1章 邂逅編 Episode:4.5 少女の意地
次の話への間です。
少女が何を思っていたのかという所です。
2076|03.30/12:18 庶民街 路地裏
少女の目には不思議な光景が映っている。
自分の事を知るはずのない少年が戦っている。
「どうして...」
彼はなぜ戦っているのだろう。たまたま声が聞こえたから来てみた。そしたらこんな状況に巻き込まれちゃった。本当に無関係な一般人だ。なのに
「貴方が戦う必要なんてないはずなのに」
彼からしたら迷惑だと思うだろう。実際死んでしまう可能性だってある。
いや、死んでしまう未来しか見えない。
予知ではないが未来に起きるであろう現象、出来事をルートとして見る事が出来る能力である。
能力から割り出された判定によると
少年の生存確率・・・1.2%
絶望的だった。逆に1.2%も残っていることが不思議なくらいだ。
「早く逃げなさい!!貴方が何処の誰だか知らないけど、貴方に勝てるような相手じゃ...」
彼が無関係な私のせいで死んでしまうのはおかしい。
せめて今なら逃げられると思った。
だが、少年からは予想外の答えが返ってきた。
「俺もアンタがどこの誰だか知んない。けどさ、」
拳を突き出し、笑顔で〝待ってろ″と
その言葉にあきれると同時になぜか安心感が湧いてくる。
生存確率・・・測定不能
もともとはこの話は無かったんですが、区切りがいいので入れてみました。