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3 ふしぎな階段ですが降りていきましょう

挨拶をして、彼らと別れます。彼らはまだあの場にいるそうです。

ちょっとだけ安心しました。よくわからない方と一緒にいるのも怖いですからね。悪い人たちではないと思うんですが、心を読めるわけではありませんし、始終おびえられっぱなしもちょっと……。

そもそも私は集団行動は苦手なんです。ココをよく知っている人ならともかく、そうでないなら一人の方がマシです。雷云々だって、本当なのかわかりませんから。


「行きますっ!」

さて、階段の踊り場に入ります。特にかわりないです。後ろを振り返ると、誰も見えません。声も聞こえません。さっきまで絶対に居たのに。何か起こるとは思いましたが、いざ起こるとこれはホラーです。

「もどる……のはやめておきましょうか。」

同じ場所に戻れる保証はありません。

階段のあるところは正方形で、さっきいたところと似ています。上も下も階段はあるみたいですけど、終わりが見えません。

階段は……多分、木?いえ、木製っぽいダミーですかね。足で蹴ってみますが、抜けたりはしません。大きくて、四角い形の壁に沿うような角々の螺旋階段です。丈夫そうな手すりもありますから落っこちる心配はなさそうです。


「……ゆっくり進みましょう。ね、ギンちゃん。」

『ぷゆ!』

ポケットの中身に声をかけたら元気な声が返ってきました。返事があるって嬉しいですね。

コツコツと音を立てながら階段を下っていきます。途中で落とし穴とかスライダーとか期待……いえ、警戒してたんですけど、ありませんね。

ぐるっと二週する頃、上から変な音がします……ミシッって壊れる直前みたいな音です。上を向くと、なんか真っ赤で半透明で巨大な……それこそギンちゃんを巨大化させたみたいなものが手すりからはみ出しています。


「ひえっ……」

グロいです。赤色がなんというか黒っぽくて血合みたいです。ギンちゃんとは似ても似つきません、可愛げがありません。

動くことは無さそうですが……さっさと離れたいです。

ギンちゃんをポケットに感じながら駆け足で階段を下りていきます。

しばらく……2、3階分くらい下りたところで、目の前が手すり……というよりは柵で塞がれます。柵の向こうには階段があって、更に下り階段です。乗り越えるのは、ちょっと厳しそうです。

代わりに、右手側に空間があります。丁度、出てきたところと同じ方向……リョウさんたちと会った部屋の真下にあたるところです。

他に行き場はないですし、上の赤いグンニャリも怖いです。勇気を出して、慎重に入ります。


「普通、ですね。」

今までと同じような内壁の大部屋です。家具はありません。人もいません。


「ギンちゃん出てきますか?」

ポケットから可愛い銀色の子を取り出します。ポヨポヨ跳ねててとっても可愛いです。

癒しされます。まさしく癒しです。

……現実逃避は終わりにします。


「とりあえず壁のチェックを……どうしました?」

『ぷゆゆん!』

ギンちゃんが床に降りて私の足に触れて、その可愛い身体をビヨーーーーンと伸ばします。多分、一メートルくらいです。

何か言いたいのだとは思いますけど……あ、靴から離れて一メートル先で元の形に戻りました。


「そっち側にいきたいんですか?」

『う!ゆ!』

ギンちゃんのいる方を見ますけれど、ただの壁です。それを言ったら、全部壁なんですが。

ギンちゃんを手に掬って、ギンちゃんの示す壁に行きます。見た目はただの壁です。触りごこちは……


「やわらかい?」

むにゅうと腕が沈みます。ギンちゃんより柔らかいです。

腕を抜くと、本当にゆっくりと元の形に戻っていっています。でも戻りきらない予感もします。食パンとかそんな感じです。

念のため他の壁も一通り触ってみますけど……普通に固いですね。


「ギンちゃん、大丈夫だと思いますか?」

頑張れば進めないことはないでしょう。窒息がちょっと怖いですけど……それも穴を大きめに開ければ大丈夫だと思います。

ギンちゃんから返事はないですけど、他に思い付きませんし。

勢いをつけて……肩からドーン!!

思った以上に凹みました。

後ろは……少し狭いですが、ふさがりきっていません。これなら問題なく進めそうです。

どんどんいきましょう!

ブクマや星5、はげみになります!

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