アルエの狙い
「その”ジャックインザボックス“という精霊に捕まった精霊は能力を勝手に使われてしまうという事だな」ステッラは腕を組んで悩ましげに言った。「ユユリの相手なんて私は嫌だぞ』
宿にある食堂に皆を集めて事情を話したが全員表情は暗い。小槌曰くアルエは体が弱く旅には向いていない。昨日エルシアに着いたばかりだからすぐに出発する事はないだろうとの事である。情けない話だが俺一人ではどう考えてもユユリを救出は出来ない。助力を乞うも皆一様にして表情は暗い。そこで先のステッラの台詞である。
「場所は分かっているのだな」リュウシュウハは小槌に尋ねた。小槌が頷くと深くため息を吐いた。「つまり待ち伏せしているという事だ」
「アルエの狙いは何だ?」俺は核心に迫る質問をした。このパーティは精神的に成熟した猛者ばかりである。あえて核心を後回しにして情報収集に勤しむ傾向があるのは偏見なく事態を見定める為である。頃合いを見て核心に迫る者が必要になるのだ。
「復讐なの。村を壊滅状態にした精霊を探している」
「ユユリはそんな事はしていないし、絶対にしない」俺はつい憤慨して口を挟んだ。
そう、その通り、と何度も首肯して小槌は言った。
「だってそれはスカイウォークが起こした事だから」
「とばっちりか」とステッラは呟いた。「人間違いならぬ、精霊間違いといったところだな」
「ごめんなさい」
そう言って頭を下げてから小槌は語り出した。




