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1 気がついたら白い天井がありました

みなさまはじめまして

楽しんでいただければ幸いです

完結まで完成していますので、安心してお読みください

目覚めるとそこは白い……なんて、典型文なんて奏でている場合じゃありませんっ。

ここはどこ、わたしはだれ、5W1Hです!

いえいえ、冗談です。わたしは、わたしが誰かわかってます。天津白音あまつしろね、花も恥じらう女子高生。それこそがわたし!

う~ん……誰にともわからない自己紹介をしたところで状況は変わりませんが、少し落ち着いた気がします。


「ぁ~……ぁぁ~……」

小声だけれど美声もばっちり出るのようですね。まぁ、わたしは声も容姿も平々凡々ですけれど。

ではでは状況を確認してみましょうか。どうやらわたしは横になっているようです。下は固いです。床に直寝ですね、筋肉痛が心配です。

で、手足は多分自由です。小刻みには動かせます。


「よいしょ……っと」

問題なく起き上がれました。起きたら未知のエイリアンとお目々がバッチリなんてことも無いようです。

私の服装は、最近よく着ているシャツとスカートです。安めの普段着ですね。そのままコンビニくらいなら行っちゃう感じの。記憶が曖昧なのですが、外出予定のない休日だったのでしょうか。


「誰かいますか?いませんか?」

最初は小さく、徐々に大きく。大きな部屋でないわりには声が反響しません。

隠れているのでなければ、誰もいないようです。……隠れられる場所もないと思いますけど。

わたしがいる場所は、どこかの部屋でしょう。天井があり、壁があり、扉、床があります。壁紙はベージュ色、要所の柱と床は茶色。

異常にのっぺりしています。強いていうなら粘土?陶器?それにしてはなんというか……まぁ一介の高校生ではわからないスゴい材料なのでしょう。壁紙も一切凹凸のないガラスのような違うような変な感じです。

扉もやっぱり平たい板です。ドアノブがちょこんとついてます、同色で。よくよく見なければわからなかったでしょう。すごく不便そうです。

見ていて思いましたが、わたしは絶対にこんな場所を知りません。


「夢、ですか?」

えいっと頬っぺたをつねって回して引っ張ってみます。痛いです。でも視界は変わりません。


「いたた……」

これだけ痛くしても覚めないならば夢ではないのでしょう。

で、あれば信じたくはありませんがこれは現実です。……異世界、転移ですかね?

自慢ではありませんが、現代女子に生きるものとしてアニメマンガラノベは嗜んでるんです。嗜む程度というか、人気作を見る程度ですが。この場合はハードサバイバル系とかでしょうか。うら若き乙女にはあんまりな世界です。このまま居ては最初の脱落者かもしれません。それは嫌です。


「……何はともあれ確認ですね。」

と、最初の一歩を踏み出した時でした。

『ぷぎゅ』

鳴りました、床が。


「ぷぎゅ……そんな変な靴履いてないですし……」

恐る恐る足を退けると、何か銀色の物がありました。もののみごとに靴跡の形に凹んでます。……あ、凹みがなくなりました。形状記憶ですね。多分。

結果的に、溶けかけたアイスみたいな形です。


「これは何でしょうか。」

指先でつついて見ますが、少し柔らかい気はします。この程度では形は変わらないようです。……体重が重いなんて事はありませんよ、乙女ですから。

靴も無事な様ですし、思いきって拾い上げます。軽いです……殆んど重さはありません。冷たくもないです。踏んだ感触と同じで柔らかくて、指でふにふに出来ちゃいます。子供用のゴムボールとかそれに近いですけど……鳴らないですね?


「うーん?もしもーし。」

『ぷぎゅう』

声がしました!?間違いないです、音じゃなく声!当然、この銀色から!!


「あ、あ、あ、あのぅ、手をお離ししてもよろし?」

屈んで落とさないようにして、床に向かって手を伸ばします。相手が何かわからない以上、穏便に……穏便に……。

銀色は言葉がわかったのかのそのそと手のひらを這って床の方へ向かっていきます。ちょっとくすぐったいです。

『ぷーぷっ』

けど、降りてくれません。ちょんちょんっと足?手?触手?体の一部を細く伸ばして、床を突っつきますがそれだけです。


「お、降りないんですか?」

更に詳しく見ようと身を乗り出すと、目が合いました。……多分、目でいいと思います。

分かりにくいですが、銀色の物体のやや上よりに小さな青色の点が二つあったんです。妙にクリクリしています。ぶっちゃけ、カワイイです。

……降りないなら、仕方がないですよね。

ゆっくりと、銀色が乗った手を胸元に引き寄せます。暴れたりとかはないです。

そっと逆の手で撫でてみます。お目々らしきところが一瞬消えては現れるのは、瞬きでしょうか。


「撫でられるのは嫌ですか?」

そう聞けば、銀色の天辺が指に擦り付けられます。これは、嫌じゃないってことなんでしょう。


「よろしくお願いします。私は白音です。あなたは……」

少し待ってみますが反応はありません。やっぱり名前はないとか、種族名しかないとかなのでしょうか。それとも発音できない……いえ、聞き取れないとか。


「ギン。ギンちゃんって呼んでいいですか?」

我ながら安直だとは思いますが、覚えにくい名前やドッキュンなネームよりは良いと思います。

『ぷゆ、ゆん』

反応は悪くはないので、ギンちゃんに決定です!


ブクマや星5、はげみになります!

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