これは決してやましいことはありません。医療方法です
ん?ここは一体?
見渡す限り暗い。
たしか、ワタクシは大きな鯨に呑まれたんだったわね。
ここは鯨の胃の中?
ポケットのマガジンを見る。
「別に火薬を使ってるわけじゃないから、使えるかしら?」
でも電撃のマガジンも使えたわけだから、水の影響うけるんじゃないかしらね?
――――――カチカチ
予想通り発砲することができなかった。
一応、光属性のマガジンもあるのだけれど、威力が高すぎて銃口が使い物にならなくなるって言ってたから、最後の一撃に使うように言われたっけ。
「でも真っ暗で何も見えないわよ!」
移動しないという選択肢はない。
もしこれが鯨と同じだとしたら、メタンガスが溜まっているはず。
そんな環境下に長く居るのは得策ではない。
ミホを探さないと。
マトリョーシカの中から出ないといいんだけど。
「あああーあ」
『あああーあ』
音が反響してる。
音が反って来る時間で、場所とかを判断するかしらね。
とは言っても正確ではないんだけど。
歩き始めるとぶよぶよとした地面にバランスを崩しそうになる。
何分か歩くと、反響が中途半端に早く帰ってきたりした。
なにかあるんだ。
近寄ってペタペタする。
臭いから鉄かしら?
もしかしてマトリョーシカ?
「いやこれは・・・」
さっきのサメ!?
死んでるの?
噛み跡がある。
ってことは何かに噛み殺された?
「グルルルルゥ!」
「き、きゃああ!」
唸り声が聞こえると、目の前には魚の頭をした人間がいた。
ちなみに雄ね。
なぜわかるか?
だって人部分がすっぽんぽんで息子が見えてるんだもの。
そっちで思わず叫び声を上げてしまった。
ワタクシは光の息子にしか興味が無いし、濡れもしない。
「グルガァァァ!」
速っ!
咆哮と共に高速で移動する魚人。
黒色のマガジンで発砲する。
単純な弾丸だけど、その分速度が速い。
予測での発砲だからこそ速度に重きをおいた普通の弾丸を選んだのだけれど、速すぎて捕らえきれない。
暗いこともあって、目が慣れてきても完全には捕らえきれず、どんどん傷が増えていく。
だったら・・・
「あーぁ!」
『あーぁ!』
跳ね返りの音で移動場所を聴力で計算する。
さっきそれを使って移動していたおかげでよくわかる。
うんうん。
手に取るようにわかるわ。
速いけど、これなら。
――――――パパパンッ!
前方にそのまま三連射。
脳天は狙ったつもりはなかったのだけれど、胸と脳天をぶち抜いた。
「ふぅー。でもこんなのが鯨の中にいるのなんておかしい」
だとしたら?
よく考えれば、この鯨はミホが作った大きな鯨だ。
もしサメも作った生き物だとしたら?
よく考えれば作られた海水の中に生き物がいるのはおかしい。
まぁゲームなんだからと言われたらそこまでなんだけど、あの魚人も作った存在だとしたら合点がいく。
ぶよんぶよんと足音の様な物が聞こえる。
「クリエイトファイア」
炎を作り出したんだ。
ミホが目の前に立っていた。
周りを見渡すと、こちらの方を見つめてきた。
一つ腑に落ちない。
あのまま灯りをつけなければ、ここでは有利だったのに。
それともそこまでの考えができない?
「クリエイトマグマ」
正解したくはなかった。
よく考えたらここにはメタンガスがないのだろうか?
炎を使ったというのに爆発しない。
でもそれ以上の問題をこの子が、というよりあの馬鹿神がしでかした。
こんな鯨の中でマグマなんか作ったら・・・
――――――ウォォォン!
鯨の鳴き声ね。
ホントにやってくれるわ。
「ミホ!」
マグマを凍らせる。
この際この鯨がどうなってもいいわ。
もしかしたら、鯨の潮吹きに巻き込まれるかもしれない。
漫画のように現実という物は甘くない。
実際に鯨の潮吹きに巻き込まれたら、入り口ででれずに圧迫死が落ち。
いやそれ以上にどこかの臓器に詰まる可能性だってある。
「クリエイトウォーター」
このタイミングで水!?
ワタクシの目に直撃するなんて。
「くっ!目がぁ・・・」
一瞬でも水が入れば、誰しも目を瞑って仕舞う物だ。
そして渦潮が発生し始める。
息が難しくなるし、どうにかして掴まないと。
マトリョーシカが近くに見えないし。
「クリエイトサブマリン」
音は聞こえた。
そうよね。
いつでも作れるわよね。
あーもう!
だったら全力で渦潮の流れに巻き込まれようじゃないの!
さすがに二回目なら気絶はしないわ。
マトリョーシカに取りついて、渦潮に呑まれていく。
マトリョーシカがあるなら、もしかしたら入り口を突き破ってくれるかもしれない。
そして予想通り突き破ってくれて、空中へと投げ出された。
「眩しいわ」
わたしは水色のマガジンに入れ替え、水の噴射で空中に留まる。
「クリエイトエアー」
空気を作ったのかしら?
ミホは空中で着地するという謎の現象をやってのけた。
「ミホ!目を覚まして!」
「・・・キャ・・・ロ」
「ミホ!?」
「クリエイト・・・マグマ」
ちょっとだけ反応があった。
大進歩ね。
もしかしたら一度気絶させれば、洗脳は解けるんじゃないかしら?
どのみちこんな海で闘うわけには行かないから、ゲームを停止させるか破壊しないと。
「ごめんねミホ」
わたしは噴射の勢いで降ってくるマグマを躱し、もう片方の腕を思い切り前に掲げて、腹を殴った。
「グフ・・・」
目が虚ろだけれど気絶は・・・しないか。
ふらふらしている。
だったら首を叩いて気絶させる。
「クリエイトドラゴン!」
ドラゴン!?
――――――ザヴァーン
海面からその音とともにドラゴンが現れた。
くっ!このタイミングでか。
銃がないと空中に居ることはできないのだけれど仕方ない。
「1発で決めるわ!」
わたしは光属性のマガジンをリロードし、ドラゴンに向かって発砲した。
――――――ギュイィィン!
光のビームがドラゴンを真っ二つにし、自由落下していく。
とんでもないもんつくったわねあの男!?
まさかこうも簡単に殺せると・・・
「銃口も使い物になるからどうしようか考えてなかったわ」
瞬間移動を連続で行うしかないわ。
コスパが悪いけど、この銃を持ってるからSPはそこそこ増えてるし。
ミホの目の前に行くが、呆けていた。
え?
余りの光景に驚くならわかるけど、なんで驚いた顔をしているの?
洗脳させられてるのに。
「ど、ドラゴンを一瞬で・・・」
「お前は誰だ!?」
「し、しまった!?」
ミホではない。
とすると神か!
神バースか!
「あんたはバースか!」
「やってしまいましたよ。つい、今の光景に驚いてしまいました」
やはり。
だったらなおのこと気絶させてしまえば良い。
一瞬で後ろに瞬間移動し首を叩く。
身体が崩れ落ちる音がする。
「ふふふっ。この身体は実によかった。だがどうやらピンチのようだ。わたしはこの身体から出ていくとするよ」
するとミホがナイフを手に持っていた。
出ていったのに何をする気!?
「バースサマバンザーイ!」
そしてナイフを自らの胸に突き刺した。
「嘘!?ミホ!?」
出血がすごい・・・。
何よりもミホが死にかけていることがおかしい。
ステータスを解析するけどHPが徐々に減っている以外は変わってない。
でもこのまま死んだらコンティニューできなかったら?
ミホは死んじゃう。
ポーションを飲ませようとするも息ができていない。
「ミホ・・・」
しょうがない。
空気の足場がまだ消えてない間しかない。
海なんかに落ちたら傷が止まらなくなるかもしれない。
ポーションを口に含んで、ミホとキスをした。
一読ありがとうございます!
や、百合展開キタァァ!
いいえ!タイトル通りやましいことはありません!
そしてピエロはやましいことだらけ
恋人とホテルに行きたい




