ボクの本当の願いは・・・
「しくしく」
「……」
……君がずっと泣いているのは、クリスマスの日にプレゼントが無かったから? それとも会社の上司に怒られたから? もし、横でお喋り出来たら、ひとりぼっちの君を癒せるのかな。
☆彡
流れ星の夜。
ボクは声を授かった。
今日も家に帰ってきたら涙を流す君。明日に怯えたような顔しないで……ボクは口角をあげて君に言った。
「ねぇ、笑って!」
「!」
君は少し驚いたような顔をしたね。でも、
「レオ……お前に何が分かるって言うんだー!」
泣き出しちゃった。
どうしよう。泣かすつもりなんて無かった。笑って欲しかったのに。そう、伝えたのに。延々と泣き続ける君を見ていると、ボクまで悲しくなってきた。
「ワオーン!」
そうボクが鳴く。
君はボクのことを抱き寄せた。あったかい。
「……ご主人さま、どうしたの?」
ボクはそう言って、涙をチロチロと舐める。しょっぱくて甘い。
「うるさい。大人しく抱かれてろ」
なんて言いようだ。
でも、あったかい腕の中で君のぬくもりを感じるのは心地いい。
(あ。ご主人さま、笑った!)
自然とボクの口角も上がる。尻尾だってたくさん振っちゃうんだ。
(そっか。ボクの本当の願い事は……)
☆彡
ボクの声は星にお預け。
本当の願いごとをしたよ。今日も変わらず、いつもと同じ星空だ。