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魔王な俺と勇者な妹  作者: 金林檎
第1章 魔王誕生
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第2話 妖刀と歩く異世界道中

 魔大陸〝アプス〟の最奥〝死の森〟、歴代の〝魔王〟が治めたとされる人外魔境の地、生息する魔物は人間の生存圏国家が点在する〝ティアマト大陸〟に発生する個体とは隔絶かくぜつした強さ有し、今だ人間が魔大陸〝アプス〟に開拓の手を伸ばせない要因の一つである。

 現在〝死の森〟は魔王が不在である為、魔物の統一性は皆無だが、列強諸国が有する〝勇者〟でさえ数日間生存する事の叶わない危険地帯であり、大陸最強の国家〝オジマン帝国〟所属の今代最強の勇者と名高い〝聖剣の勇者アズマ〟が役一年の探索に成功するも、「其処は人の在る場所にあらず、何人も足を踏み入れる事なかれ」と言う言葉を残し捜索は打ち切られた。

 

「星が堕ちた、新たなる魔王が現れる」


 〝聖剣の勇者アズマ〟の魔大陸捜索から五年、〝オジマン帝国〟を始めとする全国家の星読達が予言を残す、予言を口にした星読は例外無く、発狂し死に絶えた。

 この事態を重く見た国々は、列強諸国のみに許された異世界からの〝勇者召喚〟を実行、各国は規格外の異能の力を有する〝勇者〟の召喚に成功する。


「魔王様、時が来たようです」


 時を同じく魔大陸〝アプス〟最奥の地〝死の森〟にて、とある神殿に安置されている〝魔王の鎧〟に話しかける一匹の道化師の格好をした女悪魔の姿が有った。


「今だ相見えぬ我が君よ、必ずやこのメフィストフェレスめが、魔王の座に導きましょう」


 祭壇の玉座に座する〝魔王の鎧〟を愛おしそうに見つめ、悪魔は笑った、不敵にニタニタと、不遜にゲラゲラと、悪魔は声を上げ高らかに笑った。


「魔王様、あぁルシファー様、二人目の主君に仕える、この不忠者をどうかお許しください、あはは、あはハはは!!」


 先代魔王〝ルシファー〟が神の代行者〝光の勇者〟に打ち滅ぼされて幾百年、人間達は神話伝承でしかその存在を知らず、魔物も古い世代の上位種以外、知性を失い獣に成りつつある魔獣にも忘れ去られ始めた厄災が今。


「Happybirthday!!おめでとう御座います魔物の皆様!新たな時代の幕開けです!!残念で御座いました人間の皆様!貴方がたの時代はここまでです!!そう!何故なら!!」


 この世界に〝魔王〟が誕生する。




            ◆





 あざやかな月夜の森で、ゴブリンの襲撃を凌いだ冬司は、再び命の危機におちいっていた。


『此度の器は中々に良い、土間夏美の封印を解いてくれた礼じゃ、小僧貴様の肉体は妾が暫く大事に使ってやろうぞ』


 手に持つ刀を離そうとするが、刀を握る手が開かない。


「クソ!何で!?」


『無駄じゃ、諦めよ小僧、贅沢を言えば女の身体が良かったが、まぁ良い、さぁ、その身体渡して貰うぞ』


 刀身が怪しく輝き、淡く点滅する光が刀を通じて徐々に体に流れてくる。


「う、うわぁ〜!!」


『令和の日ノ本は刺激的で良い、この様に魔性が蔓延るなど、平成の世では考えられなかったものじゃ、いつの間にここまで神秘が回復したのか、良い良い、只人ただびとを斬るのも流石に飽きた、今世は魑魅魍魎共を滅多刺しにしてくれるわ』


 楽しげに、今後の方針を語る妖刀を尻目に、冬司は意識を手放し、 てはいなかった。


「…………あれ?」


 両手を握ったり開いたり、グッと背伸びをする。

 今だ自分の意思で体が動く、身体が乗っ取られる様子は無い。


『魔性の血をすすり、妖力を高め、そして然るべき時を待ち、土間夏美の身体を頂く、妾を封印し部屋の隅で埃まみれにした罪、己が身体で払わせてやるのじゃ』


 どうやら妖刀はこの状況に気付かず、妹への復讐計画を練っているようだ。


「…………」


 そっと刀を鞘に戻し、地面に置く。


『クックッ、自らの体で愛する家族を斬り殺す時、あの生意気な顔がどう歪むか、実に楽しみじゃ』


 そろりそろりと後退り、徐々に距離を取る、タイミングを見計り。


『どれ、そろそろ小僧の体に馴染む頃合いか、手始めに先ほどの小鬼共を探すか、まずは手頃な所から始めると………ん?』


 冬司はその場を全力で駆け出した。


『………………………………はぁ!?』


 現状何が有ったのかを理解したのか、背後の妖刀から驚く声が聞こえてきた。


『待て!あり得ん!小僧貴様何故動ける!?いやそれよりも妾をこんな所に置いていくなぁ!』


「うるせぇーバーカ!!さっきから物騒な事ばかり言いやがって!!誰が待つか!俺の体は俺のもんだ!お前なんかにゃやらん!!」


 背後に居る妖刀の抗議の声を罵倒で返しながら、全力で走る。


『クッ!あの小僧本当に妾を置いていくつもりか!?不味いこのままでは見失う、ええい!背に腹は代えられなぬ!!ハァ!!!』


 ドロンと言う音と共に妖刀が煙に包まれる、煙が晴れると其処には紫色の美しい着物を羽織り腰まで届く黒髪の美女が姿を現した。


「く、屈辱じゃ、この妾が人の姿なんぞに、下級妖怪の真似事などしなくては成らぬとは」


 顔を赤くし、怒りと恥辱に身を震わせ、着物の美女は冬司を追い、駆け出した。


「おのれ、おのれおのれ!!待て小僧!!この屈辱どうしてくれよう!!」


「待てと言われて待つ奴が居るか!!お前は其処で大人しく、ってえ〜!?貴女は一体何処の何方様どちらさまですか!!?」


 再度罵倒で返してやろうと振り向いた冬司は、見知らぬ和服美女が追い掛けて来るのを確認し、困惑した。


「何方様じゃと!?妾を捨て置き!!妾にこのような恥辱を与えておいて、何奴と申すか小僧!!?」


「人聞きの悪い事言わないでくれます!?まったく身に覚えが無いですが!?」


 突然現れ、いわれのない言い掛かり叫びながら走る和服美女の存在に混乱しながらも、冬司はふと思った、考えてみたら彼女は、この異世界で初めて合った人間なのだ。

 色々と誤解が有るようだが、此処は一つ話し合いをするべきなのではないだろうか?見た感じ現地民では無く、明らかに日本人の様だし、一緒に元の世界に帰る方法とか、考えるなり探すなり出来るのではないだろうか?思い立ったら吉日である。


「なぁ貴女あんた!とりあえず落ち着いて話そうぜ?」


「今更遅いわ小僧!もう許さぬ!!大人しくその身体を寄越すのじゃ!!」


 冬司はその場で立ち止まり、振り向くと其処には両腕を振り上げながら走っていた和服美女が、自分の着物に躓き盛大にすっ転ろぶ姿が有った。


「へぶしっ!!?」


「おいおい!大丈夫か!?」


「痛っ〜!もう!だから嫌なのじゃ!人の姿は!!」


 和服美女がぶつけた鼻先を擦りながら、涙目で起き上ろうとする。


「待ってろ!今行くか…………ぁ」


「うるさい!いったい誰のせいでこうなったと!」


 冬司は見た、悪態をつきながら此方を睨む和服美女後ろに、粘膜に覆われた恐竜のような巨大な化け物が大きく口を開け、今まさに彼女を捕食しようとしている瞬間を。


「危ない!後ろだ!!」


 咄嗟に冬司は大声で危険を伝える、その声に反応した和服美女は後ろを振り向く。


「なんじゃ、ってうぉ!?何じゃこのデカブツは!?貴様もしや魔性の分際で妾を喰らおうと言うのか!?身の程知らずめ!膾切なますぎりにしてくれるのじゃ!!」 


 和服美女は居合いをするように構えるが、しかしその場で固まってしまった。


「し、しまった!今の妾は人の姿であった!!こ、これでは奴を斬る事が出来ぬのじゃ!」


 うずくまる彼女を目掛け、化け物の口から触手が飛び出てくる。


「ひゃ〜!!く、喰われるのじゃ〜!!」


「馬鹿!早く離れろ!!クソ!うぉぉお!!」


 冬司は全力で飛び出し、その場で固まって動かない和服美女を抱きかかえ、間一髪化け物の触手を躱す。


「おい!大丈夫か!?怪我は無いな、一人で立てるか?早く離れるぞ!」


「う、うむ、大丈夫じゃ、ひゃ!?」


 和服美女の手を引き、化け物から出来るだけ離れる様に移動する。

 どうやらあの化け物は動きが遅いようで上手く逃げる事が出来た。


「……………………小僧、どうして妾を助けたのじゃ、あのまま魔性に喰わせておけば良かったではないか」


 せっかく助けた和服美女が訳のわからん事を言いだした、何を言っているのだろうかコイツは。


「そんなの助けるに決まってるじゃん(せっかく出会えた同じ日本人だし、そうじゃ無くとも美人を助けるのは男として)当たり前だろ?」


「(人では無い、それに己が身体を乗っ取ろうとしていた、呪われた妖刀である妾を助けるのが)当たり前じゃと?」


 惚けた顔で冬司を眺める和服美女を見て、気恥ずかしく成りながらも、大事な事を思い出した。


「そういや自己紹介がまだだったな、俺は土間冬司だ、その、宜しくな」


「…………妾は黄泉姫、黄泉と呼ぶが良い」


 どうやら落ち着いたみたいだ、これでやっとまともに話ができる。


「なぁ黄泉はどうやってこの異世界に来たんだ?ちなみに俺は変な魔法陣に吸い込まれて、気付いたらこの森にいたんだが」


「む?異世界?此処は日ノ本では無いのか?」


「何だ気付いて無かったのか?ほら、月を見てみろよ」


 黄泉は冬司に促せられるまま夜空を見あげた。


「何と面妖な、月が二つ在る、確かに此処は常世では無いな、道理で神秘が濃く魔性が闊歩している筈じゃ」


 何か納得したように頷く黄泉は、ハッとした表情となり冬司の顔を確認し、信じられないものを見たと言わんばかりの表情になった。


「待て、異世界云々(うんぬん)も確かに気になるが、それよりも冬司、姓を土間と名乗ら無かったか?もしや貴様土間夏美の親者では有るまいな?」


 まさか異世界の見知らぬ森で妹の名前が出るとは、異世界で初めに出会った日本人が何と妹の知人だったなんて、どんな確率なのかと酷く驚いた。


「土間夏美は俺の妹だけど、まさか黄泉は夏美の友達か?」


 そんな冬司の問い掛けに、黄泉は不服そうに此方を睨見つけ、憤怒の形相になり呟やく。


「友達じゃと?そんな訳があるか、奴は妾を封印した怨敵じゃ、クッ!なんと言う残酷な運命か、今世での妾の担い手が、よもや怨敵の兄だとは」


 話を聞いた感じ、黄泉は妹の知り合いで間違い無いようだ、しかし薄々感じてはいたが、黄泉ってもしかして厨二病患者なんじゃないだろうか?うん、なるほど類友と言うやつか。


「だが納得はした、あの規格外の兄ならば、妾の呪いが効かぬのも道理か、しかしあの程度の小鬼に遅れを取る辺り、直接戦闘は苦手と見た、であるのならば妾と冬司の相性は決して悪く無いと思うのじゃ」


 何か話の途中から早口になったと思ったら、何故か潤んだ瞳で此方を見てくる、一体黄泉はどうしたのだろうか?


「うむ、こ、この際、土間夏美の事は水に流すとするのじゃ、仕方なく、そう仕方なくじゃ、冬司が正式に妾の担い手に成るのであれば、や、奴とて身内じゃからな、ふん!か、勘違いするなよ!?別に初めて人の子に優しくされたから、絆された訳じゃ無いんじゃからね!?」


 言動が可怪しいなこの妖刀、この世創造(うみだ)されて五百年、人の憎悪や呪いしか触れて来ず、人とは殺し殺され呪い合う、醜い生物だと心の底から信じていた。

 そんなグレにグレた妖刀は今宵初めて、人の優しさに触れた、初めて味わう感情に戸惑う暇もなく、自身が呪い殺さんとした相手から、命を賭して己が危機を救われたのだ。

 結果、妖刀〝黄泉姫〟はバグった、人の業を呪の狂気を一身に受け創造うみだされた妖刀は、生涯受けるばずの無い献身的な愛を感じ取った、元来人を呪うしか出来ない魍魎が恋に堕ちた、そしてそれは余りに甘く逃れられない、人より受けた初めての優しい呪だった。


「お、おい、大丈夫か?急にどうした?」


 人の子から受ける心配の念、あぁ何と心地良い事か、もうコレを知ってしまっては、以前の自分に戻るなど出来はしない。


「だ、大丈夫じゃ、うむ、なぁ冬司、その、改めて妾と契約して欲しいのじゃ、冬司が妾の担い手に成ってくれたら、妾はとても嬉しい」


 冬司は察した、もしかしてこれはあれか?窮地を救われた事による吊り橋効果と言うやつか?よく見なくてもめっちゃ美人の大和撫子とお近づきになるチャンスなのではないか?っとそしてそれは残念な事に、大体合っているのがたちが悪い。


「お、おう、その担い手?ってのはよく分らないけど、俺なんかで良ければ」


 妹の類友ならば、これは厨二病的な告白なのだろうと考えた冬司は、契約の内容をよく確認せず、黄泉に提案に応じてしまう。

 だがそれも仕方のない事、土間冬司十七歳は生まれてこの方、恋愛事は成功した経験が無いのである。

 何故かいい感じになった同級生は病気に倒れ遠縁となり、告白してきた後輩は次の日には転校し、告白しようとした先輩にはビンタをお見舞いされた。

 そんな灰色の青春を送っていた思春期真っ只中の少年は恋愛に飢えていた、此処が異世界でも指折りの危険地帯である事など関係無い、彼女が出来るかもしれない、それ以外の事など些細な事なのだから。


「そ、そうか!冬司妾はとても嬉しのじゃ!」


 だがその判断は、致命的に間違いであった。


「うむ!人の姿で胸のトキメキを楽しむのも名残惜しいが、此処は魔性が蔓延る危険な森じゃ、冬司の身に何かあってからでは遅い、妾は刀に戻るがゆえ、そなたは護身に専念するのじゃ」


 ドロンと言う音と共に黄泉が煙に包まれる、煙が晴れると其処には一振りの刀が。


「はぁ!!!???」


『さぁ!冬司よ!妾のつかを握るのじゃ!こう、ギュッと持つのじゃぞ?ギュッとな』


 突然の事でフリーズした思考が、驚愕の波にかっ攫われた。


「お前あの妖刀だったのかよぉぉぉ!!??」


 灰色の青春を脱しようと接した、異世界の地で出会った同郷の女子は、己を乗っ取ろうとした妖刀だった、やはり恋愛事は上手くいかないな、うそん。


「おま、お前また俺の体を乗っ取ろうとしてるんじゃ無いだろうな!?」


『ん?何を言っておるのじゃ?まぁ確かに一つの存在に溶け合うのも魅力的じゃが、妾、冬司とお喋り出来なくなるのは嫌じゃぞ?寂しいではないか』


「ば、馬鹿、そんなんで絆されたりなんかしないからな」


 土間冬司、何かに呪われたような青春を送っていた事もあり、彼もまた割とチョロい男であった。


『可笑しな奴よ、ほれ、早く妾を帯刀するのじゃ』


「しかしだな、心の準備がまだ」


 何しろ正真正銘の呪われた妖刀だ、先程まで一緒に居た黄泉とは分かっていても、中々どうして勇気がいる。


『そんな事言ってて良いのか?先程の魔性が背後でヨダレを垂らしておるのじゃが』


 言われて気付く、ついさっき巻いた粘膜で覆われた恐竜みたいな化け物が、直ぐ後で冬司に向けてその大きな口を開けていた。


「それを早く言おうよ!!?あぁもう!!」


 四の五の言っている場合ではなくなり、冬司は黄泉の柄を手に取り構える。


『クックッ!デカブツめ、今度は遅れは取らぬぞ!何故なら今の妾には冬司がるのだからな!今度こそ膾斬りにしてくれるのじゃ!!』


 化け物の口から伸びる触手を斬り飛ばし、そのまま口の中に刀身を突っ込んみ、脳天まで斬り上げた。


『ギャャャャャャャャャャャ!!!!』


 頭部の上半分が真っ二つになり、緑色の血液を噴水の如く噴き上げ、断末魔と共に化け物はズシンっと倒れた。


『見たか!これが妾と冬司の力よ!異世界魔性恐るに足らず!!うぁ〜ははははは!!』


「なぁ、今五メートルぐらいジャンプしなかった俺?何であんな恐竜みたいな化け物の頭まで刃が届くの?え?怖いんだけど」


 自分の超人染みた身体能力にドン引きしつつ尋ねる冬司に、黄泉は答える。


『妾の担い手は、これまで妾を振るった剣客達の技量を再現出来ると申しまではないか、大体の戦国武将共はそれぐらい出来て当然じゃぞ?』


「戦国武将やべぇなおい!!??」


 どうやら五百年前の日本は、中々にファンタジーだったようだ。


『さて、まだ危機を脱した訳では有るまい、取り敢えず安全な寝床を探さねばな、これではオチオチ冬司に夜伽も出来んのじゃ』


「さっきからえらい積極的だなこの妖刀!?って言うかお前金属じゃねぇか!そんなのに欲情なんてしねぇよ人間は!!」


『むむ?しかしかつては妾の美しい刀身を見つめながら、興奮し鼻息荒く至った者も居るぞ?』


「業が深け〜な日本人!!?」


 流石世界で最も古い国、変態のレベルも桁違いだ、知りたく無かったよそんな真実。


「まぁ、安全地帯を探すのは賛成だな、あんな化け物なんて一々相手出来るか、水とかも探さないと、異世界の樹の実とか食えるのかな?」


『うむ!まずは安定した生活基盤だな!捜索はそれからじゃ!人工物が在ればよいが、最悪洞窟で妥協かのう、雨風を防ぐ場所は必須事項、か弱い人間は雨に濡れただけでも死にかねん』


「だな、おし行くか!」


『うむ!』


 こうして俺達は体を休める場所を求め、森の中を歩きだした。

 現在所持している呪のアイテム

 

 妖刀〝黄泉姫〟WIN



 妖刀〝黄泉姫〟性能


・製造から現在に至るまでの、自らを振るった剣客の技能が継承される。

・どんなに強度が高いモノでも斬る事が出来る。

・実体が無い霊体や魔性の存在も斬る事が出来る。

・人化の術を行う事が出来る、モデルは製造主である鍛冶師が仕えていた城の姫。


 呪のデメリット

・使用者は〝黄泉姫〟に身体を乗っ取られ、不眠不休で死ぬまで殺戮を繰り返す。


 最近の趣味

・冬司に振るわれ百人斬りを成し遂げる妄想をし悦に浸る事。

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