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かの地獄へ

「ここから徽章を見せて入るんだよー!!」


 バーゼリアと別れた俺たちは汚染区の手前。大きな壁の足元にいた。

 カテラ、バッド、メイゼは胸元の徽章を衛兵に見せてその門を通っていった。


「えーっと?徽章??」


 取り残された俺は一人つぶやいた。

 そんなんもらってねぇけど……。さては……あいつ(バーゼリア)渡すの忘れやがったな!!


「なんだい兄ちゃん新入りかい?徽章は?」


 取り残された俺を不思議に思ったのだろう衛兵が呼びかけてきた。


「バーゼリアにもらい忘れた。」


 そう言って肩を落とすと衛兵は兜を取り、ひげの生えたいかにも中年といった顔をのぞかせた。


「ったーく、しっかりしろよー?フーリ様に祝福はもらってんだろうな?」


 徽章もないうえ、祝福すらもらってないなんて言ったらさすがに入れてもらえないだろう。ここは頷くが吉!!


「お、おう!」

「仕方ねぇ。通っていいぞ。」

「まじで!?」

「ああ、バーゼリアさんのおちゃめは今に始まったことじゃねぇしな。」


 おちゃめなんて可愛いもんじゃねぇだろアレは……。


「んじゃ遠慮なく。」

「おう!くれぐれも第二層に近寄ったりするなよ、死ぬからな!!」

「おーう。わーってるよー。」


 衛兵とのひと悶着も終わり、その門を潜る。

 フーリの暖かい日差しがだんだんと失われていく。その先で俺を迎えているのは例の赤い月光だ。


 ────戻ってきたんだな。


「やけに遅かったなどうかしたか?」


 門を抜けた先で待っていたバッド。やはり徽章をもっていないとは思っていなかったようで。


「バーゼリアに徽章もらい忘れた。」

「あいつ……。」


 覚えがあるのかバッドは嫌な記憶を思い出したかのように苦い顔になる。


「さー戻ってきたねージン!!ボスも言ってたけど今回は比較的安全な前半層にお試しで行くだけだから安心してね!!」

「俺と会った場所も前半層?」

「そうそう!!汚染区は円型で大陸の四分の一、大体350万㎢あるの。今から行く『悲観の砂漠』はその中でも75㎢もあってすーごくひろいんだよ!!」


 カテラはそう言って大きく両手を広げる。

 350万㎢……。たしか日本の国土面積が確か38万㎢くらいだから単純計算で────約9.2倍!?でっか!!!!


「途方もねぇな……。」

「あはは!それじゃー、そんな広大な灰の大地へさあゆくぞーー!!!」

「「おう!!」」


 続く俺とバッド


「お、おー……!」


 メイゼも語勢をすぼめながらも食らいつく。

 そうして紆余曲折ありながらも俺は再度汚染区に繰り出したのだ。

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