行きとは言え、たった一人で壊滅させた逸話も残っています。」


 その説明を聞いて確信した。間違いなく、そのドクターリョウコいやハマベリョウコは俺と同じ”転生実験”でこの世界に転生転移された被験者の一人だ。

 こんなところで俺以外の転生転移者の話を聞く事になるとは思いもよらなかったぜ・・・。


 「そのドクターリョウコは既に亡くなられてるのか?」

 「・・・ああ、既に亡くなられている。」


 そう答えたアイリスは一瞬、表情が硬くなったので、ひょっとしたらドクターリョウコの死に思うところがあるのかもしれない。

 何気にリリアやエリカも見てみると、エリカは変化はないが、リリアも少し雰囲気が硬くなっている。

 どうやら、これ以上はドクターリョウコの死因について尋ねない方が良さそうである。

 そんな事を思いながら何気に前を見てみると、里らしきモノが見えてきた。


 どうやら、俺と同じ転生転移者であるドクターリョウコいやハマベリョウコ医師の話を聞いている内にそれなりの距離を進んでいたみたいである。

 何事も無く子供達のおも、ゲフ、ゲフン、護衛も終わりそうだと思ったのがいけなかった様だ。


 もう少しで家に辿り着くとはしゃぐ子供達に気を張りながら、より里に近づいたところで、まだ距離はそれなりにあるが、里の出入り門付近で人間の男達が20人以上いる上に、全員、髪はぼさぼさ、髭も無精髭を生やしている。かと言って野盗や山賊の類にしては体格がひょろっとしていて弱そうで、服装も街や村の一般人が来ているような普通の服装で、中にはこの世界に来て初めて見る着物のような服装の男もいる。

 全員、手に一見して安物と分かる量産型の剣や斧などの武器を持っている。

 そして男達は全員、首に大きな首輪が取り付けられている。


 一方、里のエルフと思われる者達が、門の上に設置されている見張り小屋から矢を引いた弓を構えており、門の前にも3人ほどの男女が剣や斧を構えて男達と対峙している。

 どう見ても一触即発である。


 「何だか妙な連中が里の出入り門付近でたむろして、里のエルフ達と一触即発の状態となっているぞ。」

 

 俺の言葉にエリカはともかくとしてアイリスとリリアも驚いた表情となり、


 「カズサ、お前はこの距離から里の出入り門付近が見えるのか!?」

 「弓矢を使う私でも人らしき者達がいるぐらいにしか分からないのですが、詳細が分かるのですか!?」

 

 二人の問いに、俺が見えた連中の詳細を伝えると、リリスが幾らか先に先行して、もう一度里の出入り門付近を凝視して「カズサさんの言う通りですね・・・。」と驚きとも呆れとも言える声で言った。

 どうやら、俺の視力もこの世界では常人の4倍、良いらしい。

 なんてチートな肉体なんだ・・・。


 俺がそんな事を思いつつも何で得体のしれない武装集団の男達を見回してみると、後方の位置にいる2人の男達がそれぞれ1人ずつエルフの子供達を人質にしている。

 どうやら、里の子供を人質にして、里の者達に何か要求している様で、それを里のエルフ達は拒否して一触即発の状態になっているみたいだな。


 エルフの里の者達もそうだが、武装集団の奴らも、距離がまだ離れているためか、俺達に気付いていない。

 である以上、俺達がうまく動けば、人質の子供達を救出できるかもしれないが、さて、どう動いたらいいのかねぇ~?

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