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6話 『健康第一』続々発動!

前回のあらすじ

健康的なスキルが発動した

「わわ!? 何これ!? おっとっと!」


 キッチンの惨状を解決するためスキルを発動した私。

 そしたら両手で何とか持てるくらいの大きな木の桶が手の中に現れて、思わず落としそうになったけど、何とか床に置くことができた。


「これって……洗濯桶?」


 見た目は茶色い木の桶で、中には泡がブクブクしている洗剤水がたっぷり入っている。

 洗濯板とスポンジ、タオルもセットだ。


「これってもしかして洗い物全般に使えるのかな!? 早速試してみよう!」


 キッチンで山になっている汚れがこびりついた木の皿やコップ、焦げてる上に油汚れでギトギトのフライパン、錆びついた包丁や鍋などを洗濯桶にぱっぱと放り込む。


「よーし洗うぞー!」


 制服の袖を(まく)り、やる気満々で洗剤水に浸かった皿たちをスポンジで洗っていく。

 すると、ゴシゴシと少し洗う程度でこびりついたどんどん汚れが落ちていく。


「うわ! 予想はしてたけどやっぱすごい!」


 しつこい油汚れも、焦げも錆も、少し洗うだけで全部ピカピカになっていく!

 しかも洗剤水がちっとも汚れない!


「凄い! これは革命だよーーー!!!」


  感激しながら次は水拭き!

  備え付けのタオルもふわふわで水分をしっかり吸収!

 なのに乾いたままキュッキュッキュっと幾らでも拭ける!

 結果、山になっていた酷い洗い物達はあっさりとピカピカに!

 感激しながら次はシンクの掃除!

 黒いカビや水垢が大量についたシンクも、この洗剤水を染み込ませたスポンジの前では全くの無意味!

 ちょっとゴシゴシすれば綺麗な銀色の姿を取り戻す!

 その後、シンク周りも同じように拭いていき、僅か十分足らずでグチャー……っとしたキッチンはピカピカになった。


「よし! 次は洗濯物で試そう!」


 魔法の箒のおかげで棚に収納された服を再び出していく。

 服の種類はアンナちゃんが着てたメチャメチャ露出過多の服や、サイズ以外大人びたセクシーなドレスなど。

 これはジュースかな? これは汗かな? どれも完全にシミになって思いっきり汚れてるね。

 クリーニングでも落ちなそう。


「でも……この魔法の洗濯桶なら……!」


 さっきと同じように服を洗濯桶に入れ、備え付けの洗濯板で擦る。

 するとほとんど摩擦を感じず、しかも一回擦るだけで汗のシミや汚れが落ちていく。

 うん、やっぱり凄い!

 そうして全部の洗濯物を新品同様にした後、干す場所が無かったからとりあえず椅子やテーブルに掛けといて、魔法のランタンの光を浴びせておく。

 とりあえずこれで洗濯は終了かな?


「とりあえずこれでよし! さて、次は(グ〜〜)……うん、食料だよね」

 

 空腹だったのを思い出して再びキッチンに戻り、腐った食材たちを見る。

 果物や野菜は完全に萎びていて、肉はもう灰色や茶色になって腐臭を発している。

 こんなの食べたら一瞬で健康が損なわれちゃう。


「この食材たちを健康的に美味しく食べられるようになる何か出てこーい!」


 そう願いながら手を前に出す。

 するとまた光が現れ今度は綺麗な銀色のお鍋に変化した。

 サイズは両手持ちの大きなお鍋だ。


「これに食材を入れればいいのかな?」


 まずは鍋に萎びたリンゴを入れてみる。

 ……でも、何も変化は起きない。


「あれ? おかしいなー……使い方が違うのかな? あ、そうだ! さっき魔法のランタンで浄化した綺麗な水!」


 閃いた私は早速鍋に浄化した水を入れて、再度萎びたリンゴを入れてみる。

 すると、しわしわだったリンゴがどんどん膨らんでいき、美しい赤色を取り戻していく。

 試しに少し齧ってみると、さっきまで萎びていたのが嘘みたいに甘く美味しかった。


「すっごく瑞々(みずみず)しくて美味しい!」


 思えば異世界に来てから雑なパン一切れと水しか口にしてなかった。

 その後、魔法の鍋で復活した果物や野菜を肉を軽く調理して食べると、その美味しさに感動して涙が出てくる。


「美味しく食べられるってこんなに嬉しいことだったんだ……!」


 そのありがたみを深く噛み締め、すべての食材に感謝しながら完食する。


「ご馳走様でした! よーし元気出て来たぞー!」


 お腹を満たした私はさらにやる気を出して拠点の清掃作業に入る。

 まずベットの布団を日干しするため窓に干して、太陽の代わりにランタンの光を浴びせる。

 魔法の箒はゴミや散らかったものを片付けてくれたけど、汚れまでは消してくれなかったから次は水吹きだ。

 雑巾を浄化した水で絞って、床を一気に拭いていく。

 頑固な汚れには洗濯桶の洗剤水で落とせばよし。

 壁を拭いて窓も拭いて、よし次は……。


「ここ……だよね」


 ごくりと息を呑み、トイレの前に立つ。

 強烈な臭いがドアの向こうには充満している。

 ここは絶対どうにかしなきゃいけない。

 でも、汲み取り式トイレの中身を掃除するなんてやり方がわからないしそもそもやりたくない。

 ここもスキルに頼るしかない。


「この臭いと、トイレを清潔にする何か出てこーい!」


 そう言って自身のスキルに願う。

 これまでと同じで必ず応えてくれる筈!


「あれ?」

 

 けれど、私のスキルは発動しなかった。

 何でだろう?

 もしかしてもう打ち止め?

 自力で何とかしろってこと!?

 それは絶対嫌だよ!!


「うーん……もしかして、発動しないんじゃなくて、発動する必要がないだけなんじゃ?」


 そう思った私は、魔法のランタンを手に持ち、トイレの前に立つ。

 そして深呼吸した後、バンっと扉を開けた。


「くらえ! 魔法のランタンビーム!!」


 ランタンの光をトイレの部屋全体に浴びせる。

 そして十数秒経った後、意を決して息を吸を吸うと……。


「すぅ……はぁ……。よし! 成功! 全然臭くない!」


 やっぱり!

 今の道具で何とかなる問題だったんだ!

 水だけじゃなくて空気まで浄化してくれるとか凄い有能!

 でも、これじゃあくまで一時凌ぎ。

 元を断たないといけない。


「次はこれ! 汚物は洗浄だー!!」


 洗濯桶の洗剤水をトイレの中にぶち込む!

 さっき気づいたんだけど、この洗濯桶サイズも自由に変更できるし、一回消してまた出せば洗剤水も元に戻るんだよね!

 だから実質無限大!(多分!)


 そうして何杯も洗剤水を入れた後、便器に顔を近づけ臭いを嗅いでみる。


「すぅ……はぁ……。よし! 上手く行った!」


 臭いどころか洗剤水の良い香りが漂ってくる!

 これなら成功だよね!

 後は汚れた便器やトイレ周りを掃除して……これでOK!

 全く臭わないピカピカのトイレが完成した!


「やったー! 後は洗濯物の取り込みだけかな……ふう」


  急に疲れが襲って来て椅子に腰掛ける。

 昨日から召喚されて牢屋に入れられて、早朝から脱獄して拉致されて大掃除して……。

 うん、そりゃ疲れて当然だよね。


「こういう時はお風呂に入ってサッパリしたいなー……体も汚れてるし……よし、水浴びしよう! ……あれ?」


 今、体からスキルの力を感じたけどすぐ無くなった。

 まるで「私の出番だ!」と思ったら違くてずっこけて引っ込んだみたいに。


「えっと……お、お風呂欲しいなー」


 空気を読んで手を前に出し、そう願うとまた淡い光が何かを形成していき、バスタブへと姿を変える。


「わー本当にお風呂だー!」


 一人二人は入れるほどの大きさの真っ白なバスタブ。

 既にちょうどいい温度のお湯が張っていて、おまけに備え付けのシャワーにバスタオルまで完備!

 早速入ろうと思ったけど、流石に屋内じゃまずい。

 一旦消して拠点の外でもう一回出す。

 どうせ霧の結界があるんだし誰も来ないよね?

 念の為拠点の中で制服を脱いだ後、バスタオルを体に巻いて外に出る。

 そして、備え付けのシャワーを手に取り体に向けると温かいお湯が降りかかってくる。

 うん、やっぱりシャワーも自分の意思で操作できるみたい。

 そして、いよいよお風呂に浸かってみる。

 

「はー……いいお湯だなー♪」


 暖かく気持ちのいいお湯が体を包む。

 まるで生き返るように体の疲れが取れていく。

 しかも肌も綺麗なツルツルになっていて、シャワーで髪を流すと潤いがあるツヤっとした髪になっていく。


「入るだけで体を清潔にしてくれるこのお風呂最高すぎるよ……♪」


 魔法のお風呂を存分に満喫しリフレッシュすると、今度は眠気が襲って来た。

 まだ日中だけど、昨日は処刑の恐怖であんまり寝れなかったし当たり前だよね。

 一旦横になろうと思って拠点の中にあるソファーに寝転ぶ。


「うーん……どうしよう……」


 眠気はあるのになかなか寝付けない。

 スキルのおかげで次々出てくる魔法の道具達とその効果に興奮したからかもしれない。


「もうちょっと気持ちを落ち着けたいな……え?」


 また体の中からスキルの力が湧いて来て飛び起きる。

 今度は何が出てくるんだろう……そう思っていると、手の中に紫色のガラス瓶……いや、香水の瓶が光と共に出現した。


「体に振りかければいいのかな?」


 試しに自分に向けて噴射してみると、体を花のように甘い匂いが包む。


「はぁ……いい香りだなぁ。すっごい落ち着く……あれぇ? なんだか意識が……」


 まるで雲の上に浮かんでるかのようなリラックス感が私を襲い、そのままソファーの上に倒れ意識を失う。

 そしてどれくらい寝たんだろうか?

 まどろみの中体を伸ばしながら起こすと、外が赤みを帯びていた。


「うーん……! 夕方まで寝ちゃったのかな? でもおかげですごいスッキリしたよ!」


 お風呂と睡眠の相乗効果かな?

 体も心もスッキリ爽快!

 とっても健康的な目覚めだね!


「うーんでも……ちょっと効き目が強すぎるかも」


 リラックスしすぎて呆気なく意識を手放してしまった。

 これってもしかして直接振りかけるのはNGなのかな?

 次からは部屋に散布する感じにしたほうがいいかも。

 

「まあとりあえず、残った仕事を済ませちゃおう!」


 魔法のランタンの光を浴びせていた洗濯物や布団は、太陽の光を浴びてたかのようにふっくらといい感じに乾いていた。

 やっぱりこのランタンの光は太陽の光なのかな?

 とにかく、洗濯物を一つずつ畳んで、布団を戻して、

 これで全て完了!

 

「やったー! ミッションコンプリート!」

 

 以前のゴミ屋敷みたいだったワンルームの小屋は、ランタンの光が反射して、まるでピカピカと輝いているような清潔な空間へと変化した!

 これなら問題なく健康的な生活が送れる!


「アンナちゃん驚くだろうなー♪」


 そして、今夜アンナちゃんがどんな反応をするか楽しみにしながら、機嫌良く夕飯の準備を始めるのだった。

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