新たなる仲間
指定した場所ーー、自然公園でハイオルトとバランタインに落ち合った。
「殺すな。以上」ステッラは全員が揃った所で簡潔に指示を出した。そして男達のアジトである宿泊施設へと向かった。
そこからは特筆すべき事はない。四人の戦闘特化型精霊がいるチームで普通の男達を捕まえられないはずはない。尋問して賞金の持ち合わせが無い事を確認してから組合員に連絡をとった。
「賞金が無いのにも関わらず人員募集したのは明らかな詐欺行為にあたります。そして渓谷奥地での禁制品であるパラダイスマンゴーの栽培ーー、これについては所持品の中に種子があった事が証拠となります。水み国内に持ち込む事も単純所持も刑罰の対象にあたります。そして貴方達自身にも賞金が掛けられていますね。シンアルの大使から先ほど連絡がありました」
ほとんど棒読みに近い声音で組合員は男達に告げた。背後には軍隊が控えている。男達は観念したようにうな垂れた。
後日組合から連絡があり、シンアル政府からの賞金が手に入った。巨人退治に提示されていた額には及ばないがそもそもあちらは存在しない賞金である。
「まあ、こんなもんだろう」ステッラはやや不満気に呟いた。「思ったよりも小物だったのが計算外だったが、旅費の足しにはなる」
「これで良かったのか? 拉致監禁、傷害、殺人未遂、いくらでも奴らに罪を加算できるぞ?」俺は自然公園のベンチに座ったハイオルトに問いかけた。
「おじさんに迷惑がかかるから」眠そうな目で彼女は言った。ハイオルトは宿根の後遺症で一日で数時間ほどしか起きていられない体になった。
バランタインはステッラの口利きでトリアルで職を探す事になった。
「紹介状なんて初めて書いたぞ。しかし技術的には問題ないから私の評判が落ちる事はない。手数料は後払いなんて我ながら懐が深い」ステッラは自慢げに語ったがおそらく皆「手数料を取るのか」という驚きを抱いていたと思う。
「お願いがあります」とハイオルトは言葉に力を込めて言った。「私も皆さまの旅に同行させてください!」
「確かにモズクの能力は戦力になる。だが肝心の精霊使いである君が起きていられる時間がな」リュウシュウハは遠慮がちに言った。
「寝ている間もモズクが私を浮かせて移動出来ます! 皆さまに迷惑はおかけしません!」
眠った少女が浮いたまま同行する様はさながらホラーである。だがユユリも時に似たような事をするので俺が言えた義理ではない。
そしてハイオルトはまだステッラとフィーリアによる治療が必要な状態にある。このまま同行させて治療していく方が確実であるとステッラも言っている。
「粗方治したが、まだ調整が必要だ。調整次第では起きていられる時間も伸びる。ただ、我々の目的を知ってなお同行したいというのなら理由を言ってもらいたい」
ステッラはどこか愛情深い眼差しを込めて言った。おそらく彼女の理由を知りつつ言っている。
「ア、アシュリアを蘇らせたい、と思っています」ハイオルトは伏し目がちながらもハッキリと言った。「カムイさんの望みに便乗しているみたいで失礼かもしれませんが」
「いや、俺は気にしていない」気持ちは分かる。否やを唱える理由は無い。
「連れて行くなら条件があるよ!」
意外な人物から申し出があった。ユユリである。




