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第32話 エリカと初の冒険1

流石にGWで時間があったので、早く投稿できました。

 俺と組む事になったエリカの冒険者登録をするため、冒険者ギルドの受付に行くと、セリナのところが空いていたので、彼女のところでエリカの冒険者登録をしてもらう事にした。

 もっともセリナも俺の姿を見て、目を丸くして驚き「カズサさん、どうしたんですかその恰好は?」と訊ねて来た。

 簡単に着ていた服が血で汚れ、あちこち傷んだから修復に出したので、ついでに服を着替えた事を伝えると、また微妙な表情で「・・・それでその恰好にしたんですか?」とだけ言ってきたが、どうやら彼女から見たら、俺の格好は違和感がある様である。




 「それでレオンさん達のパーティーに、カズサさんまで、一体どうしたんですか?」

 「いや、用があるのはこのシスターの娘だ。冒険者登録をして欲しい。」

 「ああ、新人の冒険者登録の付き添いですか。」

 「俺達三人はそうだが、カズサの奴は違う。まぁ、俺のちょっとした思い付きなんだが、この娘と組んでもらう事にしたんだ。」

 「カズサさんと彼女ですか・・・、でもパッと見て分かる様に彼女はシスターの様で、カズサさんは錬金術師ですから、どちらも戦闘が得意な職業ではありませんよ。」

 「いや、普通の錬金術師ならそうだが、コイツカズサは違うだろ。ハイオーガを難なく殺れるのだから、並みの戦士よりも強いわ。それはこの身体を見ても理解出来るだろ。俺よりも遥かに良いガタイをしているぞ!まぁ、顔はそこらにいる女よりもめちゃ綺麗で可愛らしい顔つきをしているけど・・・な・・・。」

 「・・・確かにレオンさんの仰る通りですね。」


 何とも言えない表情で同意するセリナ。そこには俺の強さや身体つきもそうだが、顔についても同意しているからだろう。

 

 「・・・分かりました。そもそも、冒険者ギルドはパーティーなども把握などの為に申告をしてもらっていますが、基本、誰とパーティーを編成するかに対して関与はしませんから、カズサさんと彼女が組む事に関しましても、組んだと言う事を把握する以上の事には関知は致しません。」

 

 セリナの言葉に俺も含めてレオン達もエリカも頷き、セリナはエリカに冒険者登録の仕方を説明し始めた。


 


 「じゃあ、俺達があんたに付き添うのはここまでだ。後はあんたの相方であるそっちのお・・・戦士系の錬金術師とやってくれ。」

 「はい!レオンさん、マリア先輩!ありがとうございました!」

 

 冒険者登録を終えて、俺と同じ新人のEランク冒険者となったエリカにレオンがそう言ったのだが、レオンの奴、俺を男と言おうとして抵抗があったのか言い直したな。それとエリカの奴、レオンとマリアには礼を言っているが、アレッサには言っていないので、アレッサが不機嫌な表情になっている。


 「あ~、アレッサさん、アレッサさんも付き添いお疲れさまです。」

 「あっ?!あ、アレッサさんもありがとうございました!」

 「ふん!どうせ、あたしはレオンとマリアの連れで、あんたとはただの同行人よ!」


 俺が変わりにアレッサを労うと、エリカもアレッサに礼を言っていない事に気付き、慌てて礼を述べたが、アレッサはエリカに忘れられた事に拗ねた様である。まぁ、非は完全にエリカにあるんだが・・・。


 「エリカ、あなたはどうにも間が抜けているところがあるので、努々気をつけねばなりませんよ。冒険者ともなればそれが命取りにもなりかねないのですから。場合によっては貴女だけでなく仲間まで死なせてしまう事もあるのですから。」

 「あ、はい、ご忠告、ありがとうございます。マリア先輩。」


 エリカのやらかしに、マリアは苦言を呈し、エリカが素直にそれを受けるのを見てから、


 「カズサさん、見ての通り、こういう娘ですが、神官としての素質は高いので全くの足手まといにはならないと思いますので、エリカの事、よろしくお願いします。」

 「ええ、分かりました。まぁ、一人より二人の方が出来る事が増えるので、それだけでもこっちも選択肢の幅が増えるので助かります。」


 俺の返しにマリアは苦笑し、俺達のやり取りを見終えたレオンが「じゃあな。グッドラック」と俺達に別れの言葉を投げかけて、踵を返した。

 アレッサは「カズサ、そっちのシスターのお守り・・・、頑張ってね」と皮肉り、エリカを見て不快気に鼻を鳴らして、レオンの後に続いた。

 それに続いてマリアが「では」と別れの言葉を掛け、小走りでアレッサの横に駆けると、彼女を宥め始めた。


 レオン達の後ろ姿を見ていても仕方が無いので、


 「じゃあ、俺達も俺達のランクでこなせる依頼を見に行くか。」

 「はい!どのような依頼があるか緊張します。」

 「い、いや、Eランクはギルドでは一番低いランクだから、そんな難しい依頼は無いよ。」

 「そうなんですか?」

 「そうなんですよ。だから気楽にとは言わないけど、そうガチガチに緊張しなくてもいいぞ。まぁ、口で言うよりも見た様が早いから、早速見に行くといますか。」

 

 そして俺達は依頼書が張られている依頼版へと向かった。




 「あ、カズサさん、そっちにケリウサギが向かいました!」

 

 「分かってる!」と返事を返しながら、俺は大型犬並みの大きさで、勢いよく俺に向かって後ろ脚を突き出してドロップキックをかましてくる凶暴そうな雰囲気を纏った白いウサギのモンスター、ケリウサギに対して、手に持っていた相棒の鉄棒を勢いよく突き出し、逆にケリウサギを粉砕してやった。


 「うわぁ、ケリウサギを粉々にするなんて、その筋肉はやっぱり凄いんですね。」


 驚きの声を上げながらも俺の筋肉を褒めるエリカ。目をキラキラしながら純粋に尊敬の念を込めてくるエリカに「ま、まぁな。」と返すしか出来ない。

 この身体自体、転生特典として貰ったもので、自分で得たモノではないので、エリカの様に純粋にみられると、どうもバツが悪い。


 俺達は今、一昨日、ハイオーガと戦った場所から幾らか東の森の中にいる。

 あれから、俺達はEランクの依頼版に行き、そこに張られている依頼書を見て回った結果、コナタからそこそこに行った深い森でケリウサギと言う低級モンスターがそれなりに繁殖しているので、十匹狩って間引いて欲しいと言う依頼を受ける事にした。


 報酬額も十匹狩って5万エンでそれ以上狩れば数に応じて報酬額が増えるので、冒険者となったばかりのエリカと初めて受ける依頼としては丁度良いだろう。

 とは言え、証拠としてケリウサギの遺体を持って帰らねばならないので、寧ろ、そっちの方が大変と言えば大変かもしれないが・・・。


 こういう時、アイテムボックスを使えたら楽なんだが、流石に俺もまだ、エリカにこの事を伝える程、信用も信頼もしていないからな・・・。とは言え、言葉遣いなどは気を遣うのは止めたが・・・。

 

 と言う訳で俺達はギルドで大きめのリュックボックスを2つ借りて、それを背負って目的地に来た。

 

 目的地は最初、聞いた時は俺は当然の事、エリカもピンとこなかったが、セリア曰く、俺がハイオーガと戦った場所から幾らか東であると教えてくれた上、行き方もレクチャーしてくれたので、セリアさん、マジ、受付嬢の鑑!

 

 そんな訳でこのケリウサギを十匹狩ると言う依頼を受けたのだが、最後に、今のこの森の付近で勢いづいている野盗団がおり、すでにCランクの冒険者パーティー1つと帝国の警備隊の1部隊を一つ返り討ちにしているので、その野盗団に気をつけろと忠告を受けた。


 おいおい、また、そういうのかよと思ったが、こればっかりは行って見ないと何とも言えないので、俺とエリカは、注意しつつ、この森を訪れ、ケリウサギを狩っている最中と言う訳である。


 しかし、繁殖して数が増えていると依頼書に記載されていたが、この森に足を踏み入れた時は俺もエリカも軽く驚いた。

 至る所にケリウサギがいたからである。もっともそのお陰で、


 「・・・これで合計30匹目だな・・・。」

 「あ、はい、そうですね。でもカズサさんは既に23匹も倒しているのに、私はまだ7匹しか倒せていません。」


 俯いて、沈んだ声でそういうエリカ。

 俺は鉄棒を振り回していれば、勝手にケリウサギが当たって死亡するのだが、エリカの場合は一匹倒すのに多少、時間が掛かってしまう。


 これはエリカが弱いのでは無くて、ケリウサギも弱くてもやはりモンスターと言う事だろう。普通のウサギと比べたら、遥かに防御力が高い。


 しかし、エリカ、彼女はシスターなので、そんなに戦闘能力は高くないと思っていたのだが、ケリウサギを相手に積極的に、手にしていた杖を振り回して殴打して撲殺している。


 「いや、エリカは十分に倒していると思うぞ。正直、もっと倒す数が少ないと思ってたからな。」

 「そうでしょうか?」

 「ああ、初めは聖職者だから、モンスターと言えども命を奪う事にも抵抗感があって動きが鈍くなるんじゃないかと思っていたぐらいなんだ・・・。」


 俺の言葉に誤魔化す様にエリカは苦笑いを浮かべ、


 「同期の子達は、そういうのが多いんですが、私、そういうのがあんまりなくて、教会にいた時も部屋に出たネズミや害虫も私が積極的に駆除していましたし、薪割りなども偶にしてましたから・・・。」


 やはり、エリカは元々、物怖じしない性格で、活動的なのだろう。

 だが道中、訊いたところ、ちゃんと聖職者としての法力、神聖魔法も初歩的なモノは一通り使えるとの事なので、俺としては普通のシスターの様に完全な後方支援ではなく、予備戦力とは言え共闘してくれるほうがありがたいので、エリカと組んだことは正解だったかもしれない。まぁ、まだ結論を出すには早いんだけどさ・・・。


 「まぁ、俺としては有難いんだけどな。さて、30匹も狩ったんだから、そろそろ撤退しても良いんじゃないか?」

 「あ、そうですね。それにこの辺りは勢いのある野盗の集団が出没しているとも、受付の方がおっしゃっていたので、早めに立ち去った方が良いですよね。」


 エリカも俺の提案に賛成してくれたので、それぞれ、ギルドから借りて背負って来たリュックボックスに、俺は20匹、エリカは10匹のケリウサギの遺体、と言っても俺の攻撃で攻撃で粉砕してしまいパーツとなってしまった物もあるので、エリカの方はそういうのがメインにした。


 まぁ、俺の方が明らかに身体能力が遥かに上なので、俺が20匹持つのは当然だろう。と言ってもそう提案してきた時、エリカは遠慮か気づかいか、半分は自分が持つと言って来たので、押し切ったが・・・。


 しかし、やはり、フラグは立っていたのだろう。


 俺達がリュックボックスに、それぞれケリウサギの遺体を入れて、背負おうとした時だった。


 俺達の後方に7人ほどの人の気配を感じ、警戒しながら後ろを振り返り、エリカも、俺の様子にただならぬものを感じたのか、慌てて後ろを見ると、いかにも野盗と言う感じの野蛮そうな男達が立っている。


 やっぱりこうなりやがったか・・・やれやれだぜ。

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