第6話
只今、今年中に幼少期編が終われるように更新を多くしています。
11月や12月、新年になると思うように出来なくなるので今のうちに……。
時が経ち、私たち双子は成長しあと来年で学園の初等部に入学するくらいになりました。
この世界の教育事情はあの記憶の中にあるものとあまり変わりはありませんが、しかしそれは私たち貴族だからです。
簡単に説明しますと、この世界には教育機関は一つしかありません。
桜花国立学園は初等部から高等部まで編成されており、主に貴族の子息や令嬢が通います。
しかし平民からいない訳ではないのです。
平民からこの学園に入学するには“特待生”の資格をとる必要がありますが、それさえ取れれば何人でも入学出来ます。
貴族はあるモノを確実に持っていて、平民はあるモノを稀にだが持っている。
このあるモノを持っているかいないかで入学資格になるのです。
このあるモノとは、私もまだお父様から知らされていません。
書籍でも調べてみたのですが、その部分だけいつも見えなくなっているようなのです。
お父様に聞けば、私が大きくなったら……、初等部に上がる前くらいだ。と教えていただきましたが、とても気になってしまいます。
っと、まぁこの世界の教育事情はここでいったん置いといて。
私たち双子の話をしましょうか。
入学前、つまり五歳をすぎた私たちは随分成長しました。
体格はもちろんなのですが、ほら、私たちは一般的な年齢から勉強を開始するのではなく三歳から勉強を始めていたでしょう?
五歳になった私たちは、自分でいうのもなんですがとても優秀に育ちました。
……ですが私は玲音には追いつけませんでしたが。
玲音の成長は本当に凄かったです。
ぐんぐん伸びるように賢くなっていく玲音みて、私は少し悲しくなりつつ、それに負けないようにと必死に追いつこうとしています。
現在私たちが取得している勉学は外国語は3ヶ国語に初等部の勉強、礼儀作法や常識として必要なもの。
これら全てを毎日した結果……。
「悠華?どうしたの?」
「……ううん、玲音は賢くなったなって…。」
「?何言ってるの。悠華も頑張ってるでしょ。」
あの幼い喋り方は形を潜め、もう五歳でこの完璧さ。そしてこれでマナーや礼儀作法を習っているので敬語も出来るのですよ?
本当に五歳なのでしょうか。
あの日から私たちは勉強しつつもいつものように二人で行動しました。
といっても行動範囲は限られていて、我が家の書庫や温室くらいにしか行きませんが。
お父様たちはそんな私たちを心配なさっているようです。
まぁ三歳児が勉強ばっかで、五歳になってもそれを止めないとなると、遊んだりしないのか……、と心配なさるのは当然です。
……ですが、いきなりはやめて欲しいのです。
「ほら、挨拶をしなさい。」
「「…こんにちは。」」
お父様に背中を押され一歩前に進み、戸惑いつつもお客様に挨拶をします。
そこまでは時々あったことなので別におかしくはないのですが、問題はそのお客様にあります。
「こちらこそ、……ほら挨拶しなさい。」
「「「こんにちはー。」」」
私たちと同年代の男の子や女の子が来るとは思ってみませんでしたよ?
……とりあえず、玲音。背中に隠してください。