第20話 俺はこれから何をするか・・・
明けましておめでとうございます。
今年最初の投稿です。
受け取った報酬を手にして、ニヤニヤしてしまう俺。
「しかし、ハイオーガが200万エンもするなんてな・・・。」
思わず呟いてしまった俺の言葉に夕姫白蓮が反応し苦笑しながら、
「カズサ、レオンから昨夜報告は聞いているが、その口ぶりからしてお前は本当にハイオーガを苦戦する事無く倒せたんだな・・・。」
彼女の口ぶりからするとハイオーガは簡単に討伐できるモンスターではない様だ。
「お前からすると弱かったかもしれないが、ハイオーガが討伐報酬200万エンというのは伊達ではない。それだけ通常の冒険者もしくは国の騎士達にとって厄介な敵と言う事だ。話ついでに説明しておくとオーガの上位種には更に上がいて、それは”オーガキング”と呼ばれており、ハイオーガよりも更に一回り大きく、攻撃力、防御力共に更に上がっている。更に魔術も使用し、知性も人間と変わらず戦術・戦略も使いこなす非常に厄介なモンスターだ。故に討伐報酬は1体500万エンとなっている。」
ハイオーガもオーガの倍以上の報酬金額なのに、オーガキングとやらは更にハイオーガの倍以上というのだから、相当な化け物と言う事は理解できた。
「まぁ、最もS級冒険者やSに近いA級冒険者にとってオーガキングは敵ではないが・・・。」
どうやら、S級冒険者というのも化け物じみているというのは理解できた。事実、目の前の夕姫白蓮も現役のSランク冒険者であり、昨日、彼女から発せられた威圧感と凄みはハイオーガとは比べ物にならなかった。
そこでふと、そんな化け物じみたS級冒険者が討伐するモンスターはどんな化け物なのかと興味が沸いたので尋ねてみた。
「ん?S級冒険者が討伐するモンスターはどういうモンスターかだと?簡単な例えで言えばドラゴンの中でも上位種に当たるモノや、上級の魔人や悪魔、堕天使と言った奴らかな。どれも一体で帝都を壊滅させることが出来るような力を持った化け物どもだ。故にその討伐報酬金も認定されているので一番安いのでも6000万だ。」
6000万!、成程、そりゃあ確かに桁が違うな。
「ちなみにだが、魔王軍の最高幹部達はどれも10億以上で、魔王に至っては500億と言う最高金額となっている。」
500億!?そりゃあ、そんな討伐報酬金がそれほどの金額となると、その強さは想像もつかない程の超絶的なモノであり、S級冒険者や昨日セリナに聞いた帝国が誇る”シュバルツァーナイツ”が束になっても勝てないんじゃないだろうか?
あ~、ダメダメ、俺みたいな平凡な小市民なんかが関われるような世界じゃない。そういうぶっ飛んだ世界の戦いは、その領域の連中がやればいいわ。
魔王とその部下の中でも最高幹部達の討伐報酬金の値段を聞いて俺は一気に関わる気が失せた。まぁ、転生する前の世界でもそうだったが、身の程は弁えないと手痛い大やけどを負う場合もあるからな・・・。
夕姫白蓮も、俺が魔王軍と戦う気が微塵も無くなった事に気付いたのか、つまらなさそうな表情になり、
「・・・話を戻すと、これでハイオーガの一団の件の報酬は渡したな。これからも頑張ってくれ。それとカズサ」
「はい?」
「お前がハイオーガを倒せる強さがあるのは理解できたので、ランクを上げるのに必要な仕事をちゃんと達成する責任感や依頼をこなす能力なども見たいので、冒険者としてランクを上げる気があるのなら、今から2週間の間にEランクの依頼を5つ達成させろ。そうすればⅮランクに上げてやる。」
夕姫白蓮の説明に、冒険者って強いだけでは上に上がれないんだなと思いながらも、傭兵などでもないんだからそれもそうかと納得する自分もいた。どちらにしても、
「分かりました。考えてみます。」
と無難に返しておいたが、夕姫白蓮はつまらな気に「そうか」と返すだけだった。
ひょっとして、夕姫白蓮は俺が積極的に冒険者として活動する事を望んでいるのだろうか・・・?
まぁ、俺の勝手な思い過ごしの可能性もあるので、そんな事を問い返したりはしないが・・・。
俺とレオン達、それぞれ報酬を受け取り、ギルド長夕姫白蓮の言葉を聞き終えると解散となったのだが、そこでレオンが昨日、俺が彼らの為に使用したポーションとハイポーションの代金を支払うと申し出て来た。
「ポーションは1980エン、ハイポーションは9800エンと計11780だ。受け取ってくれ。」
「え、ええ、確かに受け取りました。ありがとうございます。」
ポーションはともかくとしてハイポーションの価格を聞いて俺は内心、動揺した。
何だよ!ハイポーションも簡単に作れるので金にしようと思えば、金になるじゃないか!
冒険者とは別の錬金術師としての金儲け方法を見つけたかもしれない喜びを何とか抑えて礼を言うと、レオンは首を横に振り、
「いや、その二つのポーションとあんたがあの場に来てハイオーガを殺してくれたから、俺達は今、こうして五体満足で生きていられるんだ。礼を言うのは俺達の方だ。もう一度、礼を言う。ありがとよ。」
「い、いえ、そう言われるとこっちとしても照れます。」
レオンは俺の様子を見て「そうか、ならもう言わない。しかし冒険者として何かあったら言ってくれ。相談ぐらいなら乗る。」
「なら、そう言う時があったら先輩としてもBランクと言う高レベルの冒険者としても頼らせてもらいます。」
俺の言葉にレオンだけでなくマリアも頷いてくれた。アレッサはやれやれと肩を竦めたが・・・。
まぁ、アレッサの気持ちも分からんでもないかな・・・。
そんな事を思っていると、レオンが「ところで」と俺に尋ねて来た。
「先程、ギルド長からランクを上げる気があるなら2週間の間にEランクの依頼を5つ達成させろと言われた時に、考えてみますと返していたが、冒険者として上のランクを目指す気がないのか?」
「あ~、俺自身、まだ冒険者として生きていくのか、錬金術師としてやっていきたいのか、それとも別の仕事に着くのか、まだ定まっていないんですよ。」
俺はレオンに今、俺自身が内心で迷っている胸の内を伝えた。そう、俺自身、この見た目”男の娘”の高スペックの身体になってこの世界に転移させられ、まだ混乱しているというのが正しいかもしれない。
ただ、どの世界でも金がないと生きていけないので、金を儲ける事を目的にしている。幸いといってはなんだが、今のこの世界の俺は転生する前の世界の俺よりも、遥かに金を儲ける事が出来る素質を持っているのは確かである。
では後はどれを主体にやっていくかである。
レオンは俺の返しに「そうか」と答えた後、
「これは昨夜から感じた事なのだが、ギルド長はアンタの事を目に掛けているのは確かだろうよ。少なくとも将来性が高いと思っているはずだ。本格的に冒険者としてやっていくかは別としてランクはⅮに上げれるならば、上げておいた方が良いだろう。選択肢は多く残しておいた方がいいぞ。まぁ、道を迷っている新人冒険者に対しての先輩からの助言だ。」
レオンの助言は、的を得たモノであり、確かに選択肢を多く残しておくのは賢いやり方である。それに冒険巣をしながら錬金術師としてやっていく方法もある。俗に言う仕事の掛け持ち、もしくはダブルワークの認識でいればいいかもしれない。
日本では社会人としてサラリーマンとして働いて来たが、大学を出て以来、ずっと一つの会社で働いて来たので、仕事の掛け持ち、もしくはダブルワークと言う発想がすぐに思いつかなかったのだろう。
俺はレオンに礼を述べ、俺達は別れた。
レオンの助言に従い、この2週間の間にEランクの依頼を5つ達成させよう。でも、その前にハイポーションってどれくらい価値があり、製作したら買取などをしているか調べてみよう。
まずはそこからだ!!
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