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第45話 エルフもファンタジーモノの定番だよな・・・。

 随分と久方ぶりの投稿で申し訳ありません・・・

 怪力熊の変異体の討伐と赤い狼を従えた野盗団の討伐の報酬を得て、懐がほくほくとなったが、だからと言って冒険者は基本、日銭仕事なのだから依頼を受けて完遂させなければ金にならない。

 故に大金を得たからと言って、仕事をしないと言う怠け癖をつけると、後々、碌な事にならない。


 それに、せっかくギルドに来た上に、朝も始まったばかりなのだから、今日も依頼を受けようと思ったところで、俺のランクがDに上がったのだから、Dランクの依頼を見に行く事にした。


 Dランクの依頼となるとEではなかった護衛の依頼や遺跡の探索などの依頼があり、討伐依頼でもEランクで依頼されるモンスターよりも強いモンスターの依頼もある。俺達がこなした盗賊団や野盗団の依頼もある。

 ただ依頼内容を読むと”赤い狼”を従えた野盗団よりも俄然、規模が小さい盗賊団や野盗団ばかりだが・・・。


 これだ!と言う依頼がないなと思っていたら、ギルドの職員がやってきてDランクの依頼版の空いているところに依頼書を張り付け、俺達に声を掛けてきた。


 「あの、もしDランクの依頼を探しているのでしたら、この依頼なんてどうですか?急募の依頼なのですが、エルフの方々の護衛で、コナタから南の森の中にあるエルフの里までなので、今から里に戻るそうなので、何事も無ければ里に着いてから、コナタまで帰ってきても15時ぐらいで終わると思いますので、Dランクの依頼の中では楽な部類に入ると思いますよ。」


 職員が紹介した急募の依頼の内容を記した依頼書を読んでみると、確かに南の森の中にあるエルフの里に帰るエルフ達の護衛であり、条件としては悪くはなかった。依頼報酬は8万エンとなっており、これを安いととるか高いと取るかは人それぞれだろう。


 しかし、俺としては昨日討伐したゴブリンと同じく、ファンタジーの定番でエロゲ―などでもお馴染みのエルフと聞いて、受けてみたいと言う気持ちになったので、エリカに引き受けても良いかどうか、尋ねてみると、彼女も「はい、良いと思いますよ。」と快く同意してくれたので、俺達はこの依頼を引き受ける事にした。




 手続きされたギルドの依頼書を携帯しながら、依頼人であるエルフ達との待ち合わせ場所であり、エルフ達の寝泊まりしている南の門の近くにある宿屋、『精霊せいれい休息所きゅうそくじょ』に来た俺達。

 

 俺が泊まっている初冒の宿よりも上のランクの宿屋らしく、建物もより大きく、建物の造りもそれなりに趣を凝らしており、上品な雰囲気を出している。

 

 「この精霊の休息所はコナタでもそれなりに知名度がある宿屋なんですよ。」

 「へぇ~、そういう宿屋に泊まっていると言う事は、依頼人のエルフは金があるんだな。」

 「あ、いえ、この精霊の休息所の泊まる料金は、カズサさんが利用している初冒の宿より2千エンほど高いくらいで、私達庶民でも十分、泊まれる宿屋ですよ。」

 「あ、そうなんだ。もっと料金が高いかと思った。」


 エリカの説明を聞いた俺は少し以外に思いながらも、依頼人であるエルフ達と合うために宿屋の正面扉を開けて中に入った。

 外の外観通り、室内も広くお洒落だった。初冒の宿がビジネスホテルっぽいのならば、この精霊の休息所はシティホテルと言った感じである。


 依頼人であるエルフ達の事を尋ねるために、受付に向かおうとしたところで、俺は思わず足を止めてしまった。

 何故なら、受付のカウンター内に立っていたのは筋骨隆々の浅黒い肌をした巨漢だったからである。いるだけなのに半端ない威圧感と凄みが出ている。

 

 正直、客商売である宿屋の受付に立って良い人材とは思えない。

 しかし、俺の隣を歩いていたエリカは、受付の大男を見て、


 「・・・話には聞いていましたが、マークさん、冒険者を引退され、この精霊の休息所のオーナーとなられたのですね。」


 懐かしそうに話し、その声色には親愛の情が感じられるので、どうやら、エリカは顔見知りの様である。


 向こうも俺達に気付いたようだが、エリカを見て、しばし思案した仕草を見せた後、


 「おお、エリカのお嬢さんか・・・。その服装などから見るに、正式なシスターになったようだな。」


 その見た目に合う渋い声である。

 エリカは「はい」と頷き、


 「今はこちらのシン・カズサさんと一緒に冒険をしています。」

 「ああ、そっちの坊やの噂は聞いている。見た目も噂の種になっているが、腕っぷしの方も錬金術師にしては立つ様だとな。夕姫の奴も目を掛けてるそうじゃないか。」


 俺を感情の籠らない目で見、そういう目の前の受付の男。しかし夕姫ってギルド長の事だよな。

 まぁ、確かにこの男の強さもギルド長と勝るとも劣らない様子な上、元冒険者と言う事だから、ギルド長が冒険者をしていた時、同僚だったのかもしれない。


 「マークさんは見た目からもご理解できるように、現役の冒険者の時はAランクの優れた冒険者であり、ギルド長が冒険者として活躍していた時も何度も一緒に依頼をこなした人なんですよ。」


 尊敬の念を込めながら、説明してくれるエリカだったが、Aランク?てっきり夕姫白蓮と同じSランクだと思っていたんだが・・・。

 俺の疑問を感じ取ったのか、


 「・・・マークさんは引退する数年前から、個人的に新人の冒険者を対象にした訓練の教官もしていたので、Sランクに至る事が出来なかったんですよ。」

 「個人的に新人の冒険者を対象にした訓練の教官?」

 「はい、かつての冒険者ギルドは基本、知識はくれても実地の訓練は行っておりませんでしたから。元々、本人の能力次第と言うスタンスを取っているので、なったばかりの新人が最初の依頼で死亡もしくは冒険者を続ける事が不可能になってしまう方もそれなりにいるんですよ。」


 そうか、俺はチート能力を与えられた故にこの世界に来てからの脅威を全部返り討ちにしてきたが、チートなしの場合、戦闘はおろか喧嘩も碌にした事がないから、俺もそうなっていた可能性が高いんだ・・・。


 エリカの説明を聞いて俺は内心ぞっとし、同時に見た目美少女の男の娘にされたとはいえ、この世界では勝ち組になれそうな能力を与えられた事に、初めて感謝の念が出た。


 どうやら俺の運は思ったよりも強運らしい。そんな事を思いながら俺はエリカの説明を聞き続ける。


 「それを見かねたマークさんが、善意で実地の訓練を行ってくれる様になったんです。引退されるまでギルドの裏にある広場で、定期的に新人冒険者の方を対象に訓練を行っていたんですよ。そのお陰でここ数年は新人の殉職もしくは再起不能の負傷率がマシになったんです。」

 「へぇ~、じゃあ、コナタの冒険者ギルドにとっては大きく貢献した人なんですね。」


 俺の言葉にエリカは実に嬉しそうに頷いた。


 「そうですそうです。ですから、マークさんの訓練を受け、今、D、C、Bのランクになっている冒険者の人達からは慕われているですよ。」

 

 なるほど、どうやらおっかない見た目に反し、面倒見が良いみたいである。とは言え、何時までもこのマークと言う元冒険者で今はこの宿屋のオーナーの話を聞き続ける訳にも行かないので、俺は用件をマークに伝えた。


 「・・・そのエルフ達ならばあそこだ。」


 マークが指差す方を見ると、どうやら食堂の席と思われるテーブルにエルフの一団がいた。


 子供が7人に大人の女性エルフが2人である。

 エルフは美形と言うパプリックイメージ通り、大人も子供も美形である。

 子供達は見た目、10歳ぐらいで、大人の女性エルフは20歳ぐらいで、メリハリのある身体つきをしている。片方は銀髪の髪をロングヘヤ―にしており、もう一人の女性エルフは薄緑の長い髪を後ろでまとめて青いリボンで括っている。


 銀髪の方は大きな弓がすぐ側に置かれているので、弓矢が主体と思われるが、薄緑の髪の方は腰に細身の剣を差している事から剣士の様である。


 俺達はギルドの依頼書を手にしながら、彼女達の元へと向かった。


 「あの、すいません。あなた方がギルドに護衛の依頼を出したエルフの方々ですか?」

 

 俺の質問にエルフ達全員が俺とエリカを見、俺をガン見した後、銀髪の女性エルフが「え、ええ、そうですが、あなた達が護衛の依頼を引き受けてくれた冒険者の人達ですか?」と困惑気味に尋ねてきた。


 まぁ、首から上は絶世の美少女で、首から下は色白で細身とは言え、筋肉の鎧に覆われた男が声を掛けてきたら困惑するのも当然だわな。俺だって困惑する・・・。

 だから彼女達の困惑と信じられないモノを見る視線は無視して、


 「はい、その証拠である依頼書はこれです。確認をお願いします。」


 そう言って銀髪の女エルフに渡すと、銀髪だけでなく薄緑の髪の女エルフも依頼書を見、


 「・・・これは間違いなくギルドの依頼を受けた冒険者だな。」

 「ええ、そうね。」


 依頼書を見て納得する。


 「しかし見た所、そちらの方はシスターと分かるがあんたの方はその身体つきからして戦士なのか?」

 「いや、俺は錬金術師なのですが・・・。」

 『は?』


 薄緑の髪の女エルフが俺達を見て、職業を尋ねてきたので、俺が自分の職業を返すと薄緑の髪の女エルフだけでなく銀髪の女エルフも目を見開いた。


 「え、あなた錬金術師なのですか?」

 「ええ、こんな身体つきをしているが、職業は錬金術師です。」

 「・・・そんな身体つきをしていて錬金術師とは信じられんな・・・。」

 「いや、ほら、俺ってこんな顔に声でしょう。だから貧弱だと、そっちの趣向・・の奴に襲われ返り討ちに出来ないから、鍛える必要があるんですよ。」


 この身体となってから出会った者達に何度も語った尤もらしい理由を言うと、エルフ達も納得し、次に俺の気の毒な表情で見るのだった。


 俺の理由を聞いていたエルフの子供たちの中でも、分別の利く子供は同じ目で俺を見ていた。もっとも分別の利かない子供は可笑しなモノを見る目で俺を見ていたが・・・。


 まぁ、俺だってちぐはぐな身体だと思っているので、良いけどさ別に・・・

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