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2 あいつのせいで。

 ダウンズリーは気がつくと、家とは違う別の場所にいた。

そこは無限に続く銀一色の世界で、見覚えのある場所だった。


「久々に帰って来て、挨拶のひとつもないとはね〜。」

後ろから声が聞こえ振り向くと、古めかしい洋服を着飾った一人の英雄がいた。

そいつの事はよく知っている。


「こっちはずっと歩いて疲れたんだ、こんなに歩いたのは久方振りだからどんと疲れたんだ、さっさと休ませてくれ。」

ダウンズリーはそう言うと床に寝転んで目を閉じた。


英雄はこう言った。

「待ってよ〜、じいちゃんさ孫に久々に会えたから嬉しいんだよ〜ちょっとだけで良いからさ〜お話ししようよ〜。」


「うるせえなぁ疲れたって言ってんだろ。あんたはもう存在しないとは言っても帝国の大英雄なんだからもっと凛とした態度をしてくれよ。」


「じいちゃんすごいんだぞ〜!そんなこと言ってるとじいちゃんぶっ飛ばしちゃうぞ〜!」


「ああもういい!なんださっさと本題を言え!」


英雄は少し顰めっ面を作ったが、それにすら愛を感じ答えた。

「実は娘と連絡が取れなくなってな、最後に連絡が取れたのは4日前、それから一向につかん。」


「悪いが俺は別の用事でこのこのクソみたいな街に戻って来たんだ、悪いが他のやつに頼んでくれ。」


「まぁそう言うと思って頼んである、頭の片隅にでもこの話は置いといてくれ。」

英雄はそう言うと遠い所へ歩いて行った。

「そうそう〜ひとつ言い忘れたいたよ〜。」

英雄はこちらに向いてこう言った。

「君の友人はまだ、この世に存在しているよ〜。」


その一言を聞くと、段々と意識が遠くなっていく。

目が覚めるとそこはよく知っている自分の部屋だった。

「大事な事はもっと最初に言ってくれよ。」



「ダウンズリー様、お出かけですか?」


「こんなのだが故郷だからな、良い飯屋をたくさん知ってるからな、顔出しと腹を満たしに行くのと、」

「遊びに行ってくる。」


朝だと言うのに少し黒く淀んだ空の下を歩きながら店を探していた。

(流石に色々景色が変わっているな。)

「家から持って来た地図じゃ流石にもう使えなかったな、結局記憶を頼りに行くことになってしまった。」


道を見渡しながら歩いていると声をかけられた。

「ダンズリー、もしかしてダンズリーか。」

男がこちらの名前を呼んでいるのに気が付き、歩いている道路の反対側を見た。

男はこちらが気付いたのを感じ取るとそそくさとしながらこちらに近づいて来た。

「僕だよ僕アンドリューだよ、忘れた?」


「忘れる訳ないさ、そんな呼び方をするのはたった一人のカス野郎しかいないからな。」

ダウンズリーはそう言うとアンドリューという男と腕をガッチリと組んだ。

「まさかまだここに住んでいるとはな、それにすっかりジジイになりやがって。」


「僕ときみは同い年、ジジイも何もないでしょう、でも君は何も変わらないね。そう言えば何をしに来たんだい?君は二度とこの街に戻ってくる事はないと思っていたよ。」


「でかい用事が出来てしまってな、それでペザージの家に行きたいのだが家を忘れてしまってな、案内してくれないか。」


「いいよ、付いてきて。」


ダウンズリーはアンドリューと会話をしながら歩き、旅の目的地の一つのであるペザージの家に辿り着いた。


アンドリューは玄関前まで来ると後ろを振り返った。

「さっ着いたよ、ここがペザージのい、、、え、、、」

アンドリューが振り向いた瞬間、ダウンズリーはアンドリューの胸を剣に変えた右手で貫いた。

「なん、で、、」


ダウンズリーは血相を変えて言った。

「今この街、この国ではペザージの名は禁句となっているんだ、それにアンドリューは3年前に事故で死んでいる。お前は誰だ!」

右腕の角度を上に向け、アンドリュー?を宙に浮かせた。


「バレているなら意味ねえな、まぁ良いどうせもうすぐお前はウェヌカム様の実験台の一部となる。」

そういうと男は変装を解いて自ら自害した。


ダウンズリーは死体を投げ捨てた。

(変装薬、作るには本人の髪や皮などの媒体を必要とする。あいつらわざわざ墓を掘ったのか。)


「とにかく、まずはこの家か。」

(ペザージ・ウルティマ、アンドリューほどの仲ではなかったがあいつも俺の友人だった、そしてあいつは五年前、俺がこの右手で殺した。)

五年前、あの時のことを思い出したダウンズリーは顔をしかめた。

(あいつを殺したのはここではなく隣町、だからあいつの亡霊が出ても俺の寝床か隣町で出てくるかと思っていたが、まさか手紙を送ってくるとは思いもしなかった。)

(あの手紙のせいで、俺はこんな所に戻ってきたんだ、なんか良いもんあってくれよ。)

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