あやつとの再会
人との別れ。それはとても辛いことです。
それを乗り越えて生きていく人間は強いです。
「一度、外へ出てご主人様たちを鍛えなければなりません。これを着てこれを持ってください。」
ピントがくれたのはおそらく装備と武器だろう。りんのぶんもちゃんとある。
「そういやりんは俺についてきてよかったのか?」
「いいの!私親にそう言って来たのよ?ちゃんと弟もいるし任せてきた」
りんの表情にくるいはなかった。りんはとてもここら辺の街に詳しく医療にも詳しかったのだ。
「ご主人様、早く次の街へ行きますよ。日が暮れていまいます。」
そういわれピントの指示に従いモンスターを倒しながら俺らは次の街へと着いたのだった。
「なんなんですかあなた!やっ、やめてください」
あの時の女の子がまた別の奴に絡まれている。りんは無視しようとしていたが俺の体は動いていた。
「嫌がっているように見えますが、俺の見間違いではありませんよね?」
女「見間違いじゃないですっ」
「とりあえずこの子俺の仲間なんでもらって行きますね」
女の子は首を傾げているが俺はウィンクをしてわかってるみたいな感じにその場を離れた。
「また、助けていただいて…ありがとうございました…あの…助けていただいたお礼を…私についてきてください」
申し訳なさそうにうつむいてお礼を言われる。彼女についていくと板に多く紙が貼られている。ギルドに入っていなくともいけるクエストがあった。
「えっと、新人さん。助けていただいた…お礼はクエストの貼られている場所です。で、では、私行きますね…」
女は去っていく。俺は初級のドクロのやつを手に取る。すると黙っていたピントは反応し掲示板を見る。
「ご主人様。ドクロのものは…かなり強いですが、それでも参られますか?」
ピントはかなり参っている様だったが俺の反応をガン見してピントは頷いた。
「ならばいきましょ。他人に取られてしまう可能性もあるので。」
ピントは面倒くさそうではあったが、ちゃんとついてきてくれる様だ。受付をしてから3人で外の世界に行く。俺たち2人は精霊を出して進みながら戦っていた。
「モンスターが強くなってきていますが…なれましたか?」
回答する間もなくその場は指示を出していた。
「ピントのおかげなの」
そうりんが答えてくれてピントは少し笑った様な気がした。俺らは倒しながら先へ先へと進んでいく。気付いたらこの森の深いところまで来ていた様だ。
「ご主人様。お待ちください。この先、異様な気配がします。きっとクエストに出ていたモンスターはそれです。このクエストのダンジョンのボスだと思われます。用心してください。」
ゆっくりはいっていくとかなりでかいモンスターが待ち伏せていた。
「私は全力で行かせていただきますが…(ご主人様達だけで)勝てる相手ではないと思います。」
ピントはそう言っていたがやってみなければわからないのでミラノに指示を出して戦った。
りん「強いの…」
俺「ドクロとはいえ初級だがかなり強い…」
ピントの言った言葉を素直に聞き入れていればこんなことにはならなかっただろう。後悔したその時だった。上から降ってきた女とあの時助けた女が目の前に現れる。
?「ここは任せて欲しいんだけどね〜」
女「おっ…お待たせ、致し、ました…!」
上から降ってきた女は強く、淡々とでかいモンスターにダメージを与えていく。
「よしっ、クリアね」
その女はこっちを振り向いた。あの花ではないか。俺はびっくりする。
「え…?ゆうき…?ゆうきだよね!?ちゃんとなれたんだ…よかった。元気だった?」
「花か…?さっきは助かった、ありがとう。俺は見ての通りだ。花は元気か?」
「うん、元気元気〜!ってか、その女の子は?」
「俺が目を覚ました時にいてくれたみたいなんだ。それで俺が召喚者になりたいって言ったらついてきてくれたんだ。」
「なるほどね。」
「花様…。」
話が盛り上がっている最中だったが、ピントがボソッと呟く。それは俺らのことだった。
「あと…1人、いるはずです。私はご主人様のために作られたモンスターです。ご主人様の昔の事とかが何故か分かります。内容も理解しています。花様のほかにもう1人いますでしょう?私はそれが誰だかわかりません。」
花と俺は顔を見合わせる。
「しんだ。召喚者になろうとしていた1人だ。」
「ありがとうございます。」
そうして俺はりんに花を。花にりんを紹介すると、花も紹介してくれる。
「私は花。で、こっちがスイトピーっていう子。よくチンピラ連中に絡まれてさあ」
「俺、助けてたわ」
「さっすがゆうき。ここで繋がってるって面白い偶然だね。ねぇ?」
花はスイトピーの方を見た。
ス「一緒に、行くんですか?花さんの願い…は、この人達と、なんですか…?」
花「私の願いは召喚者になること。そしてゆうきとしんと旅をすること。そして困っている人を助けること。だから、ちゃんと話す。ゆうき達、ついてきてくれる?」
ついて行って着いたところは高い塔だった。
エレベーターがあるのかわからないがとりあえず階段しかみえない。
「これを登って、頂上まで。疲れるだろうけど…頑張って」
俺たち2人は途中息を切らしていたが、なんとか頂上に辿りつくことができた。すると1人の女が立っていた。
花「ミナミさん。お話があります。今日限りでここを去りたいと思います。いきなりだと思います。どこの誰かも知らないのにそれでも聞かずにいてくれて。ミナミさんとスイトピーはとても優しかったです。わがままだっていうのは、わかっています。ですが、私は…私の記憶は……。」
ミナミ「いきなさい。あなたは、どこの誰とも知らない自分をかかえって参りました。その仲間との記憶があるなら、自分の好きなように生きなさい。…それだけです。」
「ミナミさん!!短い間でしたが、お世話になりました、感謝しています。この恩は一生、忘れません。」
その一部始終を見ていたがその辛さを思い知る。人間の別れ。俺はうつむいている花に何も声をかけてあげられなかった。こんな時、しんがいたら…。。。
「花お嬢様、とても辛そうに思えます。こんな時は無理せず泣いてはいかがでしょうか?」
花は涙をこらえ、無理矢理笑顔になって見せた。
「ううん!大丈夫だよ!次の街へいこっ」
辛さを抱えながら生きていく。辛い時でも笑顔を忘れない。花の生き方。それが花だ。
つぎもみーてね