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第44話 二つの依頼の報酬が今ここに!!

 「来たか、カズサ」


 次の日、初冒の宿を出て、冒険者ギルド前でエリカと合流して、ギルドに入って途端に、明らかに待ち構えていたと思われるギルド長、夕姫白蓮が俺を見るなり、向こうから声を掛けてきた。


 「あの、何か御用ですか?」


 ギルドのトップに待ち構えられていたので、用件を聞くと、


 「先日、お前が討伐した怪力熊の変異体の報酬と、クリスティーヌと共に壊滅させた”赤い狼”を従えていた野盗団を壊滅させた報酬が確定した。なので、2つの報酬を纏めて払う。」


 そう言って夕姫白蓮は俺達を受付に連れて行き、自身は職員用の通路を通って受付内に入ってカウンターを跨いで俺達の前に立って報酬の説明を始めた。


 「まず怪力熊の変異体の報酬については600万エンとなった。」

 「600万!?」


 思わぬ金額に俺は思わず叫んでしまった。隣のエリカもちょっと驚いている。

 

 「何だ不満なのか?」


 夕姫白蓮が少し怖い顔で見てきたが、目は笑っているので、分かってて言ってるんだろう。このギルド長ってお茶目なところもあるな・・・。

 

 「まぁ、お前達の反応からして、報酬額が高い事に驚いたみたいだが、元々、怪力熊自体が最低でも400万はするモンスターであり、その上で、今回は過去にない変異体であり、ターキ村を始め、その周辺で多大な被害を出しており、警備隊まで殉職者を数名出したからな。危険性なども考慮してその金額になったという訳だ。納得したか?」


 夕姫白蓮の説明に俺はなるほどと思い、頷いた。


 「では、次は”赤い狼”を従えていた野盗団を壊滅させた報酬についてだが、こちらは300万となった。」

 「教会で来訪された冒険者の方々や冒険者となった先輩のシスターからは、野盗団は名前が通った罪状件数が凄まじい数を重ねているのならば、討伐報酬が高額となるが無名もしくは世間に認識され始めたぐらいの規模ならば、そんなに報酬額が高くないと聞いたのですが・・・?」

 「確かにあの野盗団が”赤い狼”を従えていなければ100万にもならなかっただろうな。故にこの金額は赤い狼の討伐代金も含めているんだよ。」


 夕姫白蓮の説明にエリカもなるほどと納得した。


 「合せて900万エンが報酬金額となるが、まぁ、怪力熊の変異体の報酬である600万はカズサ一人の功績なので、全額カズサのモノだが、野盗団討伐の報酬300万はお前達二人への報酬だから、どう分けるかはお前達で決めてくれ。それとカズサ」

 「はい?」

 「・・・お前は今日から冒険者のランクをDに上げる。」

 「え?俺はまだDランクに上がるための条件をこなしていないと思うのですが?」

 「・・・お前が登録してからまだ数日だが、その間にこなした依頼の過程内容を帝国側と精査して出した結論だ。そう言う訳だからギルドカードを出せ。情報を更新させる。」


 俺は言われた通り、ギルドカードを受付に出し、それを受け取ったセリナが奥に行き、設置されている機械にカードを置き、何か入力し、作動させ、書類を3枚ほど書き終えて、夕姫白蓮が受け取ると頷き、機械を止め、カードを手にしてカウンターに置いた。

 それを見て夕姫白蓮が説明を始めた。


 「これでお前はDランク冒険者だ。Dランクの依頼も気兼ねする事無く受けられるぞ。勿論、クリスティーヌとパーティーを組んでいる以上、クリスティーヌもカズサのDランク依頼遂行に参加できる。パーティーであるお前達の力量に合った依頼を受ける事だ。2つの依頼に対しての報酬については以上だ。お前達のこれからの活躍に期待する。」

 

 彼女の説明を聞き終えると、俺はギルドカードと報酬の金を受け取り、まずは受付から離れる事にした。

 ・・・朝だけあって後ろに並んでいる者達の数が半端ないので、チンタラしていたらどやされるかもしれないからな。




 俺はエリカを連れてギルド内に設置されているテーブルに行き、テーブルの上に野盗団を壊滅させた報酬である300万エンを置き、


 「じゃあ、エリカ、これを半々に分けよう。それで良いな?」

 

 報酬の事で俺がエリカに尋ねると、エリカは困惑した表情に変わった。


 「あの、カズサさん、私、そんなにもらっても良いのでしょうか?」

 「うん?何故だ?」

 「いえ、 野盗団を壊滅させたと言ってもほとんどカズサさん一人の功績で、私はほとんど働いていないと思うのですが・・・。」


 野盗団と戦う原因となったケリウサギ討伐の報酬を分ける時にも同じような事を言っていたな。

 まぁ、エリカからしたらいらん面倒事に巻き込んだと言う罪悪感があるのだろうが・・・。

 とは言え、こっちも別の事で助かったのは確かなので、


 「問題ない!エリカはエリカで、野盗団を壊滅させた後に救出した女性達の保護で大いに助けてもらったから、十分に働いたよ。俺一人じゃ、ああ上手くはいかなかったからな。だからエリカも遠慮せずに半分の150万、受け取ってくれ。」


 俺は150万エンをエリカに押し付け、残りの150万をさっさとしまう仕草をしながら、アイテムボックスに締まった。

 

 エリカも、しばし、何とも言えない表情で俺の事を見ていたが、俺が報酬についての再提案をする気がないと理解出来た様で、バツが悪そうな表情で150万を財布と思われるモノに収めた。


 こう見ると、やっぱりエリカは善人だな。これはシスター云々じゃなくて本人の気質だろう。


 それにしても二つの依頼をこなして俺の得た報酬が750万、そしてこの世界に転生転移してから今日まで稼いだ金額を合わせると、ざっと1550万ちょっととなるが、地球でサラリーマンをしていた時は新卒で入社してから10年近くとなるが、年収でもこんなに稼いだことなんてないぞ!!


 全く金銭感覚が可笑しくなりそうだぜ。しかし、こみ上げてくる笑いの衝動を堪える事が出来なかったのは確かだ。


 実際、俺の顔はニヤニヤしていたらしく、エリカに「どうしたんですかカズサさん?そんなにニヤニヤして、ちょっと気味が悪いんですけど・・・?」と引かれて、少しへこんだのは内緒だ・・・。

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