第19話 入試と不安
入寮してから月日は経ち、2026年1月2日になり、俺たちは全員15歳の受験生となった。
あれから俺たちは特に何も起きず、平和に寮内で暮らしていた。地球での中学2年生という若さで校長先生に認められた人ということは瞬く間に学校全体に広がり、一躍時の人となっていた。でもそれももう終わりが近づいていた。そう
直登「もう来月には入学試験だぞ…」
怜央「大丈夫!ここまでやれたんだ!絶対に入学出来るはずだ!」
颯斗「筆記試験もあるからな…?」
怜央「うぐっ」
そう、1ヶ月後の2月5日、国能高校入学試験がある。この入学試験は戦闘実技試験が1~3 審査あり、さらに筆記試験の五教科プラスWADFの歴史などが行われる。
怜央「大体なんで歴史とか地理をやる必要があるんですかねぇー!!」
直登「まぁ落ち着けよ、勉強は教えれるぞ」
颯斗「直登はいいよなー、去年の過去問、合格点を余裕で超えてるし…」
直登「一応颯斗も過去問合格点届いてたじゃん、そういう意味でいけば颯斗は合格が一番近いよ?」
怜央「あー、やべぇ、まじ勉強したくない、」
こうやって絶望しているが、正直筆記試験で合格点にとどいても実技試験、要はabilityaを使った戦闘などの試験もある。例年では筆記試験で合格点にとどいていても実技試験で落ちるという人は大量にいるらしい。
コンコンコン
部屋のドアが急にノックされた
颯斗「はーい今行きまーす」
ドアを開けたら目の前にいたのは彩奈だった。
でもどこか悲しそうな表情になっている。
彩奈「私…推薦もらえなかった…」
三人「え?!」
国能高校の入試の推薦は他の高校と同じような感じではあるのだが、筆記試験が無くなって実技試験の第2審査からのみの審査となる、正直推薦は試験に受ける人が500人近くいるとしたらその中から3人か4人いたらいい方レベルの高い壁だ、推薦がいない年の方が多いとも言われている。
怜央「彩奈でもらえないのかよ…」
直登「校長の圧を使ってもあの中で平気だったのに…俺らは本気出して耐えれたくらいだよ?」
颯斗「どんだけ高い壁なんだよ…」
彩奈「推薦貰えた人が今年は6人もいたよ…」
直登「6人?!例年より余裕で超えてるじゃん!?レベル高すぎない!?」
怜央「過去に6人とかあったのか?」
颯斗「確か過去最高は5人とか…?今年はそれを超えてきたってことだね…」
彩奈「正直納得だよ…本当にレベルが高かった…なんなら今からWADFに入隊できる人もいたかも…」
怜央「そんなにかよ…どんな人だったんだよ…」
彩奈「はっきり言って5人は私で勝てたかもレベル、でも1人、飛び抜けて強い人がいた…」
颯斗「すごいなそりゃ…」
試験の前に少し驚き、そして不安になるニュースを聞いた俺たちだが、その実力を知るのはそう遠い日ではない。




