展開早っ!
「テミスちゃんはここで捕まったんじゃ無いの?」
「捕まったのはここ。でも、ウチは違うところにある。」
「ウチは………近くに有る?」
「遠い所。うんと遠い所。
雪が降ってて………でも、名前が解らない…………。」
弱ったな………流石にこれが私の居る世界だったらどんな秘境だって徒歩でイケるけど…流石に異世界はキツイ。迷う!場所のヒントが雪だけって…結構難易度高くない?
でも、かと言ってここまで連れて来たんだから、流石に『はいさようなら』する訳にはいかない。
どうせなら家に帰してあげたいんだけど……弱ったな……
話は変わるけど……ココ、何の建物?
建物の中は体育館みたいな柱の無い広い空間だった。
天井の高い建物で、手前にはテーブルと椅子が有り、そこにちらほら男達が座って酒盛りをしていた。
奥の方には銀行みたいな受付が有って、女の人が座って色々な人の対応をしていた。
その横にはボードが釘で壁に打ち付けられて、幾つも張り紙が張られていた。
控えめに言ってごちゃごちゃ。意味が解らない。
更に気になる事が幾つか。
そこには背中に1m弱の大きさの剣を背負った大男が居た。
そこには腰に4本の短剣を差した青年が居た。
そこには1mくらいの杖を持った老人が居た。
そこには鎧に身を包んで槍を持った女の人が居た。
ここ、何?人間のジャンルが明らかに統一性無くない?
前に貸して貰ったハンティングゲームにこんなトコが有ったけど……………。ギルド?イヤ、何のギルド?
「テミスちゃん、ここって……何なの?」
「お姉ちゃん…えぇっと…」
名前を呼ぼうとして多分詰まっているのだと気付いて私から名乗る。
「私の名前は八坂八華。
好きに呼んで良いわ。」
「……じゃぁ、ハッカお姉ちゃん。
あのね、ここは冒険者ギルドってとこなの。」
「あ、ゲームで聞いたことが有る場所。
ここでクエストを受けてそれを解決して報酬を貰うってトコ?」
「そう、そんなトコ。
お姉ちゃん、冒険者さんに私の場所を訊きに来たんだと思ってたんだけど………違うの?」
ゴメン、全然違う。
テキトーに座れるトコって思って来ただけ。
そうだったんだ…………あ、待ってよ。
「ねぇねぇ、テミスちゃん。私も冒険者に成れない?」
いきなりの質問でテミスちゃんは面喰ったみたいだけど、直ぐに答えてくれた。
「多分、成れるんじゃない?ハッカお姉ちゃんくらいの冒険者、一杯居るし……。」
よし!
「じゃぁ、ねぇ?冒険者って……人を送り届ける仕事も出来るんだよね?」
「うん、護衛って事で………。」
よし、決まった。
「テミスちゃん。決めた!」
「ン?何を?」
「私、冒険者に成るから。
テミスちゃん。私に依頼して!」
雑!
まぁ、バーサーカーガールに緻密さが無いのは……多分皆さん知ってますか……。
なら…良いですかね?