17面倒事からの迷子
ここはサイズが使う影魔法の効果を一番発揮しやすく一方的に相手を倒すための場所だった。
荒野の地下に空間を作り日の光が通らないようにし、連れてきた者を確実に仕留める場所。
サイズの影を利用した魔法で移動しなければたどり着くことができず、連れてこられれば迷路のようになっているここから出られない。
サイズ自身も自力で出たことはない。
それが今では天井が崩れ地上から確認できるようになっていた。
確認できると言っても、地上から見れば地面が崩落して大きな穴に岩や土がが大量に落ちているようにしか見えない。
そこに駆け寄ってくる男がいる。
「まじかよ、、、、」
サイズは崩落の被害に遭わないように少し離れたところに移動していた。
そこから急いで戻ってきて、さっきまで自分がいた場所を見てしゃがみこんでいた。
「折角俺が考えて作った。最高の処刑場だったんだが、、、」
自分の中でもお気に入りの場所だっただけに、
見る影もないほどの変わりようにショックを受けている。
「あいつの気配もねーし。死んだなこりゃ」
サイズは影魔法を使い移動しようとしてもう一度穴を見る。
「従者1人の命でこの場所の崩落とか割に合わねえ」
そう言い残して荒野から姿を消した。
「移動したか」
崩落した穴にアーサーがいる。
正確には戦闘をしていた空間の壁に穴を作って避難していた。
さてとここがどこかわからない以上派手にここから出るのもまずいよなぁ。
(誇白聞こえるか?)
・・・・・
魔法は発動した。
あの指輪は近くにないのは確認できた。
魔法が届かない距離ってことはそれなりにサーチから離れている。
そうなると、、、あいつの魔法の移動距離がかなり優秀だな。
魔力量はそこまで多くない感じだった。
それでも俺たちが使う魔法よりも範囲が広い。
あの魔法は覚えなくてはな。
やっぱあいつ生かしておいて正解だ。
新たな魔法の可能性を感じ、1人楽しくなっていたアーサーはふと我にかえる。
いつまでもここにいなくていいな。
出よう。
派手に出ても大丈夫だろ。
アーサーは自分を風魔法で纏いその後上に向かって飛んだ。
自身が魔法の塊のようになり、土や岩を破壊して上に進む。
勢いよく地上に飛び出たついでにそのまま上空まだいった。
「おおぉお!?どこだここ」
アーサーは上空から360度見渡して驚いた。
何も見えない荒野が続いていている。
「うーん。んーーー」
アーサーは上空で胡座をかきながら浮いている。
本当にどこまで移動したんだ?
適当に飛んで行って場所の確認をするべきか?
人に合わないとここがどこかもわからんしな。
仕方ない。
飛び回ろう。
アーサーは考えるのを諦めて飛び回ることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇
リサの後を追っている誇白は、主であるアーサーの事を考えていた。
主様が言うようにおそらくリサ様は敵だと言えるけど、どう対処するつもりなんでしょう、、、、
もし最悪の選択肢を主様がとられるのなら、私がかわりにやらなくてはいけませんね。
主様は絶対に守ると決めているのはランスロット様、次にアイリス様とご両親。そして国、、、私達はどこに含まれているのか、、、それは今考えることではないか。
敵意を向ける者は、とにかく倒す。
シルフ様相手にも敵意を向けられた瞬間攻撃されていたし、、、
そうなるとリサ様も場合によっては殺すでしょうし。
でもランスロット様とアイリス様はそれを許すような人ではないし。
主様達の関係が悪くなるのは避けなければいけないし、、、
そうなるとやっぱり私がやるしか、、、
誇白が自分が今後取らなければいけない行動について悩んでいると、
ランスロットから魔法がきた。
(誇白聞こえるか?)
(ランスロット様?聞こえますよ?どうされました?)
誇白はランスロットからの確認に疑問を持っていた。
この魔法を使ってから、聞こえない事などなかった。
だがランスロットからは聞こえるかの確認がきた。
つまり何かあったとゆうことだと誇白は考えた。
(アーサーは一緒にいるか?)
(いいえ別行動です)
(なに!?)
ランスロットが焦りを交えた驚きの反応を見せた。
(何かあったのですか?)
(アーサーに連絡がつかないのだ)
(お待ちください私も確認します)
(主様聞こえますか?)
・・・・・
返事がないことに誇白も焦った。
(主様!?)
・・・・・
従魔の契約で主様が生きているのはわかる。
かなり離れたところにおられる。
魔法が届かない距離まで移動されているなんて、なにがあったんでしょう。
とりあえずランスロット様にわかることだけでも伝えよう。
(ランスロット様。私の方でも連絡がつきません)
(なんだって!?)
(ですが、従魔契約のおかげで主様が生きておられることはわかっています。場所はかなり遠いのですが、、、)
(そっそうか良かった。連絡が取れないほどの距離にいるとは何があったんだ。ん?まてよ。従魔契約をしているから場所までわかるんだよな??)
(はい。意識を集中すればすぐにわかります)
(黒音と黒華も同じだよな?)
(はい、、、)
誇白は黒音と黒華は従魔契約をしているのに主様の場所を把握することがてきることを忘れていたと気づき、気まずくなった。
(まぁとりあえずわかった。かなり離れたところにいるのか?)
(はい。地図で見るとサーチの北へと行っているみたいです)
(別行動と言っていたな?何をしているんだ?)
(私は主様の命令でリサ様の動きを見張っています)
(リサを?)
(はい。理由について主様が戻られた時に直接聞いてただければと思います)
(わかった。アーサーを迎えにいってもらえるか?)
(かしこまりました)
ランスロットとの話を終えて、再びアーサーへの意識を集中する。
(え?なぜ)
誇白はアーサーがサーチとは逆の方向に進んでいることに気が付いた。
何かの意図があって離れているんでしょうけど、追いつくことができるか不安。
◇◇◇◇◇◇◇◇
サーチとは反対の方角に空を飛び向かっている仮面の男。アーサー
人がいそうなところがないな。
魔物や魔獣は見えるんだけどなぁ。
この高さでも何も見えないんじゃどうしようもないな。
(誇白聞こえるか?)
空中で止まり、なんとなく魔法を発動してみた。
・・・・・
反応あるわけないな。
いや、まてよここまで人がいないならいっそのこと派手にやるか。
何もない場所に右手を向け魔法を発動する。
「業火の柱」
地上から遥か上空にまで伸びた大きな炎の柱が出現した。
「おお。我ながら派手な魔法だ。これってどこまで伸びているんだ?」
自分が放った魔法がどこまで伸びているのか疑問ももちながら眺め、少し待つことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇
その頃。
サーチからアーサーの元に向かって銀狼の姿で風魔法を使い全力で走っている誇白が強力な魔法の発動に焦っていた。
まさかこの距離でわかる魔法を使うなんて、いったい何がおこっているの!?
主様が今まで一度も見せたことがない強力な魔法を使う相手が現れているってこと?
なら私がお役にたてるチャンス。絶対に間に合わせてみせる。
誇白は従魔になってから今日まで強敵が現れていないことで力を示すことができていないと思っていた。
平和なのは人にとって良いことだとはわかっているが、自分の本領を発揮できる場は戦いしかない。
初めて主の役にたてる。
そのチャンスを逃すまいと更に速度をあげてアーサーの元に走ると、
少しして赤く光る柱が見えてきた。
あれは、、、主様の魔法!?
あんな事ができるなんて、、、
この距離なら聞こえるかも?
(主様大丈夫ですか?)
(誇白近くにいるのか?)
(全力で駆けつけています!光る柱が見えていますがそれは主様の魔法ですか?)
(ああそうだ)
(いったいどんな相手なんですか!?私もすぐに参戦します)
誇白の言葉から物凄い勢いを感じる。
(え?)
(大丈夫です。足は引っ張りません)
(いやっ)
(私も力で主様の役にたちたいのです)
まっずい。
凄く気まずいな。
俺の魔法が誰かを相手に使ったのだと思われているな。
(聞け誇白違うんだ。相手はいない)
(え?)
誇白は思ってもいなかったアーサーの発言で勢いよく顔からこけた。




