1章 邂逅編 Episode:04 脈動する心
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龍我の体中に散らばっていた何かが一つに集まり黒い卵を形作る。
例えるなら母鳥に護られる卵のように産まれてくる時をいつかいつかと待ちわびる。
ただ、龍我は気付くのはまだ先の事である。
今はまだ目覚めの時ではない...
微かだが霞みがかったような光景が眼と言えばいいのかどうかわからない。
しかし、自分を宿しているこの依代が今から戦うということはなんとなく
わかった。だが、彼では勝ち目はないかもしれない。
《今...助けてあげ...るね...》
2076|03.30/12:20
先に仕掛けたのは俺だ。体のバネを生かし跳躍。そこまでは良かった。だが次だ。跳んだ。何故か思った以上に飛んだ。
半田って奴も驚いている。そーだろうな。俺もどうなったか初めはわからなかった。だが、そのまま上から殴りかかる。
わかっていたのだろう、半田はサッと後ろに跳んで避けた。
龍我の拳は誰もいない地面を打ち付け、咄嗟に顔を前に向ける。しかしそこには、
「だれもいない?」
避けたはずの半田は忽然と消えていた。
真横から何かの気配がした。
その瞬間に龍我の体は宙を舞っていた。
「なっッッ...!!」
宙で回転をしながら地面へと堕ちる。
「グフッ」
堕ちた衝撃で肺の空気が抜ける。だが、休んでいる場合ではない。
踏みつぶすように半田から攻撃が飛んでくる。
間一髪のところで龍我は避け、そのまま半田から距離をとる。そのまま半田とにらみ合いになる。
「どうしました?もう終わりですか?」
「うるせえよ。」
そう吐き捨てる。拳を再び握り直し半田をにらみつける。しかし、半田へ決定的な一撃を与えることはできない。
与えることは出来ないことはわかっている。だが、今までの人生の中でわかっていることはある。
(不意打ちなら勝機はあるはず...!)
一度龍我は目を閉じ、呼吸を整える。
さっきはあんなに飛べたんだ...きっとこれならいける!
ゆっくりと目を開ける。その瞳の色は再び紅蓮の色へと燃え上がる。
(雰囲気が変わりましたね...)
龍我から発せられるオーラが明らかに変わった。
「面白くなりそうですね...」
今までの龍我に対する評価を変えるべきであろう。
弱小な存在から、真なる敵へと...
紅蓮の瞳を輝かせ少年は目の前の敵へと立ち向かう。
拳を振りかぶり半田へ殴り掛かる。
しかし、龍我の攻撃は地面に当たり土煙を上げるだけだった。
半田は後ろへと飛び龍我からの攻撃を避ける。
「これだけですか?拍子抜けですよ?」
フフフと不気味な微笑みは崩さずに
「そりゃ、申し訳ないな。」
しかし、
後ろを振り向くとニヤリと笑う俺がいた。
題名がなかなか思い浮かびません(;´∀`)
書籍化されてる人たちって本当にすごいです。