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第36話 エリカ「牢の鍵が壊れちゃいました!!」俺「ならこうするの」

 我ながら嘗めたサブタイトルです。

 野盗達の根城にしていた打ち捨てられた帝国の砦に乗り込み、探索しながら1階の奥にある牢屋で、野盗達を見つけ、拉致監禁していた女性達を凌辱していたところを、エリカに頼んでハチの巣にし、その後、襲ってきた赤い狼をカウンターで一撃で殴り倒した俺達。


 「・・・三倍で動くからもっと手強いと思っていたんだけどな。こうもあっさりと決着が付くとは思わなかった・・・。」

 「・・・私には、赤い狼の動きはとても速く感じましたので、正直、カズサさんが赤い狼に噛みつかれちゃうと思っちゃったのですが、まさか、あの速さに反応して逆にカウンターで一撃で殴り倒すだなんて、こっちの方がびっくりです。これじゃあ、赤い狼は咬ませ犬ならぬ咬ませ狼ですね。」

 

 うまいこと言うわこのシスター、座布団でも錬金してプレゼントしてあげようかしら。


 と、しょうもない事をふと思ったが、気持ちを切り替えて、野盗達は全て殺ったが、放心した様に座り込んでる精液塗れの全裸の女性達がいる。

 彼女達を放置するわけにもいかない以上、まずは彼女達に声を掛けようと思ったところで、ふと思った。


 今の俺は首から上は女顔だが、首から下は屈強な漢の身体をしており、おまけに服を変えて男と直ぐに分かる格好をしているから、野盗達に拉致された挙句、慰み者にされた彼女達に俺が近づいたら恐怖で震えあがり、下手をしたら発狂しかねないのではないだろうか?


 地球でもこんな目にあった女性に男性の警官や医者が近づいただけで、狂った様に取り乱したという話を本やネットで目にしたことがある。

 

 今だけは服装を変えた事を少し後悔した。仕方がないので、


 「エリカ、彼女達の保護を任せてもいいか?」

 「?構いませんけど、どうしたんですかカズサさん?」

 「いや、ほら、俺って顔は女顔だけど、この身体つきを見たら男だとすぐ分かるだろう。野盗達と同姓の俺が近づいたら彼女達、取り乱すかもしれないからな。」


 俺の説明に「確かに十分にあり得そうですね。」とエリカも納得して同意し、彼女達の元に行き、


 「助けに来ました。もう大丈夫ですよ。」


 と労わる様に優しい声を掛けながら、女性達の身体を拭きながら回復魔法をかけ始める。


 このまま、ボケーとエリカの行動を見ているだけと言うのも、非生産的だし、何もしていないという後ろめたさもあったので、


 「エリカ、俺は彼女達を移送できそうな荷車か何かないか砦の周りを調べてみる。」

 「あ、はい、カズサさん、お気をつけて。」

 「エリカもな。」


 エリカにそう声を掛けてから、俺はこの場から離れた。


 と言っても砦内はほとんどエリカと共に探索したので、砦の外に出て城壁内を調べてみる事にした。


 外に出て砦の外を回ってみようと、何気にぐるっと全体を見回してみると、今出てきた砦の入り口を背にした今の俺の位置から見て左斜め後ろ、振り向いて出入り口を正面から見ている位置で右側にそこそこの大きさの車庫のような簡易の建物が設置されていたので、そこに行って見た。


 出入口は閉められているので、勢いよく蹴っ飛ばし中に入ると運送用の荷馬車の車体が置かれている。


 思わず口笛を吹き、


 「マジか!?拉致された女達を移送するのに荷馬車の車体があれば良いのにとは思ったが、マジで在ったなんて・・・。」


 荷馬車の車体に近づいて調べてみると、あっちこっち錆付いてはいるが、動かそうと思えば十分に動かせる状態である。


 車庫の中に放置されていたので、それにより雨風などを防ぐ事になり、劣化を防ぐ事になったのだろう。


 俺のスキルを使い、砦内の素材となるモノを使って錬金すれば新品同然に戻せる。これで彼女達の移送手段を確保したので、素材を探すのも兼ねてエリカ達の元に戻ることにした。




 「あ、カズサさん」


 エリカのところに戻ると、エリカが半泣きの表情となっている。

 何かあったのかと女性達を見ると、彼女達は未だ全裸ではあったが、精液塗れだった身体はしっかりと拭き取られており、回復魔法を受けたためか、先程よりは顔色も良くなっている。

 少なくとも、先程までは放心状態だったためか、無反応だったが今は俺の姿を見た瞬間、俺の顔を見た女性はうっとりとした表情で、またもや放心したような状態となり、逆に全体を見た女性は男と分かり、恐怖に引き攣り、怯えた表情となっている。


 「探索に出る前と比べたら、マシになったな。」

 「ええ、彼女達・・・は手当できたんですけど・・・。」

 「彼女達・・・?まさか、他にもいるのか?」

 

 俺の問いにエリカは頷き、奥の牢を見、


 「奥の牢にも何人か捕まっているんですけど、牢屋の鍵が壊れちゃって開かないんです。」


 エリカが彼女達を手当していたら、奥の牢から人の気配を感じたので、確かめてみたら奥の牢にも5人ほど捕まっているらしい。

 当然、助けようとしたが、当たり前だが牢には鍵が掛かっており、捕まっている女性達は鍵がどこにあるか知らないらしい。

 エリカは、まずは取り合えずと言う事で、この場にある野盗達の死体を調べると、鍵は直ぐ見つかったが、牢の鍵穴に差し込んで開こうとしても開く気配がなく、いじっている間に鍵が壊れて使えなくなってしまった様である。


 「元々、古かったと言う事もあるんですが、いくら鍵を開けようとして開かずに、つい感情的に力いっぱいで鍵を回そうとしたら折れてしまって・・・ど、どうしたら良いのでしょうこういう場合?」


 泣きそうな声で尋ねてくるエリカを宥めながら、牢を見ると縦に鉄の棒をはめ込んだ式の牢で、古いためかところどころの壁にひびが入っている。


 これなら常人の4倍の能力を持つ俺なら何とかなるかなと思い、エリカと座り込んでいる女性達の横を通らせてもらい、奥の牢の前に立った。


 牢の中にはエリカの言った通り、4人捕まっており、彼女達は座り込んでいる全裸の女性達と違い、服は着ているが、所々が破れたりして、肌が見えており、顔などに打ち身の傷などがあり、どうやら、彼女達も全くの無事だったと言う訳では無い様である。


 彼女達も俺を見て怯えるのとうっとりして放心するの2つに分かれたが、今はどうでもいい。


 俺はそのまま鉄格子2本を、左右の手でそれぞれ掴んだ。


 そんな俺の様子をエリカを含む、この場にいる全員が怪訝な表情で見たが、俺は意に介さず、全力で鉄格子を左右に開く様に動かそうとした。


 間もなして、俺の力に耐えられなくなってきたのか、鉄格子が嵌っている部分のひび割れが大きくなり始め、それと同時に鉄格子も左右に曲がり始めた。


 エリカ達の驚く気配を感じながら、俺は「うっだらぁぁぁ!!」と叫びながら一気に勢いよく鉄格子を左右に開き、牢を破壊した。


 ここにいる全員が絶句したをの感じ取りながら、俺はエリカを見て、


 「これで問題は解決したな。」


 とニヤリと笑いながら、そう言ってやった。


 でも我ながら、ちょっとカッコつけすぎたかな。

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