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第五話 

 


 魔力放出によるMPの強化を一度終えた俺は特に休憩を挟むこともなく、再び魔力放出によるMPの強化を始めていた。


 じわじわとしたMPの消費では疲労感もほぼなく、ラノベを読み続けていた感覚だったので、集中力もある。


 ラノベをずっと読むだけでなく、折角なので今度はテレビを見ながら魔力放出を行うことにした。


 テレビの多くは世界から姿を消すように思われたが、テレビでインターネットが使うことが一般化したため、未だにリビングの中央にはテレビが存在している家も多い。


 我が家(と言ってもマンションの一室だが)にも昔に勢いで買ったテレビが残っている。


(とりあえずニュースをつけてっと)


『今日の午前11時30分頃、北海道の札幌ダンジョンの最高到達階層が三階層更新され、58階層になりました。攻略した探索者チームは北海道を中心に活動するAランク探索者クラン【明星(あかぼし)】のチームであるとのことです』


「へえー、明星ねえ」


 日本はダンジョンの数が非常に多く、世界有数のダンジョン大国と呼ばれている。


 そんな日本には多くの探索者が存在しているが、トップクラスのクランである、Aランクのクランは少ない。


 その理由はAランククランになるための条件が異常なまでに厳しいためである。


 Aクランとなるには最高位探索者であるSランクの探索者が所属している上に、探索者の上位1%しかなれないAランクの探索者を三十人以上所属させないといけない。


 Sランク探索者は日本においても両手の指で数えられる程度しかおらず、Aランク探索者はレベルや実績、現在の活動状況で判断されるので現在時点における純粋な実力が求められる。


 例えば大怪我を負ってしまい、治療にかなりの時間がかかる場合はそれだけで、Bランク降格の要因になってしまう。


 どちらも引き入れるのが困難、というかSランクはほぼ不可能なので、日本国内にはAランククランはたったの三つしか存在していない。


 あとの二つは東京と大阪に存在しており、両方ともダンジョン攻略の最前線をひた走っていたはずだ。


『本日は特別ゲストとして【明星】に所属しているAランク探索者、淵田(ふちだ)(つばさ)さんにお越しいただいています。今日はよろしくお願いします』


『よろしくお願いします』


 カメラが二十代前半くらいの清楚な雰囲気の女性に向けられる。


(この女性がAランク探索者なのか)


 俺が知っているAランク探索者の多くが男性だったのだが、女性もこうして前線で戦っていると考えると、尊敬の念を抱く。


 見た目は普通の女性といった感じだが、ダンジョンという危険の権化のような空間、それもAランク探索者となれば潜ってきた修羅場の数もさぞ多いんだろう。


『この札幌ダンジョンの攻略階層の更新ですが、元々計画はされていたのでしょうか』


『はい、この札幌ダンジョンの攻略階層の更新は三か月ほど前から計画していました。札幌ダンジョン攻略に適したメンバーを揃え、装備を整えた上での攻略です』


『今回の攻略ではSランク探索者として有名な篠森(しのもり)(あおい)氏が不参加とお聞きしたのですが、本当なのでしょうか?』


『そうですね。彼女は我々クランメンバーと攻略するよりも一人で攻略した方が効率がいいので、参加はしていません』


 ニッコリと笑みを浮かべて言う。


 その笑みには何となくではあるが、威圧感が感じられた。


『で、では、次のニュースに移ります』


 アナウンサーが妙に青い顔をしながら言葉を発していく。


 先程感じたものは勘違いではなかったらしい。


(こわ)


 画面越しからでも威圧感を感じ取らせるほどなのか。


 俺はAランク探索者の恐ろしさに慄きながらも、特にミスすることもなく魔力放出という地味な鍛錬を続けるのであった。









読んでいただき、ありがとうございます。

読者の皆様方のおかげでブックマーク数も100に届きそうです。

重ねてお礼申し上げます。

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― 新着の感想 ―
Aランク探索者になるレベルや実績は満たしてるけど、もう枠埋まってるから誰かがBランクに落ちるか、探索者の母数が増えるまで待ってねーってなるん? そんなの探索者が納得しないと思うんですけど、、、
[良い点] ないです。 [気になる点] 魔法使いが刀使うなよ……杖使えよ。
[一言] インタビュー短すぎ!
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