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【ここまでの】作中固有名詞変換表と参考書籍【まとめとか】


大変長らくおまたせしました、連載を再開し、完結編を開始します。

その前に、この作品のモチーフとなっている19世紀西洋圏と、作品世界の連関について、大ざっぱにまとめたので資料として添付します。

読み飛ばしてぜんぜんおっけーなやつです。



この作品は異世界を舞台にしたフィクションであり、実在の人物・企業・国家・団体等々とは一切関係ございませんが、地球の歴史を参考にはしています。

歴史に強いかたであれば元ネタになっている歴史上の人物や欧州の国家が思い浮かんでいることとは思いますが、ここで一度主要な固有名詞についてはまとめておきますので、ご興味がおありでしたら読む上での参考にしてください。




  【地域編】



*アドラスブルク帝国(オストリヒテ=アジュール二重帝国)

地球ではいわずとしれたハプスブルク帝国であり、オーストリア=ハンガリー二重帝国ですね。

地球史では普墺戦争で敗北を喫するまで皇帝フランツ・ヨーゼフは妥協を認めませんでしたが、当作中では早期に「アウスグライヒ(オストリヒテ・アジュール同権協定)」が結ばれて〈アジュール〉民族が軍事的・資金的に皇帝エルディナント・フランツを補佐するようになっています。


なお早期「アウスグライヒ」締結の余地については、歴史家A.J.P.テイラー(参考書籍は後述されています)の「1867年の和解は、1848年と1859年に結ばれかけて破綻したオーストリア・ハンガリー協定と本質的に差がなかった」という示唆に拠ります。


オストリヒテの首都はフィレン(地球ではウィーン相当)。

アジュールの首都はビュラ(地球ではブダペストのうちのブダ側に相当)。



*メロヴィグ帝国

地球ではフランスに相当する国です。私はフランス最初の王朝である「メロヴィング」という響きが好きなので、ちょっともじったメロヴィグをこの地域の名称として用いています。

この作品が属しているシリーズ「ヒストリカル・ロマンス」の他作である『妹が「修道院には行きたくない」と泣くので、姉は婚約者を譲って自力婚活することにした』および『契約結婚だと聞いたので、喜んで独身時代のシュミを貫くことにした結果』(この作品では革命前の王国期ですが)の舞台にもなっています。


首都はペリム(地球ではパリ相当)。



*デウチェ連合

地球ではいわゆるドイツ連邦にあたる地域です。連邦国家ではなかったということで、地球史においてもウィーン体制下のドイツは「連邦」と邦訳するべきではない、という論調が主流になりつつあるようですね。

ここからしばらく、デウチェ連合内各国について続きます。


*プロジャ王国

地球ではプロイセン王国に相当する国です。地球史よりもやや早く強大化しています。地球史では普墺戦争までオーストリア帝国をしのいでいるとは思われていなかったようですが、当作中では名こそともなっていないものの、すでに実力ではデウチェ連合中最強だと内外から認識されています。

首都はベルンド(地球ではベルリン相当)。


*ヴァリアシュテルン王国

地球ではバイエルン王国に相当する国です。ヒロイン・セシィの出身国でもあります。

首都はミューゼン(地球ではミュンヘン相当)。


*サクノス王国

地球ではザクセン王国に相当する国です。


*ハルファーデン王国

地球ではハノーファー王国に相当する国です。


*デュレンゲンブルク王国

地球ではヴュルテンベルク王国に相当する国です。


*ヘムシュタイン公国

地球ではホルシュタイン公国に相当する地域です。


*フリエンツフルト

地球ではフランクフルト(・アム・マイン)に相当する自由都市です。連合会議においてれっきとした1票を持っている独立勢力にカウントされています。


*ザルツクヴェーレ

アドラスブルク家の保養地です。地球ではバート・イシュルに相当します。塩泉質の温泉があって、湯治療法に使われるとともに塩の産地でもあります。



デウチェ連合内で当作中に登場している名前ありの地域は以上です。総数で30以上の国と地域が存在するのは地球と同様です。



*ブライトノーツ連合王国

地球ではイギリスに相当する国です。地球史同様、世界中に植民地を持つ地上最強国として全盛期を迎えています。

この作品が属しているシリーズ「ヒストリカル・ロマンス」の一本である『待ち続ける女に奇跡は起きるのか』の舞台にもなっています。


首都はロンディミオン(地球ではロンドン相当)。



*ヘラルド王国

地球ではオランダに相当する国です。



*バルディウム王国

地球ではベルギーに相当する国です。地球史では、ナポレオン戦争が終わってしばらくたってからようやく独立を果たした国ですが、当作中世界では宗教大戦(30年戦争)終結時点でヘラルドと別々に独立を果たしていた、という裏設定があります。

この作品が属しているシリーズ「ヒストリカル・ロマンス」の一本である『永遠の輝きと愛とお金の話』の舞台にもなっています。


セシィの義妹イザベラの出身国です。バルディウム王統は古バルダー氏族(地球におけるブルゴーニュ家)の直系にあたります。地球でのベルギー王室はドイツ系(ザクセン・コーブルク家)ですがそれとは異なり、独自設定強めとなっております。


首都はユージュセル(地球ではブリュッセル相当)。



*スヴェルト連邦

地球ではスイスに相当する国です。



*エトヴィラ王国

地球ではイタリアに相当する国です。地球史のイタリア半島同様、エトヴィラの位置する半島は西方文明発祥の地でありながら1000年以上分断されていて、まだ統一途上にあります。

首都はロミア(地球ではローマ相当、ただし教皇派が領有しておりエトヴィラ王国はまだ奪取できていない)。


*ザフィーアン公国

地球ではイタリアのうちサルデーニャ王国(の本土側)に相当する地域です。統一エトヴィラの中核となります。


*バルティア・ロカーナ

地球ではイタリアのうちロンバルディア・ヴェネトに相当する地域です。

地球史ではハプスブルク帝国の領地であり、独立を目指すイタリア勢力とハプスブルクを削りたい列強の思惑が重なって紛争地となりますが、当作中でもアドラスブルクの所領で、列強の干渉を利用したエトヴィラ勢力が統一を目指していくという図式は同様です。



*イルパニア王国

地球ではスペインに相当する国です。地球史ではハプスブルク帝国の巨大な片翼でしたが、当作中においてもかつてはアドラスブルクの西の柱でした。没落具合も地球史とほぼ同じです。



*リュース帝国

地球ではロシアに相当する国です。

首都はマスカーヴ(地球ではモスクワ相当)。



*アルハディラ・ウルス

地球ではオスマン帝国に相当する地域ですが、地球史とはかなり様相を異としています。この作品が属しているシリーズ「ヒストリカル・ロマンス」の一本である『胡族の王弟と商都の姫』で成立したメラム・ウルスと関係の深い国なのですが、まだ細かいことを書いていません。

リュースを圧倒する強さを保っていて、地球史では東欧を大動乱に導いた近東問題が発生する余地を潰しています。

はっきりいってしまうと、話の都合で存在している大帝国なのですが……。そのうち詳しく書くかもしれません。作者の力不足で手が出せない可能性もあります。



*ポリニカ

地球ではポーランドに相当する地域です。この時代では、周囲の大国によって分割支配されてしまっている状況も地球史とだいたい同じです。



*ヴァルソア公国

地球ではワルシャワ公国に相当する、一時的に作られた人工的な傀儡国家です。地球史においては、ナポレオンがポーランドの民族自決を支持するという名目でロシア遠征のために建国させました。当作中においても、バルトポルテがリュース遠征の基地にするため作らせた国です。バルトポルテ体制の崩壊にともなって解体されています。



*ルテヴィン

地球ではリトアニア・ウクライナに相当する地域です。地球史同様この時代は周辺強国による分割支配を受けています。



*ダンヴィケ王国

地球ではデンマークに相当する国です。ユテニア半島は地球でのユトレヒト半島にあたります。



*スレズヴェルヒ公国

地球ではシュレスヴィヒに相当する地域です。



*ウェルデン王国

地球ではスウェーデンに相当する国です。スカーラヴィナ半島は地球でのスカンジナビア半島にあたります。



神聖帝国(ハイリジェス・ライヒ)

かつて存在していた、アドラスブルク家当主が皇帝の地位にあった世界帝国です。地球史においては神聖ローマ帝国に相当します。



  ここから新大陸の説明となります



*カヌディア

地球ではカナダに相当する地域です。この時代はブライトノーツの海外領土でありまだ独立国家ではありません。もともとこの地域を開拓したのはメロヴィグであり、「ヌーヴェル・メロヴィグ」と呼ばれていましたが、戦争の結果ブライトノーツに割譲されました。

当ヒストリカル・ロマンスシリーズの一本『契約結婚だと聞いたので、喜んで独身時代のシュミを貫くことにした結果』のヒロインであるマリエンヌと、その旦那さまジェスランが移り住んだ地でもあります。



共和主義者(リパブリカン・)合衆国ステイツおよび自由合衆国(フリーダム・ステイツ)

地球ではアメリカに相当する地域です。地球史同様に分裂して南北戦争に突入しています。



*ゼクフィコ

地球ではメキシコに相当する地域です。地球史でのメキシコでは、南北戦争でアメリカの目が逸れた隙に乗じてフランスが内紛に介入し、オーストリア大公マクシミリアンを皇帝に据えますが、あっという間に新帝国の夢は潰えてマクシミリアンは処刑されてしまいます。

当作中では、皇弟メルヒオールがマクシミリアンよりもやる気のある状態でおよそ一年早く乗り込みました。地球史からの最大の改変点は、マクシミリアンと妃シャルロッテは子宝に恵まれなかったのですが、メルヒオールとイザベラには皇子がいるところです。


首都はエル・オーロ(地球ではメキシコ・シティ)。



*アムゼカ帝国

かつてゼクフィコの地にあった、原住民による大帝国です。地球ではアステカ帝国に相当します。アドラスブルク朝時代のイルパニアによって征服された歴史的過程は、スペインのコンキスタドールによって新大陸が侵略された地球の歴史とほぼ同様です。

このヒストリカル・ロマンスシリーズの世界が地球と決定的に異なる点として、プレーリーのネズミ科哺乳類が有史前からペストを保菌し、バファローが牛痘のキャリアであったことなどにより、新旧大陸の人種間に致命的な免疫格差が発生していなかった、という裏設定があります。地球では新大陸のネイティブは事実上の絶滅を遂げてしまいますが、当作中では19世紀相当の年代においても、人口の4割ほどが原住民の血筋です。




  【人物編】



  オストリヒテ=アジュール帝国関係者



*セシーリア(セシィ)

この作品の主人公です。地球史ではオーストリア皇后エリーザベト(シシィ)に相当します。

……ただし、性格がエリーザベトとはまるっきり違います。



*エルディナント・フランツ(エル)

セシーリアの夫でありアドラスブルク家当主、オストリヒテ=アジュール皇帝です。地球史ではオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに相当します。

フランツ・ヨーゼフとはやっぱりかなり性格が違います。



*第一皇女ゾラ

セシーリアとエルディナントの長女です。地球史では皇女ゾフィに相当します。地球史では夭折してしまいますが、当作中では元気に育っています。



*第二皇女テレーゼ

セシーリアとエルディナントの次女です。地球史では皇女ギーゼラに相当します。



*皇太子ヨーゼフ

セシーリアとエルディナントの長男です。地球史では皇子ルドルフに相当します。



*第三皇女ラースローネ(ラジィ)

セシーリアとエルディナントの三女です。地球史では皇女マリー・ヴァレリーに相当します。地球史と違って皇帝夫妻のあいだに亀裂が走らず、ラヴラヴなままなので早く生まれました。



*太后ゾラ

エルディナントの母であり、セシーリアにとっては伯母にして鬼義母です。地球史ではオーストリア太后ゾフィに相当します。このひとは地球史ほぼそのままです。まさに女傑。

まあ地球史のほうで、エリーザベトが二連続で女児を産んだときに、自分は嫁入りから5年以上男女ともに産めなかったくせにそれを棚に上げて嫁を責めまくったとかいう、極大ブーメラン使いとしての人格の歪みなんかは矯正してあります。憎たらしいけど尊敬できる義母でいてもらわないと困ることがありますので。



*皇弟メルヒオール

エルディナントの実弟でありセシーリアにとっては義弟です。地球史ではオーストリア大公にしてメキシコ僭帝マクシミリアンに相当します。

地球史では嫉妬深く野心家のくせに常時他人の顔色を伺っている小心者という、リアルといえばリアルな次男坊なのですが、端的にいってムカつくので素直めな弟キャラに改変してあります。これは兄のエルディナントも同様です。地球史でのフランツ・ヨーゼフはいまでこそ賢帝あつかいですが性格的には……。



*イザベラ

メルヒオールの妻でありセシーリアにとっては義妹です。地球史ではオーストリア皇弟妃シャルロッテに相当します。

地球史ではずっと気位が高くてわがままなお姫さまですが、当作中では子宝を授かることでかなり丸くなりました。



*マクシミリアン(マックス)

メルヒオールとイザベラ夫妻の長男です。地球史では生まれることのなかった幻の皇子さま。



*ヴァリアシュテルン公爵フリードリヒ

セシーリアの父です。地球史ではバイエルン公爵マクシミリアンに相当します。



*ヴァリアシュテルン公爵妃アマーリエ

セシーリアの母です。地球史ではバイエルン公爵妃ルドヴィカに相当します。



*ヴァリアシュテルン公女シャルロッテ

セシーリアの姉であり、もともとのエルディナント・フランツの婚約者でもありました。地球史ではバイエルン公女ヘレーネに相当します。

地球史では、ヘレーネはフランツ・ヨーゼフの嫁候補その一に過ぎず、有力ではありましたが将来を確定された婚約者ではありませんでした。

劇的にするために、皇帝が婚約破棄して妹に乗り換える、というシナリオに改変されるのは、この姉妹を題材にしたフィクションでは常套手段です。



*先帝ハインリヒ

エルディナントの伯父でありアドラスブルクの先代皇帝です。地球史ではオーストリア皇帝フェルディナント一世に相当します。

生まれつき病弱で成人すら危ぶまれるほどでしたが、大勢が常に介助のため取り巻いていたこともあって、結果的にはかなり長生きすることになるのは地球史も当作品も同様です。



*大公マティアス

太后ゾラの夫君でありエルディナントの父です。ハインリヒの実弟でもあります。地球史ではオーストリア大公フランツ・カールに相当します。影が薄いというか本編中には直接出てきていません。



*ルドルフ三世

ハインリヒとマティアスの父であり、エルディナントにとっては祖父となる、二代前の皇帝です。地球史では神聖ローマ帝国の最終皇帝フランツ二世にして初代オーストリア皇帝フランツ一世に相当します。



*マクシミリアン三世

大帝と称される、神聖帝国(ハイリジェス・ライヒ)を世界帝国に押し上げた三世紀前の皇帝です。地球史では神聖ローマ皇帝カール五世に相当します。



*メレナ・テレーゼ

偉大な女帝として、たびたび言及される前世紀のアドラスブルク家女当主です。地球史ではマリア・テレジアに相当します。

地球史においてはハプスブルク家の女性継承を否認する周辺国からの干渉でかなりややこしいことになりましたが、当作中では面倒くさい部分はとりあえずスルーです。ですがプロジャとの戦争はあったことになっているので、気が向いたらいずれ書くかもしれません。



*メレナ・アンソニア

メレナ・テレーゼの末娘であり、メロヴィグに嫁ぎ革命で斬首された悲劇のヒロインです。地球史ではマリー・アントワネットに相当します。



*エクセルハーディ伯爵夫人

太后ゾラの右腕で女官長であり、セシーリアにとっては女看守(ドラゴン)です。地球史ではエステルハージー伯爵夫人ゾフィに相当します。

地球史でオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに仕えたエステルハージー伯爵の妻ポリクセナと、太后ゾフィの女官長エステルハージー伯爵夫人ゾフィは別人なのですが、当作中ではややこしいのでまとめてあります。

また、地球史ではエステルハージー伯爵夫人は皇太子の教育方針に異を唱えたエリーザベトの働きかけで解職されますが、当作中では最初からセシーリアがあるていどイニシアチブを持っていることもあって、結婚10年目の第二部ラスト時点でもエクセルハーディ伯爵夫人は職務をつづけています。



*エクセルハーディ伯爵

エクセルハーディ伯爵夫人の旦那さんでありオストリヒテの政治家です。地球史ではエステルハージー伯爵モーリッツに相当します。

モーリッツの妻ポリクセナは太后ゾフィの女官長を務めていないのですが、当作中では面倒なのでまとめてあります。

エステルハージー伯自身に関しては、普墺戦争時のオーストリア内閣において大臣を務めていますが、当作中世界では敗戦前から二重帝国体制が成立したため、エクセルハーディ伯はオストリヒテとアジュールの連絡役をやっています。



*レヒトハイネン男爵夫人マルティナ

太后ゾラが初孫ゾラのために選んだ乳母です。地球史ではヴェルデン男爵夫人に相当します。

功労ある軍人の妻であり実子がいなかった、というのは地球史と同様ですが、当作中では真面目な仕事をする忠臣にしました。地球史での太后ゾフィは、孫娘に自分と同じ名前をつけるほど入れ込んでた割に細部が雑すぎるような感じが……。



*マイラー伯爵

アジュール人でありセシーリアの教育係のひとりです。地球史ではエリーザベトの歴史教師だったマイラット(マイラートやマジュラートなど日本語では表記ブレ多し)伯爵に相当する人物ですが、ハンガリー指導者デアークの要素も含んでいます。

オストリヒテ=アジュール二重帝国成立後は宮内卿としてアジュール王国政府の閣僚となります。



*アングレアム伯爵

アジュール人でありセシーリアの教育係のひとりです。地球史ではハンガリー民族運動指導部のアンドラーシ伯爵に相当する人物です。

地球史におけるアンドラーシ伯とオーストリア皇后エリーザベトの接触はあまり早くありませんでしたが、当作中ではマイラー伯の仲介で、アングレアム伯は恩赦直後からセシーリアのサロンに出入りするようになりました。オストリヒテ=アジュール二重帝国成立後にアジュール首相となったのは、オーストリア=ハンガリー二重帝国体制でハンガリー首相となったアンドラーシ伯と同様です。



*ベルヒャー伯爵

エルディナント・フランツの副官のひとりであり侍従武官です。地球史ではグリュネ伯爵に相当します。



*グライ将軍

オストリヒテの将軍ですがへっぽこで役に立たなかった人物です。地球史においてはジュライ(またはギュライ)伯爵に相当します。



*フラディキ将軍

オストリヒテの将軍であり90歳になってもかくしゃくとしていた超人です。地球史ではラデツキー行進曲で有名なラデツキー将軍に相当します。



*ドゥーロフ外相

オストリヒテの外務大臣です。バルティア・ロカーナ問題の責任を取って辞任します。地球史ではブーオル外相に相当します。



*イルヒベルク外相

オストリヒテの外務大臣です。ドゥーロフの後任であり、アドラスブルク帝国の代表としてポリニカおよびスレズヴェルヒ・ヘムシュタイン問題の交渉に携わっています。地球史ではレヒベルク外相に相当します。




  メロヴィグ関係者



*バルトポルテ一世

初代メロヴィグ皇帝であり世界史に大変革をもたらした革命児です。地球史ではフランス皇帝ナポレオン一世に相当します。



*ヨハンナ

バルトポルテの最初の妻です。地球史ではナポレオン一世の最初の妻であるジョゼフィーヌに相当する人物です。



*ドロテア

バルトポルテの二番目の妻です。アドラスブルクの皇女でもあります。地球史ではハプスブルク皇女マリー・ルイーズに相当します。



*シャール・バルトポルテ

バルトポルテ一世とドロテアのあいだに生まれた皇子です。地球史ではナポレオン二世に相当します。地球史において太后ゾフィと抜き差しならぬ関係だったのではないか? という疑惑の部分については、当作中でも太后ゾラの過去などでほぼ踏襲しています。



*バルトポルテ三世

初代バルトポルテの甥であり、実質的な二代目メロヴィグ皇帝です。地球史ではフランス皇帝ナポレオン三世に相当します。

ナポレオン法典はじめ現代までつながるフランスのソフトウェアを作ったのがナポレオン一世なら、パリを世界的都市に改装するなどハードウェアはナポレオン三世製、といっても過言でないくらい大きな仕事をしています。私人として問題まみれだったのは事実といえど、マルクス派によるおとしめは不当である、という鹿島説(後述の参考資料一覧に鹿島先生の著作を載せています)に、当作も従って三世像を描いています。



*ルティアーナ

バルトポルテ三世の妻です。地球史ではナポレオン三世妃ウジェニーに相当します。

地球史ではエリーザベトとウジェニーが対面するのは普墺戦争が終わったあとですが、当作中ではセシーリアとルティアーナはかなり早く顔を合わせ、かつとても良好な関係になりました。



*アンリ・バルトポルテ

バルトポルテ三世とルティアーナの皇子です。地球史ではフランス皇太子ルイに相当します。



*モラン公爵

バルトポルテ三世の異父弟であるとともに政治的同盟者です。地球史ではモルニー公爵に相当します。



*外相ラベール

メロヴィグの外務大臣です。ポリニカおよびスレズヴェルヒ・ヘムシュタイン問題でメロヴィグの交渉代表を務めています。地球史では第二帝政で外務大臣を務めたド・リュイスに相当する人物です。




  プロジャ王国関係者



*ヴィルヘルミーナ

ヴァリアシュテルンの王女でありプロジャ王妃です。第二部冒頭でプロジャ王アルブレヒトが崩御し()王妃となります。

太后ゾラ、ヴァリアシュテルン公妃アマーリエの姉であり、セシーリアにとって伯母にあたる人物です。

地球史においてはバイエルン王女エリーザベト・ルドヴィカに相当します。バイエルン国王夫妻は子沢山で、エリーザベト・ルドヴィカは長女ではありません。当作中では簡略化のため単純にしてあります。



*アルブレヒト

本作開始時のプロジャ王です。第二部冒頭で崩御します。地球史ではプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム四世に相当します。地球史より即位がやや早く、亡くなるのも少しだけ早まっていますが、アルブレヒトはフリードリヒ・ヴィルヘルムとは違い、晩年に不調に陥ることはありませんでした。



*エルンスト

アルブレヒトとヴィルヘルミーナの夫妻には娘しかいないため、王弟であるエルンストがプロジャ王となることになります。地球史におけるプロイセン王にしてのちのドイツ皇帝ヴィルヘルム一世に相当します。



*ディズマール

プロジャ新王エルンストが任命した宰相です。地球史では鉄血宰相と呼ばれたプロイセンのビスマルクに相当する人物です。オーストリアを排斥してドイツ第二帝国を成立させたビスマルク同様、当作中でもオストリヒテ最大最強の敵として立ちふさがります。




  エトヴィラ関係者



*オブリスコーニ

過激な民族主義者であり、エトヴィラ独立を約束した初代バルトポルテの衣鉢を継いだはずの三世が約束を履行しないとして暗殺を企てますが、死ぬはずの爆弾テロから生還した三世に神の後光を認め、その信奉者になるという変なやつです。

地球史におけるオルシーニ伯爵に相当し、「なんやこいつ……」エピソードは当作中もそのままです。なお犠牲者を多数出したテロリストなので、裁判後に一味は処刑(皇帝夫妻は殺されかけておきながら助命嘆願をしたという)されています。そりゃあね。



*カティーノ

ザフィーアン公国の首席執行官、他国でいうなら首相です。地球史ではサルデーニャ王国首相カヴールに相当します。



*ヴァレリアーノ

ザフィーアン公国の国主です。地球史ではサルデーニャ国王ヴィットーリオ・エマヌエーレに相当します。



*カリオッツィ

エトヴィラ民族主義者であり義勇兵を率いる活動家です。地球史では赤シャツ隊のガリバルディに相当します。



*パブロ七世

ロミア教皇ですが、ヴァレリアーノの新生エトヴィラ王国に押されまくって教皇領がどんどん減っていく中、世俗の栄華を諦めて宗教的権威のみに満足することができずに切歯扼腕しています。地球史ではローマ教皇ピウス九世に相当する人物です。




  その他地域の関係者



*ベアトリス

ブライトノーツの女王であり、世界七つの海にまたがる超帝国の皇帝でもあります。地球史ではイギリス女王にして大英帝国女帝ヴィクトリアにあたる人物です。



*リンゼレイ

ステイツの大統領であり、各種改革を断行し、南北に分裂した祖国を再統一するためなら武力行使も辞さない、強い姿勢で突き進む信念の政治家です。地球史では合衆国第16代大統領リンカーンに相当します。



*ロベルト=ロペス・ガルシア

ゼクフィコの民族主義・革命運動家であり武力闘争指導者です。地球史ではメキシコの「建国の父」であるベニート・フアレスに相当します。



*フェリクス

バルディウム国王でありイザベラの父です。地球史ではベルギー王レオポルトに相当しますが、地域編で触れたように当作中でのバルディウム王国は地球のベルギーとは成立過程からして異なるので、共通点はあまりありません。



*カルマン

フェリクス王が女婿メルヒオールのために遣わした技術者です。鉱山技師でありゼクフィコの現地情勢に通じています。地球史ではメキシコ帝マクシミリアンの官房長官となった鉱山技師エロワンに相当します。



*ジェイケラー

モラン公に多額の貸付をしていたスヴェルトの銀行家です。地球史ではスイス生まれの金融業者ジャン・バティスト・イェッカーに相当します。



*フュロドフ将軍

リュース帝国の将軍です。ポリニカの叛乱を鎮圧するのが任務。地球史ではムラヴィヨフ将軍に相当します。叛乱分子を人とも思わぬ残忍な性格であったのは、地球史でも当作中でも共通です。



*ミハイル大公

リュース帝国の皇弟のひとりです。ポリニカ問題会議の席にリュース代表として派遣されてきました。地球史ではロマノフ家のニコライ・ニコラエヴィチ大公に相当します。



*キャリテルスキ公爵

ポリニカの独立運動指導者です。地球史ではポーランドのチャルトリスキ公爵に相当します。



*ハンス二世

ダンヴィケ王です。スレズヴェルヒ・ヘムシュタインの帰属を巡ってデウチェと衝突します。地球史ではデンマーク王クリスティアン九世に相当しますが、当作中ではこの時代のデンマーク王家を悩ませた継承問題は省略されており、ハンス二世に傍流としての負い目などはありません。



*グスタフ四世

ウェルデン王です。地球史では時代的にはスウェーデン王カール15世に相当するのですが、地球では19世紀以降のスウェーデン王家がナポレオンによって()てられたものであるのに対し、当作中ではフィナー家(地球でのヴァーサ王朝)が継続しています。そのへんは裏設定だけ決まっているので、そのうち書くかもしれないし書かないかもしれません。



*マイネレンベルク大公ルートヴィヒ

ヘムシュタインの継承権を主張するデウチェ君侯のひとりです。地球史ではアウグステンブルク公クリスティアン・アウグストに相当します。




  【その他の固有用語】



*ボルヴァナティズム

地球史でのボナパルティズムに相当する用語です。地球ではナポレオンの家門ボナパルトを奉じる主義であり、主義者としては「ボナパルティスト」となります。

「ボナパルティズム」や「ボナパルティスト」という語は、ナポレオンの子孫にフランスの統治権があるとする主張、という狭い意味のほかに、大衆を煽動して権力の座に収まった政治家を揶揄する、レッテルのような使いかたをされることもありました。鉄血宰相ビスマルクも広義の「ボナパルティスト」とされる場合があります。

現在では「ポピュリズム」「ポピュリスト」に相当する言葉でしょうか。どちらも、本来の語義とは異なる使いかたをされているわけです。

当作中ではバルトポルテの一門ボルヴァナト家から取って「ボルヴァナティズム」となり、主義者は「ボルヴァナティスト」と呼ばれます。



*ロンディミオン講和会議

地球においてナポレオン体制崩壊後の新秩序を話し合う国際会議はウィーンにおいて開催され、議長はオーストリア帝国のメッテルニヒ宰相であり、いわゆる「会議は踊る。されど進まず」と風刺されながらの、巧遅を拙速に優先する展開でした。

当作中の世界においては、バルトポルテ戦争後の国際会議は大陸外、ブライトノーツ首都ロンディミオンで開催されています。作中時間軸でのアドラスブルク帝国のプレゼンスが、地球でのウィーン体制ハプスブルク帝国ほど強くない理由です。

反面、地球ではロシア遠征失敗後もナポレオンはしぶとく戦い続けましたが、当作中世界ではリュース遠征の失敗を見越してブライトノーツとアルハディラ・ウルスが同盟しており、すみやかにバルトポルテの残存戦力を撃滅し、廃位に追い込んでいます。バルトポルテはナポレオンと違って流刑地から脱走したりできず、100日天下もありませんでした。



枢密派(カマリラ)

スペイン語に起源を持ち「国王の私設機関」ていどの意味がある、法的根拠こそないものの無視できない発言力を有する政治サークルのことです。地球史では近代ドイツの政治動向にしばしば影響力を及ぼしたとされています。ビスマルクが政治の世界に足を踏み入れるにあたって接触したことは事実ですが、プロイセン宰相となるころには、陰にこもった手法を弄するカマリラを嫌い、距離をおいていました。

当作中ではしぶとく出続けていますが、ディズマールを操っている真の黒幕というわけではありません。



機帆船(フリゲート)

19世紀は蒸気機関がじょじょに普及しつつあった時代ですが、船舶においてはまだ補助的な動力であり、無風のときや海戦時の推進力としての使用でした。

いわゆる〈黒船〉型の外輪船は、世紀中葉以降急速に時代遅れの代物となり、船底後尾にスクリュー式の推進器を備えた、現在の船舶とほぼ同様の形態が主流となります。それでも燃料が石炭であることは変わらないので、船員にとってボイラー室で働くことは極めて危険な上に重労働でした。

さらに時代が進むと帆走に頼った船は減り、ほとんどが常時スクリュー推進になりますが、石炭燃料時代は20世紀になってもしばらく続きます。かのタイタニック号も燃料は石炭だったり。第一次大戦のときは、全速で敵艦追跡をするために、ボイラー室要員が殉職者を出しながら石炭を焚べ続けていたこともあったそうです。




  参考書籍



ちくま学芸文庫『ハプスブルク帝国1809〜1918 オーストリア帝国とオーストリア=ハンガリーの歴史』

A.J.P.テイラー著/倉田稔訳

ISBN:9784480510624


メイン資料です。日本語で読めるハプスブルク帝国終盤の歴史書としてはたぶんもっとも詳しいでしょう。「訳文が不親切」という書評が目立ち、確かにある程度の前提知識を持った読者向きかもしれません。



刀水書房『エリザベート―栄光と悲劇―』

M・シェーファー著/永島とも子訳/大津留厚監訳

ISBN:9784887082656


ハプスブルク帝国実質最後の皇后エリーザベト(日本語慣例表記に従って「エリザベート」とされています)の生涯を大まかになぞっている評伝です。ミュージカル「エリザベート」が世界的に大ヒットして、日本でも宝塚で公演が始まった時期にブームに乗って翻訳された「エリザベート」関連書の一冊らしいです。

この本に書かれている「シシィ」像の“逆張り”で、だいたいこの作品はできています。



白水社『ドイツ史1800〜1866 市民世界と強力な国家』

トーマス・ニッパーダイ著/大内宏一訳

ISBN:9784560098295(上)/9784560098332(下)


超絶分厚いドイツ近代史の本です。しかも三部作の第一部。第三部は出たばかりなのでいま読んでるところです。まあ、当作中世界では、アウスグライヒ早期成立以降は地球史とかなりいろいろ違うため、第二部以降は関係薄いので本作に反映されてるのは第一部のみになります。

「プファルツ」がところどころ「ブファルツ」になっていたり「プロイセン」を「ブロイセン」(これはたぶん一ヵ所だけですが)と間違っているなど(ほかに「パトス」がかなりの割合で「バトス」に化けています)、どうやら翻訳者の先生の手書き原稿を機械取り込みしてから、読み込みエラーをロクに校閲通さないで印刷してしまったらしい感じがあります。

内容としてはまさに「新しい古典」「金字塔」と称するに相応しいテキストなのですが、高額本なのだから固有名詞くらいはちゃんとしてもらいたかったですね……。



河出文庫『皇帝銃殺 ハプスブルクの悲劇―メキシコ皇帝マクシミリアン一世伝』

菊池良生著

ISBN:9784309412726


日本語でメキシコ第二帝政について書かれているほぼ唯一の本です。他の本は手元にあったというか、読書ゲージ溜まったので書くことにしたのですが、これは必要だと思って書き始めてから入手を試みました。ところがなかなか手に入らずあちこち探すハメに……。探した甲斐はある内容で、テイラー教授の本の次くらいに本文に反映されています。



講談社現代新書『神聖ローマ帝国』

菊池良生著

ISBN:9784061496736


神聖ローマ帝国の簡単な通史です。一冊ですませたい場合はこれがオススメ。



講談社学術文庫『怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史』

鹿島茂著

ISBN:9784062920179


このヒストリカル・ロマンスシリーズを書くにあたって、一番お世話になっている鹿島先生の本です。シリーズのほかの作品でも参考にしています。



講談社学術文庫『パリ万国博覧会 サン=シモンの鉄の夢』

鹿島茂著

ISBN:9784065289068


ナポレオン三世の産業振興面の事績を説明している本です。バルトポルテ三世の事業について書いているところは、この本が参考になっている部分もあります。



中公文庫『明日は舞踏会』

鹿島茂著

ISBN:9784122036185


19世紀パリ社交界の入門書です。純粋に読み物として面白い。



白水Uブックス『職業別パリ風俗』

鹿島茂著

ISBN:9784560721346


19世紀パリで生活していた、さまざまな職業人たちの横顔を紹介してくれる本です。



白水文庫クセジュ『サン=シモンとサン=シモン主義』

ピエール・ミュッソ著/杉本隆司訳

ISBN:9784560510308


ナポレオン三世の経済政策・社会福祉政策に大きな影響を及ぼした、サン=シモン主義についての本です。



岩波文庫『インディアスの破壊についての簡潔な報告』

ラス・カサス著/染田秀藤訳

ISBN:9784003580011


15世紀から16世紀にかけて生きた修道士ラス・カサスが、同胞スペイン人コンキスタドールの罪を訴えるために書いた捨て身の告発書です。実際には、スペイン人による虐殺以上に、旧大陸から持ち込まれた疫病が新大陸の人々の命を奪ったわけですが、人為的文明破壊であったことは間違いなく、これが当時の良識ある人間の目から見たひとつの「真実」であったことは確かでしょう。



白水Uブックス『第三の魔弾』

レオ・ペルッツ著/前川道介訳

ISBN:9784560072011


スペインコンキスタドールによるアステカ征服が題材の小説です。ファンタジー要素が混じっていますが歴史的にはほぼ正確だそうです。



ちくま学芸文庫『1492 西欧文明の世界支配』

ジャック・アタリ著/斎藤広信訳

ISBN:9784480092588


大航海時代以降、いかにヨーロッパ列強が世界を牛耳ったかについて書かれているグローバルヒストリーの本です。これ系の本は『ヨーロッパ覇権以前(岩波現代文庫)』とか『銃・病原菌・鉄(草思社文庫)』とか、ほかにもけっこうありますが、一冊で収まっているのでとりあえずこれを載せておきます。



中公新書『ビスマルク』

飯田洋介著

ISBN:9784121023049


鉄血宰相ビスマルクについて簡単にまとめてある本です。wikipediaのビスマルクの項目のほうが詳しいのでは……?感も若干ありますが、いちおう紙の本として。



岩波新書『南北戦争の時代 19世紀(シリーズ・アメリカ合衆国史2)』

貴堂嘉之著

ISBN:9874004317715


南北戦争前後のアメリカ史の本です。



ちくま学芸文庫『女王陛下の影法師』

君塚直隆著

ISBN:9784480511645


イギリスの国王秘書官についての本で、当作中でのイギリス相当国であるブライトノーツは背景でしかありませんが。君主と議会や国民のあいだの橋渡しをする官房スタッフの実像は、他の国でもある程度は共通しているものがあると思います。



ちくま学芸文庫『近代ヨーロッパ史』

福井憲彦著

ISBN:9784480092991


18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパの近代化について、思想、技術、人口動態などの総合的観点から一冊でまとめてくれている本です。



ちくま学芸文庫『移民の歴史』

クリスティアーネ・ハルツィヒ|ディルク・ヘルダー|ダナ・ガバッチア著/大井由紀訳

ISBN:9784480512192


自主的なもの、強制的なもの、積極的なもの、やむにやまれず行ったもの……さまざまな「移民」「移住」に関して、個別事例を取り上げながら、体系化を試みている実験的な論文をまとめた本のようです。読んだ感想としては、自由移民、グローバリズム肯定を前提とした、論点先取のロジック(近年のアメリカでしきりに議論されている「不法」移民問題に対して国境解放主義を擁護するために)で書かれているきらいがあるようにも思えましたが。



ちくま学芸文庫『カリスマ』

C・リンドホルム著/森下伸也訳

ISBN:9784480510594


事例は20世紀以降のものが中心になっていますが、いわゆる「カリスマ」が人々を惹きつけ、狂信的支持を得るという現象は時代を問わないと思います。



光文社新書『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』

中野京子著

ISBN:9784334034696


光文社新書『名画で読み解くプロイセン王家12の物語』

中野京子著

ISBN:9784334045395


光文社新書『名画で読み解くブルボン王朝12の物語』

中野京子著

ISBN:9784334035662


光文社新書『名画で読み解くイギリス王家12の物語』

中野京子著

ISBN:9784334043131


光文社新書『名画で読み解くロマノフ家12の物語』

中野京子著

ISBN:9784334038113


ヨーロッパの各王家について「名画」という観点から語るユニークな切り口のシリーズです。浅く広い取り上げかたで薄味ですが、本として面白いのでオススメ。



岩波文庫『開かれた社会とその敵』

カール・ポパー著/小笠原誠訳

ISBN:9784003860250(第1巻上)/9784003860267(第1巻下)/9784003860274(第2巻上)/9784003860281(第2巻下)


20世紀哲学の巨匠ポパー晩年の力作です。哲学書ではありません。第二次大戦中に、ナチの脅威、さらに戦後欧米の敵となるであろう共産主義への警戒を訴えるために書かれた本ではあるのですが、プロイセンのマキャベリズムを理論的に支えた、新プラトン主義やヘーゲル哲学に対する批判書ともなっています。本作中では、プロジャとその指導者ディズマールの政治手法ですね。

なお作者は個人的に、哲学者としてのポパー教授のことがあんまり好きじゃないです……。ポパー教授の噛みつき対象にされていたウィトゲンシュタインの肩を持ちたい。



ここから年内完結を目標に進行していきますので、是非是非最後までお付き合いいただけますと幸甚です。

目標期限ブレイクしても、絶対に完結まで書くことだけは保証いたします。

好き勝手やりたくてやってることですからね(本のカタチした鈍器を抱えながら)。

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― 新着の感想 ―
[一言] おかえりなさい! しかも、再開1発目は資料集とか、大変嬉しいです。 こちらは随分と過ごしやすくなってきました。 お住いの地域ではいかがですか? 作者様のペースに合わせて読ませていただくので…
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