第32話 格の違う男
玲央が後ろを振り返ったらそこには明らかにただならぬオーラを感じる男がいた。
玲央「お前…?確か…」
「正直。俺にとってこの試験は前座なんだよ。さっさとそこをどいてろ。」
そのきつく尖った言葉はとてもうざったいものだったが。その発言からは自信と冷静さを感じた。
玲央「生徒会長に喧嘩売ってたやつか!?」
天炎「分かってんじゃねぇか。ただお前じゃ相手にならねぇし…とりあえずあいつ殺すか。」
玲央「おい!!流石にその言い方はねぇだろ!?」
天炎「っち。うるせぇな?黙って見てろ雑魚。」
その瞬間玲央は分かった
いつも感じるAPとは違う
格が違う者のオーラを
玲央「なんだ…これ…?同じ受験者か…?」
天炎「ヴィーナス。レベル1。光線」
眩い光が玲央の目を奪い。天炎が一瞬にしてガルシアの横におそらく移動していた。
玲央「…は?なんだよその速さ…?」
正直この時点で一位という言葉が脳裏から消え去ったのが玲央自身も理解した。
だが本当に理解するのはその数秒後だったのだ。
ガルシアが横にいる天炎に少し驚いた表情で言った。
ガルシア「なんで君がここに…?」
天炎「当たり前だろ?お前を殺すためだよ…!」
どこからか冷気を感じ。天炎の周りが凍りつく。
ガルシア「移動系のabilityaじゃないのか…?!」
天炎「悪いな。俺は天才なんだ。」
ネプチューン。レベル1。
天炎「氷鎖…!」
氷で出来た鎖がガルシアに一直線で向かう。
玲央「なんだよそのabilitya?!」
ガルシア「この程度なら僕の光で逃げれるよ。」
そう言った途端明らかにスピードを上げた。
天炎「雑魚が…狙いはまさにそれだよ。」
ガルシア「な?!」
突然ガルシアの目の前から木の根が飛び出し。ガルシアをきつく縛った。
天炎「ジュピター。レベル2。根琳囚獄」
ガルシア「くそ………全く動けん………」
天炎「詰み。分かったろ?俺には敵わない。」
ガルシア「…すぐに抜け出す…先行って待ってろ…」
天炎「負け犬の遠吠えか?レベル2まででこれなら負ける事ないな。」
ヴィーナス
天炎「まぁ。この第二審査。俺が一位もらうぜ。」
そう言うと天炎はすぐに眩い光を放ち。移動した。
ガルシア「くそ………!」
玲央「お前…本当に抜けれるのか…?」
ガルシアはすぐにはっとなって玲央の方を向いた
ガルシア「抜けられはするが…まさかここまで推薦でも格が違うとは思わなかった…」
玲央「…おいお前…あいつ倒さないか?」
ガルシア「…は?」
衝撃的言葉が辺りを駆け抜け。後ろの集団も追いつける圏内にまできた。




