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目立ちたく無い俺、腹黒聖女様に懐かれる  作者: おとら@9シリーズ商業化


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カラオケその二

歌ってるうちに、どうにか平常心を取り戻す。


そうだ、カラオケは歌う場所だ。


それ以外を考える必要はない。


そして、採点を見て満足する。


どうやら、そこそこは取れたらしい。


「ふぅ、こんなものか」


「……」


「おい、感想を言えとは言わないが何も言わないはきついのだが?」


何やらボケーっとしている。

そんなでも、清水の顔だと様になるから凄いな。


「ご、ごめんなさい……その、上手かったわ」


「そいつはどうも。久々に歌ったからどうかと思ったが」


「なんていうのかしら……高いキーが出てないのに、音程があってる? 低い声なのに、ちゃんと聞こえるし」


「単純にオクターブ下げてるだけだよ。あんな声、出るわけがないし。まあ、女子なら出ると思うが」


いつも、カラオケにくるたびに思っていた。

俺の好きな歌は男女問わずにキーが高いのが多く、何を歌ってもしんどい。

女子は両方歌えるからいいなと。


「私、ちゃんと出るかな? その、歌とか歌うの初めてだし……」


「学校の歌とは、また別物だしな。まあ、とりあえず練習用に何か入れたらいいんじゃね?」


「……下手でも笑わないでよ?」


「それはわからん」


「ちょっ!? むぅ……歌わない」


「だぁー! 悪かったって! 笑わないから歌えって!」


すると、渋々機械を使って検索を始める。

なんというか、子供っぽいところがあるよな。

普段は面倒見の良いやつなんだが、本来は違うってことか?

……そうせざるを得ない理由でもあんのかね。


「……これにする」


「おっ、月光花か。まあ、王道だわな」


「ええ、これなら歌えると思うし……あ、あー、あれ? マイク入ってなかった……」


「………」


いかん、笑うな俺。

清水はマイクを持って立ち、一生懸命に声の出し方を練習してる。

カラオケが初めてなら、声の出し方も知らないだろうし。


「ね、ねえ? 声出てる?」


「自分の声ってわからんからなぁ。まあ、出てるから大丈夫だろ」


「わ、わかったわ……それじゃ」


そして、イントロが流れ始めた。

無意識なのか、清水の足先がパタパタと上下する。

どうやら、あれでタイミングを合わせるらしい。




そして、曲が終わる。


……うん、特別上手いってわけじゃないが。


か細い声で、耳触りが良くて心地いい。


ただ、途中でフリフリとリズムを取りながら歌うのが困った。


ワンピースが揺れて、俺に当たるし。


「……何か言って」


「うん? 普通に上手かったぞ?」


「ほんと……? 変じゃない? なんか、自分じゃないみたいな声してた気がする」


恥ずかしいのかわからないが、目が合わずにオロオロしている。

悔しいが、その姿は少し可愛い。


「カラオケはそんなもんだ。むしろ、録音したらビビるぞ?」


「録音……そういえば、自分の声が思ってたの違うっていうのは聞いたことあるわ」


「そうそう、めちゃくちゃ違くて驚くぞ」


「そんなに? ……聞きたいような怖いような」


「やめとけやめとけ。せめて、カラオケに慣れてからがいい。俺はそれを聞いてから、しばらくは歌い方が変になったし」


あの時は大変だった。

自分の声が気持ち悪いは、音程外れてるは。

それを直そうして、更にとツボにハマったっけ。


「そ、そうなのね……」


「ほら、次々と入れていくぞ」


「そうね、時間は限られてるし」


そして再び、清水が俺の隣に座る。

どうでもいいが、距離が近いのだが?

しかし、それを突っ込んだら負けな気がする。


「なによ? 変な顔して」


「なんて失礼な奴だ。あぁー、そんなこと言う奴は……言っちゃおうかなー」


「……なにをよ?」


「いや、別に良いんだけど……マイクを両手で持って、フリフリして歌うんだなと」


「……へっ? 私、動いてた?」


「おう、やっぱり気づいてなかったのか」


すると、清水が拳を振りかぶる。

あっ、これは殴られるな。


「っ〜!?」


「待てっ!? ぐはっ!」


「変じゃないって言ったのに!」


「そりゃ、声の話だろ!」


「むぅ……ドリンク取ってくる!」


そして、慌てて部屋から出て行く。


やれやれ、ちょっと大人気なかったか。


……でもまあ、意外と楽しめてるな。








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