表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/33

1章 邂逅編 Episode:14 命令

2076|03.30/14:20 庶民街-路地裏


テル達は同じ路地裏に来ていた。そこではつい先程まで戦闘が行われていた場所だ。

半田には何かあったら戻ってこいと言われている。


「半田さん居ないっすね。」


側近Aがテルに話しかけてくる。

ああ。

とだけ言ってテルは黙っている。


(おかしい。)


この言葉だけがテルの頭の中でぐるぐると回っている。今まで頼りにしていた人は本当は偽物なんだと言いたい。だが、それを良しとしない気持ちが浮き出てくる。

まるで、出口のない迷路を延々と彷徨っているかのような気分だった。


「どうしたテル?顔色悪いぞ?」


側近Bが心配そうに窺ってくる。


「さっきから頭痛が酷くてな。」


「天気が悪いせいだよ!気にすんなって」


笑っているが、この笑顔も操られているのではないかと思うと、背筋にいやな汗が流れる。


「お待たせしました」


建物の間から音もなく半田が現れる。何時もの様に微笑を浮かべ歩み寄ってくる。

しかし、一つだけ違うことをテルは見つけた。それは半田の腕にタトゥーのような螺旋を描く模様が腕一

杯に広がっていた。


「半田さん...」


それは?と聞こうとしたが、


「すいません半田さん。アイツら捕まえられませんでした。」


側近Aが地面に膝をつき謝った。


「いいんですよ?次頑張ってください。」


半田は微笑の顔を崩さず言った。


「す、すんません」


テルは頭を下げる。顔は見えないが半田は今も笑っているのだろう。

不気味な微笑みを宿して。


「では、名誉挽回と言うことで、君たちには此処に行ってもらいます。」


半田は一枚の紙をテル達に手渡した。


「ここって?」


テルは驚き聞き返す。


「そこに彼らは居ますから。連れてきてください。」


不気味な微笑みで半田は言う。


「手段は問いません。」


獰猛で尚且つ優しく半田は命令する。


紙には施設の名前が書かれていた。


垣根の空

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ