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目立ちたく無い俺、腹黒聖女様に懐かれる  作者: おとら@9シリーズ商業化


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変わる

 それから数日経って、体育祭の日を迎えた。


 俺は朝から気合を入れるべく、鏡の前に立つ。


「うしっ、これでよし」


「お兄ちゃん……うん! 凄くいい!」


「そうか、サンキュー」


 こんな涼しいのは久々なので、違和感が半端ない。


「今日はお弁当持って行くからねー!」


「ああ、頼んだ。すまんな、お前にも予定があったろうに」


「ううん、平気! 清水さんには、お世話になったもん!」


「そうだよな……俺もだ」


 一緒に買い物してもらったり、俺のことを黙っていてくれたり。

 本人はどうか知らないが、俺としてはもらってばかりなような気がする。

 チェックをしてリビングに戻ると、お茶を飲んでるじいちゃんと目が合う。


「おっ、優馬……うむ、爽やかでいい」


「後ろがスースーするけどね」


「やはり、男なら清潔感が大事だ。じいちゃんも行くから、本気で走るといい」


「もちろん。それじゃ、行ってきます」


 俺は久々にひらけてる視界に戸惑いつつ、学校に向かうのだった。








 ……やっぱり変だったか。

 校内に入ると、やたらチラチラと見られる。

 ただ、背筋を伸ばして堂々と歩く。

 そして、そのまま教室に入ると……。


「だれ?」


「クラス間違えてない?」


「でも、かっこよくない?」


 俺はそのまま、放心している清水の横に座る。


「よっ、清水さん」


「へっ? ……逢沢君?」


「正解」


 その瞬間、クラスの連中がざわつく。


「逢沢!? あの地味な……?」


「いやいや、雰囲気からして違うって!」


「うそ!? あんなだったの!?」


 すると、礼二さんが教室に入ってくる。


「こらー、体育祭だからって騒ぎすぎだぞー。ささっと着替えて校庭に行け……おいおい、まじかよ」


「どうもです」


「はぁー……さっぱりしたな。うん、男前だ」


「あざっす」


「なるほど、それで騒ぎになってるのか。ほら、ただ髪型を変えただけだろ。女子は早く更衣室日にいけなー」


 その言葉で生徒達が動き出す。

 ただ、清水だけが俺を見つめ続けていた。


「……」


「おーい? 清水さーん?」


「ふぇ? ……あっ、き、着替えなきゃ!」


 そうして、清水も慌てて出て行く。

 女子がいなくなった後、男子達は着替えて校庭に向かう。

 俺は話しかけられることもなく、校庭にぽつんと立っていた。


「おいおい!」


「よっ、アキト」


「はぁー、久々におでこ出してるの見たわ」


「正直言って、スースーして仕方ない」


 襟足はないし、耳も出ている。

 前髪は目にかからないし、視界がクリアだ。


「ははっ! そりゃ、そうだろ! やっぱり、お前にはそっちが似合ってるぜ」


「ありがとよ」


「んじゃ、他の連中には俺の方から言っておくわ」


「ああ、頼む」


 俺のことを黙っていてくれと頼んだ友人が何人かいる。

 そいつらにも、後で謝らないといけない。






 そして、体育祭が始まる。


 綱引き、玉入れ、障害物競走など……そして、あっという間にお昼休みになる。


 俺は放送席にいる清水を迎えに行く。


「あ、逢沢君」


「飯を一緒に食うぞ」


「う、うん」


 事前に美優から連絡はしてあったので、今日は一緒に食べることになっている。

 清水は両親が来ないし、去年も放送席で一人で食べたらしい。

 すると、横山が俺の前に立つ。


「お、おい、君はだれだ?」


「清水さんと同じクラスの逢沢だ」


「聞いたことないし見たことも……」


「時間がないから連れて行くぞ。そもそも、あんたには関係ない」


「っ……」


 俺は奴をひと睨みして黙らせ、清水を連れて歩き出す。


「ちょっと……」


「あぁー……悪かったか?」


「ううん、ありがとう。正直言って、スカッとした」


「そいつは良かった」


 顔を見ると、憑き物が取れたような表情を浮かべていた。


 どうやら、少しは助けになれたらしい。


 そして美憂が待ってる場所に向かうのだった。


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