第百四十五話
佐々木ダンジョン第二十六階層の攻略は順調に進んでいる。
先程、オーガと再び邂逅したが、より速く効率的に狩ることができた。
ヴァルはもとより、俺もオーガとの戦う時の距離感、間合いを把握でき、効果的に動くことができたからである。
(ヴァルとの連携はやりやすいな)
東雲がいると安心感はあるが、元々探索者としての経験がまだ不足している俺では、人数が少ない方がやりやすいのかもしれない。
それでも、より強力なモンスター、それこそ、Aランク探索者が相手にするようなモンスターが相手では、そうも言ってられないのは間違いないが。
ダンジョン内を進んでいき、次の階層にへと繋がる階段を目指す。
そこで珍しく、他の探索者を見かけることになった。
(四人組か)
探索者チームとしては至って普通の人数。
装備は統一感はないが、動きには高い練度を感じさせる。
一人が軽くこちらに視線を向け、会釈をした後、直ぐに他のメンバーと一緒に去っていった。
(まっそうだわな)
探索者同士がダンジョン内で接触して話したりすることはあまりない。
モンスターの情報などは開示されている為、事前に入手可能であるし、チームの特性に合った作戦を探索前に練っておくのが当たり前だ。
俺たちの場合は、異端も異端であり、下手に作戦を決めてしまう方が戦術の幅が狭まりかねないため、作戦を練ってはいるが、臨機応変に変えたりもしている。
「来るな」
歩みを止めずに進んでいくと、再びオーガの気配を察知する。
役割分担という面で考えると、索敵の存在の重要性がよく分かる。
索敵もしつつ戦闘にも参加し、素材の採取もするとなると、かなりの疲労が蓄積するので、複数人で探索するのは合理的であるというのは深く認識できた。
(こうやって、二人で探索すると、それはそれで発見があるものだな)
オーガの存在を視認すると同時に、【バインド】で動きを封じ、【アイス・カタパルト】を叩き込む。
これだけでは倒しきることはできないので、二人で間合いを詰め、ヴァルが攻撃をいなして、俺が魔刀で致命傷を負わせる。
「グッ」
追い打ちに【アイス・ランス】を数本叩き込み、確実に仕留める。
半ば流れ作業のように行われた、オーガとの戦い。
戦術が固まれば、巨大なモンスターと言えども、障害たり得ない。
(階段だな)
素材を剥ぎ取り、回復も兼ねて歩いて、ダンジョン内を進んでいくと、次の階層に繋がっている階段を見つけた。
「行くか」
「うん」
次の階層を攻略するため、俺とヴァルは少し緊張した足取りで歩みを進めるのであった。
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