何か起こるような
私にストーカーがつくようになって数日がたった頃、王宮内がバタバタしだした。これは、何かあるな。そんなわけで聡い私は恐らく背後に居るであろうストーカーさんに聞いてみた。もちろん周りにメイド仲間や貴族や衛兵が居ないのを確認してから。
「あの、何かあるんですか?王宮内がバタついてますが」
いる訳無いよな。と思っていたのに。
「はい!近々……」
居た。柱の陰からヒョコリとその白いケダモノは飛び出してきた。そして、唖然とした私を見てクエスチョンマークを頭上に表示している。
「え……どうされましたか?」
「怖いです」
「すみません。上司から目を離さないように言われてるので」
何故!私が何をすると。
「身体能力がメイドにしては異常なので、スパイの可能性を疑ってたのです。申し訳ございません」
なるほど。そんな風に見られていたのか。やっぱり、この身体能力はひけらかしちゃいけないね。
「えーと、話の続きなのですが、あまり大きな声で言えないのでちょっとこちらに」
そう言ってそこら辺の適当な部屋に押し込まれた。
部屋に入った瞬間鍵をかけられた。そして、窓の外や物陰に人が居ないか確認をしている。余程重要な事なのだろう。にしてもそんな簡単に私に教えても良いのだろうか?
「大丈夫ですよ。二度と日の目を見られないようになるだけですから」
ニコニコ顔で言われるから怖い。
「そ、そうですか」
「で、なんですが、近々姫様が離宮に行かれるんです」
「へー」
なんだそんな事か。
「なんですが」
ストーカーは続けた。
「どうやら不穏な気配が……」
「それは……」
「反乱分子ですね。最近動きが活発になっているのですよ。もしかしたら姫様も狙われているかも」
「それじゃあ、やめれば良いのでは?」
「姫様がどうしても行きたいと……」
わがまま言ったのか……
そして、白騎士は「この事は秘密に」と言って部屋を出ていった。
私も部屋を出てすぐ仕事に戻った。恐らく監視はついたまま。
(´;ω;`)ブクマ増えろ!