彼の名前の避難所
東京の空気は、アメイにとって、故郷アルジェから飛行機を降りたばかりの彼にとって、オゾンと咲き
誇る桜が混じり合った、馴染みのない、しかしキリッとした冷たさを持っていた。何よりもまず驚いた
のは音だった。彼が慣れ親しんだ、騒々しく活気ある混沌とはかけ離れた、効率的で一定のリズム
のざわめきだ。
ガラスと鉄骨でできたそびえ立つ武蔵高校の前に立ち、重いバックパックを握りしめた。彼の濃い巻
き毛はきれいに梳かされ、姿勢は硬い。これは内なる不安を隠すためだった。母親に猫背の癖を直
すよう強く言われていたため、彼の硬く完璧な姿勢は、学究的な無関心を装うためのものだった。
教室に入り、彼は窓際の最後の空席に座った。何年もの猛勉強のおかげで日本語は理解できた
が、話すことは乾いた砂の上で重い石を引きずるように感じられた。担任の伊藤先生が彼を紹介す
ると、アメイは短く、低くお辞儀をした。
「アルジェリアから来ました、アメイです。たくさん学びたいと思っています」彼はつぶやいた。北アフリ
カ訛りが母音を強め、何人かの生徒がそっと笑った。
「ああ、これで終わりか」彼は座りながら思った。「ミッション:溶け込む。状況:見事に失敗。ただ『こん
にちは』と言えばよかったかもしれない。俺の脳にはソフトウェアのアップデートが必要だ。なぜいつ
も哲学の教科書みたいな話し方になるんだ?」
彼は頭を下げたまま、周りで交わされる早口の日本語の会話を吸収した。それは馴染み深いと同時
に全く異質なものに聞こえた。彼はすぐに一団の生徒たちに気づいた。信じられないほどハンサムな
男子生徒たちのグループで、まるで教室の重心を占めているかのようだ。彼らは騒がしくはないが、
その存在感は明らかで、女子生徒全員、さらには数人の男子生徒の視線をも集めていた。
そのリーダーはすぐに、司亘だとわかった。司は芸術作品のようだ。シャープな顎
のライン、さりげなく整えられた黒髪、そしてただ聞いているだけでもかすかな面白さが宿る瞳。彼は
優雅で気だるい動きで、並外れた自信を示しており、めったに笑わないため、たまの笑顔は太陽の
炎のように感じられた。
アメイは司が隣の背が高くエネルギッシュな少年、空宗良に何かを言って、彼が心か
ら笑うのを見た。アメイはすぐに視線をそらした。自分は観察されていないにもかかわらず、観察され
ているというお馴染みの感覚に襲われたからだ。
*「主役を見るな、アメイ。お前はエキストラだ。シナモンと後悔の匂いがかすかにする、とても静かで
少しぎこちないエキストラだ」*彼は内心で自分を叱った。
最初の数週間、彼は観察者として過ごした。直接話しかけられたときにだけ答え、返答は短く、そっ
けなく、そして自分の言葉遣いや訛りを誰がどう思おうと全く気にしないという口調で届けた。それは
磨き抜かれた防御メカニズムだった。




