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1章 邂逅編 Episode:01 出会いはたいてい突然に

この世界は第三次大戦が起こり復興から40年後の話です。


「はぁっはぁ...」

 肩で息をしながら俺、古月龍我こづきりゅうがは壁にもたれかかり休んでいた。

何ではぁはぁいってるかって?

そりゃぁ...

「へっ、居た居たぁ。こんなとこでなぁ~に休んでんだよ、このクソガキ。」


何とも...(;・∀・)

怖い兄ちゃんだよ。まったく。

先ほども説明したが目の前にいるのは三人組の怖~い兄ちゃん達である


「さっきはよくもバカにしてくれたなぁ!おい!!!」


と、俺に向かって凄む真ん中にいた奴。こいつがリーダーであろう。

そして俺は


「うるせーよ!!」


と、言ってがむしゃらに走り出す。

今まであまりこういう体験をしていなかっただけに背筋が凍りつく。

この気持ちがよく分かった。


何で、こんな奴らと出会ったんだ。俺は一体何を間違えた?


2076|03.30/am 10:41 庶民街- 学生寮:垣根のそら 龍我の部屋


「はぁっ!!」


 龍我はベッドから跳ね起きた。

龍我の額から脂汗がにじみ垂れる。あたりを見回すと、見慣れた部屋にいる。


(なんだ今の...夢か?)


ベチッ

本当に夢だったかどうか自分の頬を叩き確認する。...夢だったようだ。


(気持ち悪い夢だったな...何で血まみれなんだ?)


「うううぅぅ」

いかんいかんダメな部分を思い出してしまった。

モザイクだ!モザイクをかけろーー!!夢の一部分にモザイク加工を施す。


(危ない危ない。てか中学生の見る夢じゃないだろ...)


 夢の中の笑顔が可愛らしく、おそらく同年代であろうあの少女。ただ、夢だからか少しずつもやがかかるように霞んでいく。



(どこかであった?いや、そんなことは無いよな。)

考えるのはやめよう。考えすぎるのは却って良くない。うんうんと龍我は一人頷く。

気を紛らわすように龍我は冷蔵庫からジュースを取り出し飲み干す。

すると、何かを思い出したように振り返る。


「あ、父さんと母さんに挨拶しなきゃ」


龍我はリビングの端にある一枚の写真へと近づく。


「おはよう。父さん、母さん。」


俺の両親に手を合わせる。写真には二人の男女が写っていた。写っている女性のお腹は大きく膨れていた。


「母さん...」


遺影の前で呟いた。



ここは、〔世界樹の箱庭:庶民街〕


昔で言う東京都の文京区辺り。当時は大きな建物や施設もあったんだろけど、今では住宅街になっている。

要するに田舎以上都会未満な所。学校だってちゃんとある。


第三次世界大戦、俺からしたら何十年も前のお話だ。戦争で色々変わってしまったらしい。

人間が何が理由で戦争なんかしたかなんて俺は知ったこっちゃない。


ただ...言うとすれば、本当に人間は人間と戦ったのかってことぐらい。

当時の記録はあまり残っていない。女の人が迷彩柄の服を着ている男の人を見送っていたり、戦闘機が上空を飛んでいたり、大破した戦車や、無残にも破壊された家やビルといった映像ばかり。

現実味がない、と言えばそれだけの話だ。この戦争はいつしか〔方舟の戦い〕と呼ばれるようになった。


 日本は辛くも勝利。だが、被害は予想以上だった。

日本の主要都市は廃墟と化し人口は四分の一まで減少した。

そんな中、新・日本皇府が誕生した。皇府は元京都府に首都を移し、そこを中心に莫大な国家予算をつぎ込み巨大シェルターを作り上げた。そのシェルターの中で国民を保護し、復興へと進んだ。

その戦いから40年が経過して今に至っているが、シェルターの外に行くことは許されていない。なぜなら、戦争で使った核兵器の影響で箱庭のニンゲンは外の世界に適応できなくなっている為だ。

ま、昔の人の礎だなんだ言ってるけど正直そんなのどうでもいい。


「腹減ったなぁ…」


2076|03.30/am 11:38 庶民街- 商店街:幹八百屋


「おっちゃーん!ジャガイモとニンジン。それから...玉ねぎくれ。」


「おう、りゅうちゃん今日は肉じゃがかい?」


と、店のオヤジが話しかけてきた。

俺は、町外れの商店街へと買い物に来ていた。


「そうか、だったら肉はあんまり炒めすぎるなよ?」


とアドバイスをもらった。気を付けよう。すると奥さんが出てきて、


「これも食べなよ?一人じゃ大変だろ?」


て言ってリンゴを袋に入れてくれた。

父さんや母さんたちが居なくても今まで生きてこれたのはこの人たちの御陰だ。


ここの商店街の人たちが親みたいにしてくれたから、今まで死なずに済んだ。

それにしても、と龍我はリンゴをポケットに入れながら考えた。


(あの夢、無駄にリアルだったよな...)


その場所にいるような感覚だった。体の熱が引いていく感じもまさにそうだった。


(考えるだけ無駄かな...たかが夢だし。)


そんなことを考えていると路地裏から声が聞こえた。


「ッッッッ!ッッ!?...」


奥から聞こえてくる。物騒な声だ。


(まぁ、ここら辺なら珍しくもないか)


龍我は頭を掻きながら呟く。普通なら聞き逃す。逆にこの雑音の中でよく聞き取れたと思う。


 (面倒だ...) 

 

それ以外の何でもない。自分には関係ない。ましては他人の喧嘩である。

他人事だ。と、龍我は聞かなかったことにする。


《本当にいいのか?》


心を突かれるような言葉だった。

なんだ?幻聴か?すげー響く声だったな。

でも、この声どっかで...

いやいや。寂しすぎてこんなのも聞こえてきたんじゃ、たまったもんじゃないよなぁ。


「気にしない気にしない。」


結論付けて帰ろうとする。


”本当にいいのか”


思い出すのは何故か夢の中の少女、そして...

あー考えても仕方がねぇ。ここは、行くしかないか...。

薄暗いやみへと少年は歩みを進めていった。


......怖かったら、逃げよ。(;´∀`)

若干文字の打ち損じが在るかもしれませんが

温かい目でお願いします。

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