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うちの学校の床って発光体かなんかだっけ?

二作目です。

こっちの更新はものすごく遅くなります。

どうして、どうしてこうなった?考えた。だけど答えは見つからない。


なぜだ?なぜ俺だけこんな目に遭う?

おかしいではないか?


グチャグチャクチャクチャ、ゴクン!


辺りには俺の血肉が飛び散り、内臓が散乱している。

それを複数のこの世のものとは思えない異形の怪物が食らっている。

目の前の一際大きな異形の怪物は俺の肉を抉り、千切り、食らい続ける。

時に頭を潰され、腕や足を折られ、首を引っこ抜かれる。

何がどうなっているのか分からない。


「意味わかんねぇよ……グェッ!」


丸太の如く太い腕に腹を貫かれた。

体が痙攣する。

貫かれた箇所は熱を持ち、命の雫が吹き出しているのが見て取れる。

尋常でない痛みが体を支配する。


「グゥアアアアアアアア!!!!」


(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)


痛みと恐怖による涙と鼻水と冷や汗が止まらない。

その間にもあらゆるところが壊されてはそれ以上の速度で治って(・・・)ゆく。

まるで傷など最初からなかったかのように。

そしてまた食われるのだ。


(食われて治って、食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って食われて治って・・・・・・)


それの繰り返しだ。

なんなのだろうこの拷問は。

いつまで続くのだろうこの地獄は。



「もうやだ。疲れた」


自分は助からないだろう。

絶望と諦念で頭が一杯になった時、

急激な眠気により、瞼が重くなった。


ふと頭をよぎったのは俺をこんな目に合わせた奴らの顔であった。


俺は奴らを絶対に、そう、絶対に許さない!!

いつか奴らを……



殺してやる!!!



自分が狂い始めていることにも気付かず、


如月きさらぎ 聖也せいやは意識を手放した。




******************************




「ふわぁ~眠い……」


俺こと如月きさらぎ 聖也せいやはごく普通の近所の公立高校に通う高校2年生だ。身長は170cmに届くかどうか。顔はまぁ悪くはないが、特別良いわけでもない。

体は少し鍛えてるが線が細くて全体的にひょろく見えてしまう。

そこはかとなく漂う眠たげな雰囲気も合わさり、見る者に頼りなさをあたえる。

成績は真ん中くらい。運動は少し得意だが、運動部には敵わない程度だ。

そんな空気みたいな存在、それこそが俺であった。


そして今俺が居るのは教室の中の自分の席だ。

普通ならHR前だから、友達と話しているだろうこの時間。

だが、小学校からの腐れ縁の者達はは別の学校になってしまい、以来クラスに馴染めず絶賛ぼっち中というわけである。


(まぁ俺が必要以上にコミュニケーションを取らないのがいけないんだけなんだが。)


正直に言おう。

ただコミュ障なだけだ。

それは俺自信が人間関係を面倒臭がっているからである。

誰がかわいいとか、誰と誰が付き合ってるとか正直どうでも良い。

そんなの個人の自由だろって感じだ。

……言い訳だという自覚はあるさ。


(ああそうさ認めよう!俺は人と話すのがちょー苦手さ!なんか文句あるか?)


うん。虚しくなるからやめよう。

そんなんだから友達はあんまりいない。

今日も退屈な一人の時間を紛らわそうとスマホで携帯ゲームをやっていると、


「おはよう聖也君」


声をかけられたのでスマホから目を離して横を見ると、

凛々しく、美しい少女が微笑みながら僕を見ていた。

相変わらず心臓に悪い。いい意味で。


「あ、ああ。お、おはよう雨宮」


盛大に挙動(きょど)りながらながらやっとの思いで挨拶を返す。

自分のコミュ力の無さが恨めしい。


それはともかく、この腰まで届く癖のない黒髪が特徴的な美人さんはクラスで何故か俺に話しかけてくれる、雨宮あめみや 夏姫なつきだ。

頭脳明晰、スポーツ万能である才色兼備なお方だ。

スタイルも抜群、なおかつ社長令嬢の完璧超人であるため、男女両方から人気が高い。

告白された回数は3桁を越えると言われており、その全てを断ってきたという伝説レジェンドを持つ。


そんな雨宮は俺のスマホを覗き込み……って近っ!?


「ふむふむ。今日はミステリー系か。君はいったいどれだけのゲームをこなしているのか……気になるところだな?」


と笑顔で言われる。もう目の前で。

顔が熱い。


「あ、雨宮!ち、近い!顔!」

「おっと、これは失礼。不快に思ったのなら謝罪しよう」


(不快じゃないです!むしろありがとうございます!)

もちろんそんなことはいえないのだが……。


「い、いや。ふ、ふふふ不快ではないから気にしないでくれっ!?」

「そうか、ありがとう」


そう言って微笑む雨宮はとにかく綺麗だった。

コミュ障の俺にはレベルが高すぎるぅっ!

男女両方(主に男子)からの嫉妬の視線をうけつつも会話を楽しんでいると、


「おいおい!朝から見せつけてくれるじゃねぇか!キモオタのくせによぉ!ケッ!」


途端に教室に静寂が訪れる。


声を発したのは染めた金髪と耳にピアスをつけたいかにも不良ですと公言しているかのような風貌の男だ。

男の名前は、久保田くぼた 圭介けいすけという所謂不良である。

机に足をのせ、腕を組みながらいかにも苛立ってますと体現しているイニシャルK.K氏。


こいつは何かと俺に絡んでくる面倒な野郎だ。

おそらく、雨宮に好意を持っていて雨宮からよく話しかけられる俺に嫉妬しているのだろう。

まったくもってはた迷惑な話である。

というか俺はゲームやラノベが好きなだけであって、断じてキモオタではない。


久保田はわざと大きな音をたてながら床に足を下ろし、取り巻き二人と共に靴のかかとを床に擦りながらこちらへと向ってくる。


「そういう言い方は無いのではないか?彼はただゲームが好きなだけであろう?」


と俺を弁護してくれる雨宮。

本当にいい人である。


「女に庇われるなんて情けねぇなぁおい!なんとか言えよクズ!」


あくまで俺が悪いらしい。

しかし、雨宮が睨みつけてるせいかこちらには近づこうとしない。


(そういうことしてるから嫌われるのに気づいてないのかな?)


というか雨宮が俺に話しかけてくるのは彼女もゲームが好きだからであって別に俺に気があるとかでは無い。

大体俺なんかでは釣り合う筈がないだろう。

・・・・・・なんか言ってて悲しくなってきたなぁ。

それは置いといて、本当に久保田は可哀想な奴だ。

内心ビビリまくりの俺が言えたもんじゃないが……。

と、そこへ、


「やめないか2人とも!雨宮さんも落ち着いて」


声を掛けてきたのはイケメンだ。

このイケメンは、木下きのした 勇樹ゆうきといいクラスのリーダー的存在である。

相変わらず主人公気質なイケメンである。


というか悪いのは俺と久保田のみらしい。

実はこのイケメンは1回雨宮に告白したが断られたという過去を持つ。

目を見れば分かるが、今でも雨宮のことが好きなのだろう。

コイツもコイツで面倒な奴だ。

まぁまだ突っかかってこないだけ久保田よりはマシだ。


そんなことをしていると、


「はーい。HR始めま~す。席についてくださ~い」


このクラスの担任である先生が教室に入ってきた。


「チッ!あとで覚えとけよ!」


と捨てゼリフを言いつつも自分の席に向かっていく久保田。


「ああいうのは気にしなくていいぞ聖也君。それではまた」


と言って雨宮も自分の席に向っていった。


「雨宮さんにあまり迷惑をかけてはいけないよ?じゃあね」


と去ってゆく木下イケメン

他の生徒もダラダラと席につきながら担任に声をかける。


「あっ!千春ちゃんおはよう!」

「千春ちゃんチーす!」

「ちはるんおはー!」


完全になめられている。


「こらぁああ!いつも言ってるでしょ~!千春先生と呼びなさ~い!」


あっ。下の名前はOKなんだ。


担任の名前は、小野田おのだ 千春ちはる

年齢は24歳。

その容姿は一言で表すなら子供である。

顔は童顔。身長は150cmギリギリあるかないか。

クラスの男子が隣を歩けば兄妹として見られることは想像に難くない。

だが、胸はその限りではない。

ものすごい存在感を放っている。

性格もおおらかでおっとりしているため、見る人に愛らしい印象を与える。

そんなんだから生徒達や教師、はたまた親からも絶大な人気をほこっている。

一部でファンクラブもあるとかないとか。

ちなみに独身で年齢=彼氏居ない歴であるらしい。

それを言うと本気で凹むのでクラス内で言わないことは暗黙の了解となっている。


実はこの人、久保田が唯一逆らえない人だったりする。

さっき素直に席に向かったのはそのためだ。

どうしてかというと、一度歯向かった時に先生が泣いてしまったのだ。

先生がそれで良いのかよ!?と思うのだが、そのあと、久保田はこの学校の生徒はもちろん、教師や親にまで目をつけられ退学一歩手前までいったことがあるのだ。

さすがの久保田も退学はキツいらしく、以来千春先生には歯向かうことが出来なくなったのだ。

なんとおそるべし!ちはるん万歳!


「今日はこれから2年生の進路説明会がありま~す。なので、HRが終わり次第体育館に向って下さ~い」


クラス中からため息が漏れる。

進路説明会は先生が喋るだけなのでとにかく眠いのである。


「では終わりま~す。日直さんお願いしま~す」

「きり~つ。きをつけ、礼!」

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」


だるそうな掛け声を合わせてHRは終わった。





皆が体育館に集まり、進路説明会が始まる。


「いいですか?今のこの時期が大切なのです!変わるなら今ですよ皆さん!2年の後半は3年0学期とも呼ばれとても大切な……」


2年の学年主任の先生が熱く語っている。

集中して聞いている生徒など全体の2割も居ない。

うちの学校の2年生は現在40人のクラスが5クラスあり、計200人居る。

ざっと男女比は2:3と意外にも女子の方が少し多い。

理由は良く分からない。偏差値は53くらいだからか、はたまた地理的な理由なのか。


「というわけで、時間を大切にしてください。今日はここまでにしておきましょうか」


どうやらやっと終わるようだ。


「はい。では終りにしましょう」


と先生が終わりの挨拶をした。


だがまだ終わらない。

うちのクラスはいつも最後にされるのだ。


だから今日もほかのクラスが退場したあとにやっと戻れると思い、席を立とうとした瞬間、


突如体育館の床が光った。


(これは……?)


床には幾何学な模様が光り輝いている。

それはよく見れば魔法陣に聖也には見えた。


「えっ!?」

「何これ!?」

「・・・魔法・・・陣?」

「どうせドッキリか何かだろ!」

「けどライトも無しにどうやって?」


そして場が混乱する中、一際大きく床が輝くと、





次の瞬間、




聖也を含めた2年G組42名と片付けをしていた教師12名の総勢54名が今日、地球から突如姿を消した。



部屋には起動されたままのプロジェクターの駆動音が静かに鳴り響いていた……




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