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お嬢様、大森林にて激憤する

よろしくお願いします!


ヒロインが悪鬼羅刹みたいになってしまいましたが、お楽しみください!!

 凄まじい爆炎と衝撃だった。

 あれでは誰も生きてはいまいという確信を持たされてしまう。事実、砂煙が晴れた頃には魔物の死体も護衛もシキもその姿形が見当たらない。


 その刹那、エリザ・スカーレットの脳裏を過ぎる思考は1つだけだ。


「死ね」


 デタラメな大きさの火球を無数に生み出し、標的を燃やし尽くす為に放つ。

 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……殺す。


 周りの言葉は聞こえない。ただ死ねと思う。

 シキはあの程度なら死にはしない。きっと何処かに身を隠したのだ。それは分かっているが、分かっていても殺す。


「見境なしとは恐れ入る」


 まだ生きているのか、あの畜生ども。


「やはりあの方の仰せの通り、貴様は人を人とも思わぬ怪物であるらしいな」

「死になさい」


 この辺り一帯を消し飛ばそう。魔力を巡らせる。


「待て! スカーレット嬢!!」


 羽虫が耳元で煩い。こいつも殺すべきか。


「待て待て待て!! 気持ちは分かるが、森が焼けるだけならともかく、消し飛ばすのはまずい! シキが今度こそ死ぬぞ!?」


 シキ、という言葉に動きを止める。コイツ、今シキの名前を呼んだのか? 殺す。


「相手さんより前にこのお嬢様に殺されそうだぜ……。なぁ、スカーレット様よぉ。シキはあの程度でくたばる奴なのか? 俺にはそうは思えねぇ、まずは落ち着いて……」


 2回もシキの名を呼んだ。殺す。

 火炎を飛ばす。羽虫はどうやら回避したようだ。次は避けられないように数を増やす。どいつもこいつもちょこまかと避けて回りながら、何かを喚いている。うるさい。


「若旦那! こっちのがやべぇ!! 全員殺す気だぞ!!!」

「待て……時間を稼ぐ。他の奴らを守ってやれ。ベックマン!! どういうつもりだ! グラシア大公家の息子ともあろう者がこのような惨事を引き起こすとは、家が取り潰されかねんぞ!!」

「そんな小さいことをまだ言っているのか? そもそも貴様らは皆殺しだ。全員死ねば、事故として処理される。そう決まっているのだ」

「決まっている?……決まっているだと!? やはり第二王子殿下は乱心されているのか!?」

「死に行く者に答える義理はない」


 羽虫どもが何かを喚いている。鬱陶しい。

 全方位に熱を放とうと魔力を全開で回すが、何かにしがみつかれた。


「スカーレット様!! 駄目です、みんな死んじゃいます!! 1度落ち着きましょう! トアルさんならきっと無事です! スカーレット様が言ってたじゃないですか!? トアルさんがいれば何も問題はないって!」


 その言葉は聞くに値しないものだったが、何故かわたくしの耳に届いた。

 灼熱する思考回路が冷えていくのが分かる。


「…………治癒魔術ね。少し取り乱していたみたい。ごめんなさい、ティアベルさん」


 よく見れば、彼女は火傷の傷が酷い。おそらくわたくしを抱き締めたことで、熱を持った魔力に焼かれたのだろう。


「まずは、仕切り直して聞くべきです。あの人たちが何であんな酷いことをしたのかを」


 彼女の眼にも怒りが宿っている。他の者たちも大なり小なり同じだ。やるべきことを見失っていた。わたくしがやるべきことは、あいつらを惨たらしく殺すことだ。















 わたくしが動きを止めると同時に、奴らに向けてヴェルクが再び質問をする。奴らに動作の予兆も魔力の動きも感じないが、念の為、先程放った魔力の準備をしておく。


「もう一度問おう。何故だ、ベックマン・グラシア? 何故こんなことを引き起こした。それにそいつらは第二王子殿下の派閥だろう? グラシア家は第一王子殿下の陣営だ。何故一緒にいる?」

「先程と同じだ。死に行く者に答える義理は……グァッ!?」


 質問の答えを拒んだ瞬間には、奴の肩を炎の槍で撃ち抜いていた。


「次は顔ね」


 わたくしがそう告げると、畜生は忌々しそうにこちらを睨み付けてきた。不敬だったので、全員の両脚を焼いた。


「ガアアアアァァァッ!!!!??」

「悲鳴まで醜いわ」

「この……悪魔がぁ!!」

「そう、まだ焼いても大丈夫そうね」


 右腕を焼いた。


「この……悪魔が……」

「確かにスカーレット様はやり過ぎですが、先に仕掛けたのはそちらでしょう」

「僕も同感ですね。せめて質問には答えて頂けませんか?」


 金で雇った2人もかなりキレているようだ。護衛は間違いなく死んでいる。あの者たちもかなり気の良い輩だったので、臓腑が怒りで焼けそうだ。


「は……我らは王国とは袂を分かつ。貴様らのような狭き世界で生きてはいないのだ」

「これから死ぬ奴らが何を言ってやがる。若旦那とスカーレット様に楯突いたんだ、極刑は免れられんだろうが」


 そんなジェフの言葉に奴らはニヤニヤと笑みを浮かべる。何か策があるのね。殺すべきだわ。

 魔術を展開する。余計なことができないように、頭を吹き飛ばす。


「スカーレット嬢! まだ……」

「無駄よ、それにこいつら何かしでかすわ。今殺すべきよ」

「正解だ、悪魔が。だが、元より手遅れだ」


 ヒュッと音がした。


「矢だと!?」


 ヴェルクが咄嗟に風魔術で防ぐが、数が多過ぎる。ザディスとコーズは避け切れず、それぞれ肩と脚に矢が突き刺さっている。

 でも、わたくしの魔術の発動も防げ無いはずだ。死ね。


「元より手遅れだと言っただろう」


 魔術は直撃した筈だ。

 奴らは死に体でトドメを刺した筈なのに、何故立ち上がっているの?


「我らの肉体は既に貴様らの枠にはいない……。帝国の魔導技術はとうに人間の肉体限界を超越したのだ」

「気色悪いわね。焼き尽くすわ」


 少々面食らったが、問題はない。消し炭にしてやれば死ぬだろう。

一人称と三人称が混じって妙な感じです……。もし何かこう表減したほうが分かりやすいなどあればご指導お願いします。


もうちょっとだけシリアスは続きます

おつき合い下さり、ありがとうございます!!

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