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有能?な王子の影武者は一苦労  作者: 集村優作
22/29

22資料からわかる面倒事

兄のいる部屋に戻り声をかける。


「他の部屋は鍵がかかっていたよ」


ランスロットは部屋にあるただ1つの机の横に立っていた。


「そうか」


灯りをつけるわけにはいかないから表情を確認することはできないが、

明らかに重い空気が伝わってきた。


「その感じは見つけたのか?」


「案外早く見つかったよ。内容も読んだ」


ここから見る感じ、

机の中にあった資料がそうだったんだな。


「俺も確認する」


ランスロットの近くまで行き資料を見た。


「わかりやすい」


思わずそう口にしていた。

資料の一番上にはでかでかと死者が生き返る方法と書かれていた。


「そうだな」


この資料によると、

過去に死んだ人間が生き返ったと言われている伝説があるらしい。


1人の剣士の話。

剣士は仲間とパーティーを組んで各地をまわる旅をしていた。

着いた村や都市で依頼されれば金をもらいどんなことでも受けていた。

国から戦の依頼があった時も気に入れば参加する。

気に食わない国なら参加しない。

戦う事が好きな気まぐれな者の集まりだったのだ。

たった4人で組まれているパーティーだったが、

4人いれば戦況を大きく傾くほどの力があった。

どこの国もこのパーティーに金を払ってでも引き入れようとしていた。

だが、このパーティーがどこかの国に属すことはなかった。

ある日パーティーの所在がわからなくなる。

全員が引退していたのだ。

引退理由はわからない。

引退後はそれぞれが違う道に進んでいたらしい。

剣士は引退後、1人で旅をしていると大きな獣に出会う。

今まで見たことがない神秘的な大きな獣。

人の言葉を理解することで剣士の良き話相手になり、

1人の旅が寂しくなっていた剣士は大きな獣に誇白と名付け一緒に旅をすることにした。

数年後。

旅をしていると各国が協力して、

パーティーの者を殺すために探し回っているとゆう話が広まっていた。

それからは休む間もなく全ての国から追われることが続いた。

パーティーの者達は1人また1人と殺されていく、

残るパーティーは剣士1人となり身をひそめる為に洞窟の奥深くで誇白と暮らしていた。

その洞窟は人工的な遺跡があり、暮らすには十分すぎた。

だがどこからか剣士が洞窟にいることがばれてしまう。

たった1人に対して兵5万人が洞窟を取り囲んでいた。

剣士と誇白は洞窟の中で一緒に戦った。

やがて誇白が倒れた。

残った剣士はボロボロになりながらも兵士を次々に倒す。

するとそこに悪魔が現れた。

悪魔は言った。


「死にかけのお前は最後になにを望む?」


剣士は答えた。


「最後に死んだ仲間に会いたい」


悪魔はニヤリと笑った。


「いいだろう。ここには沢山の命がある。それを代償にお前の仲間を生き返らしてやろう」


すると洞窟に攻め込んできていた5万の兵士が一斉に死んだ。

剣士の目の前には死んだかつての仲間が立っていた。

剣士はとても喜んだ。

誇白に向かって剣士が言う。


「見てくれ私の仲間が生き返った。仲間に合えたことがこんなにも嬉しいことだなんて、、、」


剣士は涙を流しながら目の前の仲間を見ていた。


「ありがとう」


剣士は悪魔にお礼を言ってその後も仲間たちと静かに暮らした。


これは、、、なんだ?

すっきりしない伝説だな。

それに偶然か?誇白って誇白の事じゃないかこれ?

誇白は俺に会った時に自ら名乗った。

特に気にはとめていなかったが、名前をつけている者がいてもおかしくない。


俺が資料を読み終えて机に戻したのを見た兄が話し出した。


「私達が呼ばれたのは誇白がいたからかもしれないな」


「兄上はこれに出てくる誇白は俺達の従者だと思っているんだな?」


それはそうだよな。

誇白の魔獣の姿は銀色の毛並みが綺麗な大きな狼だ。

神秘的な大きな獣と言われれば納得できる。


「私がと言うよりはリサがそう思っていると思う。私はこれを見るまでリサは悪事に加担はしているが、逆らえない理由があって秘密裏に妨害しているのかと考えていた」


「なるほどな。それがどんな形で繋がるかはわからなかったが死者を生き返らすことに関係があるかもしれないと考えたわけだ」


「結果。関係があることはわかったが、誇白をサーチに招くことがリサの思惑であり悪事を妨害したいわけではない事がわかった」


アイリスの事も考えてリサを救える可能性にかけてきたんだがな残念だ。


「それじゃあ人数を偽って報告している意味が分からないんじゃないのか?」


リサの目的は死者を生き返らせること。

誇白がそれに関わっていること。

人数を偽る意味など関係ない気がする。


「推測にはなるが、リサは1人で誇白をとらえるつもりだったんじゃないか?正確な人数を伝えては殺される対象になってしまう。それなら人数を偽り誇白だけでも別の場所に移し情報を得ようとしていた」


「計画としてはかなり終わっているな」


お披露目での誇白を見て1人でどうにかできるなんて考えが間違っている。

そこまでリサは考えられないほどのバカではないと思うんだがな。


「だが実際には動いている」


「誇白をサーチまで連れてきて、人数を偽り捕えようとしてるのは事実か、、、」


資料を読まなければ誇白が関わるとは誰も予想できないな。

兄はリサを救いたかったんだろうがこれはもう救うなんて言ってられない。


「問題はどうやって阻止するかだな」


「実行することか?」


「そうだ。どう考えてもアーサーを生き返らせようとしているだろ」


「そうか?単純になにか実験したいだけじゃないのか?」


「生き返らせたい人間がいないならこんなバカげている魔法を実行しようとは思わない」


「そうだとしてもだ。俺が死んでから10年も経っているだろそれに10年前は子供だぞ」


普通に生きていて死者を生き返らせたいなんて思う事はない。

間違っている。

死んだらそこで終わりなんだ。


「それでも可能性としては一番納得がいく」


「そんなものか、、、、伝説について誇白に確認するか?」


「それは急ぎじゃなくて大丈夫だ」


急ぎじゃなくていいことなのか?

誇白に確認をとればリサをどうにかすることもできるかもしれないのに。

それに誇白に確認するべきことはまだある。

それなのに兄がそれを口にしないのも何か引っかかるんだが、、、

俺が気にすることではないか。


「そうか。それは良かった流石に今日は誇白には休んでもらおうと思っていたからな」


「とりあえず明日の説明会の動きは決めた」


「聞いても?」


「明日は私が契約魔法について説明する。護衛として黒華をつける。アイリスには部屋で待っていてもらう。護衛には黒音をつけてアーサーと誇白は隠れて説明会の様子を伺ってくれ」


「妥当だな。ランスロットの従者は3人で1人は死んだことになっている」


「説明会をする際に誇白が昨日から所在がつかめないことを伝えておく。その時にリサの動きを確認しよう」


「説明会をする直前に知らせるのか?」


「おそらくだがリサはここに戻ってから情報を共有していないと思っている。情報が共有されていらば私達に確認するはずだ」


「確かにな。それなら直前に知らせることでリサから何か動きがあるかもしれない」


「仲間に確認をとろうとするだろうな」


「そこで4人目の存在がばれたらどうする?」


「そのタイミングでなぜ人数を偽ったのかもわかるかもしれない。それに接触した時点で捕えればいいさ」


「わかった」


「明日は頼んだぞアーサー」


兄の言葉に頷き、兄を部屋まで送り宿に戻った。

宿に戻れば誇白がぐっすりと寝ていた。


誇白に連絡を取らなくてよかった。

明日確認しよう。


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