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第43話 カ〇リー〇イトが出来てしまった・・・。

前回から1か月も間が開いてしまい申し訳ありませんでした。

 ゴブリンを討伐し、その証拠となるゴブリンの遺体を回収し終えたところで、きゅるるる~とエリカから腹がなる声が聞こえてきた。

 思わず、エリカを見ると恥ずかし気に少し俯きながら、


 「あの、丁度、お昼時ですし、私もお腹が減ったので、ご飯にしませんか?」


 そう提案してきたので、昼食をとる事にした。


 と言っても別に弁当などを食する訳ではなく、エリカも俺も携帯食である素材以外の味がない丸棒状にしたカ〇リー〇イトのようなモノを食べ始める。


 「何度食べてもこの携帯食、味も何も無くて美味しくないんですよね。まぁ、この安い携帯食にそういうのを求めてはいけないんですけど、空腹が満たされたら良しとしないといけませんよね。」


 エリカの言葉に俺は肩を竦めて「まぁ、そうだな。」と同意した。


 「あ、でも、携帯食はこれだけでなく、こういうのとか、こういうのもあるのでまだマシですよね。」


 そう言ってエリカが出してきたのは干しブドウと思われるモノと、板チョコを細かく分けたような薄くて小さい形だったが、チョコレートと思われるものだった。


 「カズサさんもどうぞ♪」と進めてくれるので、お言葉に甘えて食べてみると、間違いなく干しブドウとチョコレートだった。もっともチョコの方は甘さはあまりなかったが・・・。

 ひょっとしたら、この世界では砂糖などは高級品なのかもしれない・・・。

 そんな事を何気に考えていると、


 「カズサさん、カズサさんならご存じかもしれませんが、このチョコって私達が食べているのは、私達でも購入できるので、あんまり甘くないのですが、王族の方々や貴族の方が食べる高級品のチョコはもっと甘いそうですよ。」

 「あ、そうなん?と言うか俺なら知っているって何で思ったんだ?」


 俺が尋ねると、エリカは少しバツが悪そうに笑うと、


 「あ、いえ、錬金術な上に、あんなに強いカズサさんならば、そういう知識もあるんじゃないかなと何となく思ったので・・・。」

 

 どうやら、昨日一緒に冒険をして赤い狼を従えた野盗団をあっさり壊滅させた事で、エリカの中では俺は凄い人扱いになっている様である。


 しかし、上流階級の人間が食べるチョコは甘いと言う事は、やっぱり、この世界では砂糖などは高級品なのかもしれない・・・。

 と言う事は俺のスキルで砂糖を生み出せたら、金儲けのネタになるかもな・・・。


 そんな事を思いながら携帯食を少くしているのだが、やっぱり味が微妙である。その上、見た目カ〇リー〇イトっぽいので、思わず地球にいた時に何度も食したカ〇リー〇イトやS〇YJ〇Yを思い浮かべ、ふとした遊び心で、カ〇リー〇イトやS〇YJ〇Yを作れないかとスキルを発動させて調べてみると、今手持ちの品で生み出す事が出来る事が分かった。


 えっ!?マジで?!


 例えばカ〇リー〇イトは今、食している携帯食と薬草一枚で製作する事が出来る様である。


 今食している携帯食が素材になる事は理解できるが、そこに薬草一枚を加えるとカ〇リー〇イトになるのか、理屈はさっぱり分からないが、このチートスキルが出来ると言う以上、それは確かだと思うので、俺はさっそく何気ない振りをしてアイテムボックスから薬草を一枚出した。

 そんな俺の様子に「どうしたんですかカズサさん?」と尋ねてきたが、それには答えず俺はカ〇リー〇イトを製作しようとスキルを発動すると、次の瞬間、食べかけだった携帯食が見慣れたカ〇リー〇イトに変わった。


 ・・・マジでカ〇リー〇イトが出来てしまった。


 「・・・その携帯食、いまカズサさんが食べていた物ですよね?」

 「ああ、そうだ。カ〇リー〇イトと言ってな。元居た所・・・ではよく食べていたんだ。少なくとも今食べている携帯食よりは美味しいぜ。身体にも良いしな。」

 「そうなんですか?」

 「ああ、論より証拠、食べてみな。」


 俺はそう言って手に持っているカ〇リー〇イトを2つに分けて、1つをエリカに渡した。

 エリカは手に持ったカ〇リー〇イトを少し見た後、一口食べると目を見開いた。


 「あ、ホントだ。今、食べている携帯食よりも甘くて美味しい♪」


 気に入った様で、瞬く間に食べてしまうエリカ。そして乞う目で、


 「あ、あの~、カズサさん、今のカ〇リー〇イトとか言う携帯食をもう一度作ってもらう事って出来ないのでしょうか・・・?」


 そう頼む様に問うてくるエリカ。

 まぁ、カ〇リー〇イトを作ること自体は動作ない事なんだが、俺は素材となる携帯食を持っていない。

 なので・・・、


 「カ〇リー〇イトを作るための材料となる携帯食を俺はもう持っていないので、欲しいならエリカの持っている携帯食をくれ。」

 「あ、はい」


 俺がそう言うとエリカは自分の食べかけの携帯食も含めて2つ半の携帯食を差し出して来たので、それを受け取ってカ〇リー〇イトを錬金しようとしたところで、カ〇リー〇イトにはチョコ味もあった事を思い出し、今、エリカが持っている携帯用のチョコでカ〇リー〇イトチョコ味を製作できないかと調べてみると、製作可能だったので、俺はエリカからいくつかチョコをもらい、それを使って、エリカの食べかけの携帯食を使ったカ〇リー〇イトは先程と同じプレーン味で、残り2つはチョコ味にした。


 そのカ〇リー〇イトチョコ味を1つもらい、食してみると間違いなく俺の知っているカ〇リー〇イトチョコ味だった。


 エリカもまずは食べかけのプレーン味を食べきった後、カ〇リー〇イトチョコ味をしばし見た後、口に入れると、


 「こっちもこっちでチョコの味がして美味しいです♪」


 チョコ味の方も気に入ってくれた様である。


 食べ終えるとエリカが、


 「カズサさん、このカ〇リー〇イトと言う携帯食、ミントさんの店に出してもらうんですか?」

 「まぁ、そのつもりだが。」

 「なら、素人考えですが普通の携帯食よりも高い価格に設定しても売れると思いますよ。これ美味しいし、いつも食べている携帯食よりもお腹も膨れますから。」

 「そうなの?」

 「はい、少なくとも私は定期的に購入しますよ。」


 エリカのその言葉に俺は次にペパー商会にポーションを卸しに行く時、ミントにこのカ〇リー〇イトの事を売り込んでみようと思った。


 まぁ、カ〇リー〇イトの黄色い外箱については、出来たらするけど、紙の普及率などで、素材を集めるのに金がかかるのであれば、無理にしなくても良いだろう。

 この異世界で売るのだから、カ〇リー〇イトの特許もクソもない。何から何までそのまんまで売る必要はない。


 そう考えたら、面白くなってきやがったな。金儲けになりそうな予感を感じ、俺は内心、ワクワクしてきた。


 こうして俺は商売のネタを見つけ、テンションが高まった状態でゴブリン退治の依頼を終え、コナタに戻って、ギルドで依頼完遂の報告をして報酬をもらい、エリカと分けて別れ、この世界に来てから利用している初冒の宿へと、今日も泊まるために向かった。




 冒険者ギルドは基本24時間開いており、職員が昼夜交代制で訪れる者達に対応しているが、流石に夜の22時になると、昼間、冒険者や依頼をしに来た依頼人達で賑わっている一階ロビーも人の気配がなくガランとしており、今のところ人の気配もない。

 それでも時折、急用の依頼や依頼達成の報告、そして国からの緊急連絡などに対応するため、夜間担当のギルド職員が待機している。


 訪れた者達に対応する傍ら、勤務時間の間に自分が処理しなければならない事務仕事などをこなしている今日の間担当のギルド職員。

 そこに「もし、すまないのだが」と凛とした若い女性の声が掛かって来た。

 ギルドに用がある者がやって来た様で、ギルド職員は自分の職務の1つを果たすべき、「はい」と顔を上げて「ご用件は何でしょうか?」と尋ねようとして固まった。


 受付に立っていたのは二人なのだが、どちらも上質とみられるローブのようなモノを深く被っており、素顔が見えない。

 

 怪しげな二人組の来訪に対応したギルド職員はどうにか動揺を抑えつつも「ご用件は何でしょうか?」と尋ねると、


 「このような夜分に申し訳ないんだけど、ギルド長に会いたいのだが。」と職員から見て左側のローブの人物が今し方、声を掛けてきた女性と同じ声で要件を告げた。


 「・・・ギルド長にですか?」

 「ええ、誰が訪ねてきたかは、これで解ってくれるかしら。」


 そう言って不審な表情で見てくるギルド職員にローブを取って素顔を見せる二人。


 その二人の顔を見た瞬間、対応した職員だけでなく、奥で同じく夜間の業務をこなしていた職員達も驚きの表情となり、


 「し、失礼致しました!ギルド長室に案内させて頂きます。」


 担当した職員は、丁重な対応で、この二人をギルド長室へと案内した。




コンコンとドアをノックする音を聞いた夕姫白蓮は読んでいた書類から目を離して「入れ」と入室を許可すると、夜間担当のギルド職員が血相を変えて入って来た。

 それを見ただけで面倒事が起きたなと思ったが、顔には出さない。


 「し、失礼します。帝国皇家の方がギルド長にお会いしたいと参られました。」

 「何?」


 想定外の用件に夕姫白蓮は思わず尋ね返す。しかしギルド職員が返答する前に「失礼するわ。」と上質なローブを深く被った二人が室内に入り、「こんな夜分にごめんなさいね。ギルド長」と言いながらローブを取って素顔を見せた。


 二十歳前後と見られる、水色の髪をショートカットにした軽装備の鎧を身に纏った美女と上質な鎧に身を固めた深緑の髪をした見た目30前後の男だ。


 「これはこれは、姫様にそちらは着ている鎧から近衛騎士殿か。こんな夜分にどの様なご用件ですかな?しかも皇族が護衛一人とは。」

 「あら、私に並の護衛なんて足手まといでしかならないよ。誉れ高き”シュバルツァーナイツ”の一人である私には・・・ね。」

 「・・・確かにそれもそうですな。それで改めてお尋ねしますが、こんな夜分に皇族の方が何用で?」

 

 夕姫白蓮に訪問の用件を尋ねられると、来訪者の二人はチラッと自分達を案内してきたギルド職員に目を向けると、


 「ご苦労だった。お前は下がって良い。用があれば連絡する。」


 察した夕姫白蓮は、有無を言わさぬ凄みを出しながら、ギルド職員に退出する様に命じた。


 ギルド職員が慌てて退出し、気配で遠ざかったのを確認すると、姫様と呼ばれる女性が用件を切り出した。


 「ターキ村に出没した怪力熊の変異体の件についてよ。」

 「・・・ほう」

 「それと怪力熊の変異体を討伐し、ついでに赤い狼を従えて最近、調子づいてきた野盗達も壊滅させた”カズサ・シン”と言う冒険者についてもギルドが把握している情報で良いので、教えて欲しいのよ。」

 「・・・前者はとにかくとして後者は帝国としての命令ですかな?」

 「そう捉えてもらっても構わないわね。」


 そう断言され、夕姫白蓮はしばし胸の中で思考を巡らせたが、国からの命令である以上、拒否権はないので、軽くため息をついた後、話をすべく二人を来客用のソファーに腰掛ける様に進めるのだった。

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