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ハイオルトの楽園

小屋の中は薄暗く、一つきりの窓にはカーテンが敷かれていた。木製の机が一つと同じく木製の椅子が二つ、そしてその奥にはベッドがあった。そこに女の子は横たわっていた。そしてその手前には男が立ち尽くしている。猟銃は床に放り出されている。


「やあ」振り向いた男は言った。「君たちがハイオルトを解放してくれたんだね」


そう言って男は深々と頭を下げた。


「俺の仲間がした事で俺が手を下したわけじゃない」何とは無しに言い訳じみた言い草が我ながら嫌だった。


「同じ事だ。この『ハイオルトの楽園』を滅ぼしてくれてありがとう。もう時期ここは元の荒野に戻る。そして彼女はそれと同時に息をひきとる。だから」男はおもむろに猟銃を拾った。「早くここから出て行ってくれ。俺は彼女達の葬式を挙げたいんだ」


質問したい事と言いたい事が山ほどあった。だが彼の手に握られた猟銃の銃口はこちらを向いている。


「出て行くよ」俺は即座に言った。


「カムイ!」ユユリは悲痛な声をあげた。


優しいユユリ。君はその小さな体にいつも他人の為の涙を大量に溜め込んでいる。俺はそれが流れるのを何より厭う。だからそんな顔をするな。


俺はユユリの頭に手を置いてから言った。「だが、その子も連れて行く」


「俺は暴力が嫌いだ。人を殺すのも嫌だ。だが、ハイオルトには静かな眠りが必要なんだ。これ以上この子が苦しむ姿を見たくない」男の頬には涙が伝っていた。


同じだ。この男は俺と同じでただ女の子が苦しむ姿を見たくないだけなのだ。


「その子は助かる」ステッラの治療はまだ途中のはずだ。


「そう言って彼女が慰み者にされたら、俺は自分を許せない」


当然か。見ず知らずの人間に大切な人を預ける馬鹿はいない。


ならば一緒に来てくれないか。治療できる仲間がいる、実際、蔦から解放させたのも俺たちの仲間だ、と伝えたかった。


その前に外に待機していた巨人が小屋を半分叩き潰した。









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