解放されたスカイウォーク
「何だアイツ」
「私はこれからどうなってしまうの」小槌は地面にしゃがみこんで途方に暮れたような声で言った。「殺すならいっそスカイウォークに食べられたい」
「そんな事はしない」アルエは面を外して言った。「ジャックインザボックス、スカイウォーク解放」
「待て! 今解放したら」俺は驚き叫んだ。
スカイウォークはジャックインザボックスの箱から飛び出したが大きさは手のひらほどの大きさしかない。「ほら」と言ってアルエは小槌に面を差し出した。
小槌は面とアルエを交互に見渡してから恐る恐る面を付けた。
「勘違いしている人が多いけれど、そもそもジャックインザボックスの能力は他の精霊を捕らえて使役する事じゃない。傷ついた精霊を一時的に保護して本来の姿に戻す役割を持っている。あんた達のステッラとかいう人の精霊も近い能力を持っていたね」アルエは優しい目をして小槌を見ながら付け加えた。「これは小槌も知らない事」
アルエはステッラに治療された事を覚えていた。確かにフィーリアには他の精霊や人の精を補充する力がある。だが、根本の能力は大分違う。
「スカイウォークは傷つき、精を大量消費する化け物になってしまった。だが本来はきっと誰よりも優しい精霊だった。なあ、小槌」
小槌はスカイウォークを愛おしそうに抱きしめ、肩を震わせながら言った。「私は嘘を吐いていたの」
それから小槌は語り出した。




