その隠密行動。みんな大好き大隊長直伝!
明石が実証してくれたから、言われたとおりゲームを壊せば良い。
そのはずなんだけど、まず――――――
「ここはどこだぁぁぁぁぁぁ!」
響き渡る声。
外にいるのに反響音がすることからして、ここはそこまで広くないのだろう。
周りには何も無く、目の前には大きな学校みたいな建物。
でもどう見てもこれは廃墟でしょ。
どうしようかしら。
「取りあえず入ってみましょうか」
入ってみると外のイメージ通り廃墟だった。
教室なんかは原型がわからないくらいボロボロね。
んー?
ここは職員室かしら?
なんかこの部屋だけ少し綺麗ね。
段ボールも結構綺麗だし。
「でも天使居ないわね」
一応、隆二が開発したソナーと言う魔法を唱えてるんだけど、反応が無い。
まさか閉じ込められた!?
この世界に閉じ込められたとしたら、やられたとしか言い様がない。
ソナーにも引っかからないし、その可能性が高い。
だったら脱出方法を見つけないと。
とりあえず、この廃墟内を隅々まで調べよう。
――――――ガサッ!
「なにっ!?」
後ろを振り向くと、カードが一つ置いてあった。
なにこれ・・・?
カード?
するとカードが光りだす。
現れたのは、緑色がして両手をピンと下向きに伸ばしてカエルのように足を曲げている獣。
あーこれ前漫画で見たわ。
これは天使が変身した姿?
「たしか、グ〇ムリン?」
「ピヤヤヤ!」
悪魔なのよね?
だったらセイクリッドエクソシズム!
「ア、アアアアアアアアアアアアア!」
「耳が痛い!」
でも悲痛な叫びのあとに消え去った。
あっけないわね。
でもあれが天使とは思えない。
仮に天使だとしても、死んだらコンティニュー音が聞こえてくるって言ってたから、コンティニュー音もしないし天使じゃ無いことは明白だ。
悪魔を天使が操るってなんか笑える。
「またカード?今度は何が出るのかしら?」
今度は獣じゃなくてイケメンね。
魔法使いかしら?
「我は黒魔術師!名前はまだない!」
へ?
名前はまだないって何?
ないならないでいいじゃないの!
まだって何よ!
モヤモヤするわね。
「我が主人の命令だ!貴様を滅する!」
そう言うと何かを唱え始める。
黒魔術か。
確かあれはアイアンメイデンを出す魔法ね。
「黒魔!「鋼の棺」」
同時に私と彼の横に2つ棘のついた棺が出現した。
「なんだと!?貴様はわたしとは逆の白魔術師なはずだ!なぜ黒魔を使える!」
まず魔術師じゃないわ!
聖の反対は魔属性。
つまり闇魔法になる。
まぁ聖騎士としてのプライドなんか、もう微塵もないからどっちでもいいけれどね。
「どっちでもいいけれど、防がないと串刺しよ?」
そして2つの棺、アイアンメイデンが閉じられようとする。
私は右に一閃。
魔法と組み合わせた斬撃を飛ばして片側を上から半分なくす。
そしてそこに向かって飛び込み交わした。
「アァァァァァァ!」
私が唱えた方のアイアンメイデンは完全に閉じられることはなく、右腕だけがはみ出しバタバタと足掻いていた。
「い、いだい!いだいよぉ!だずげでぇ」
顔は隆二ほどじゃないけど、惨めね。
隆二だけじゃないわ。
豚だってあんな台詞はかない。
恥ずかしいわね。
「そんな恥さらしてまで生きるの恥ずかしいでしょう。さっさと死ねよ」
血がドバドバと流れてくる。
でもこれだと止血されるのよね。
私はアイアンメイデンを消し去った。
「回復士を呼んでくれぇ!ポーションを!」
聞くに耐えないわ。
ひと思いに頭を潰して、息の根を止めるよりこのまま苦しませましょう。
「さようなら。名無しさん」
「ま、まてぇ。ここで放置していくのか!」
当然でしょう。
天使の仲間なんだから。
しばらく歩いていき外に出た。
わたしがいたところの反対側だ。
ここは校庭?
――――――ガサガサガサ
後ろから音がしたので振り向く。
すると1つの段ボールがあった。
「今度はカードじゃなくて、段ボール?」
蹴り飛ばすがわりと重い。
そーっと段ボールを持ち上げた。
というのも、段ボールの中身が散らばっていそうな感じで、底側が開いていたからだ。
段ボールを持ち上げてみると、一人蹲っている人がいた。
この人は男性?女性?
わたしが段ボールを開けると首をカクカクさせながら見上げてくる。
「!」
「ひぇ!?」
変な声出しちゃった。
なんか変な音と共に眼帯とバンダナをつけ始める。
「ま、見つかってしまったな!ま、ま、ままずはわたゃしの試練を乗り越えてみよ!」
なんか可愛い。
どうやら幼女みたいだ。
中性な顔立ちなのも子供だからかな?
「なんだその目はぁ!こにょぉぉ!」
カードを叩きつけると巨大なドラゴンが出てきた。
金の眼をした黄色のドラゴンだ。
「ゴーデン!いっけぇぇ」
警戒心をかなり上げないと。
わたしが見てきた中でも、このドラゴンのサイズは異常だ。
咆哮、ブレスが来る!
「身体強化!」
わたしは今、異常な速度が出てるはず。
ならば避けれる。
金のドラゴンのブレスはとても恐ろしい。
廃墟だった建物を金に換えてしまった。
恐らくわたしが直撃すれば耐える耐えない以前に即死。
まぁ、当たればだけど。
「アァァァァァァ、ボァ」
案の定体力切れで、ドラゴンがガス欠する。
その隙をわたしは見逃さない。
すぐさまドラゴンの首を切り落とし、絶命させようとする。
――――――カキンッ!
しかしさすがは金のドラゴン。
硬くて受け止められる。
「工夫して斬らないとね」
「無駄なのだ!ゴーデンは強いから効かないのだ!」
たしかに正規の方法じゃ、どんなに頑張っても剣が折れちゃう。
でもね、こっちだって数々の修羅場をくぐり抜けてきたのよ!
「聖魔法!マガトギ!」
マガトギは内部から回復していく聖魔法。
なぜ回復させるか?
こうするためよ!
「聖魔反転!」
これで聖魔法は闇魔法へと切り替わる。
聖魔法は基本的に回復するのに対し、闇魔法は破壊系が多い。
は聖属性と魔属性の本質がそれぞれ、元に戻すのと原型を変えるものだからと言える。
ならマガトギが聖から魔に変わればどうなるか?
外部には全く傷をつけずに、首の神経が全て断ち切れる。
――――――ドスーン!
もちろんそんなことすれば、ドラゴンと言えど息の根が止まるしかない。
「ど、どうしたのだ!?ゴーデン!しっかりするのだ!」
どんなに話しかけても無駄よ。
何せそのドラゴンは死んでいるのだから。
「う、うっ・・・ゴーデン?死んでしまったのか?」
涙目を浮かべている。
ちょっと困るわその反応。
「うわぁぁぁん!」
泣き出してしまった。
天使なのに中身まで幼いわ。
――――――ズドドドド
「なんの音かしら?」
しばらくすると校庭には大量の段ボールが展開していた。
間違いでもなんでもないわ。
大量の段ボールが展開されていた。
先程コナエルが入っていたような感じで。
「皆の衆!あれはゴーデンの仇なのだ!絶対にコロセェェ!突撃ぃぃ!」
すると段ボール達が一斉に立ち上がり、足だけが見え、こっちに迫ってくる。
何あれ怖い。
「焔の大団円!」
とりあえず段ボールだから燃やしてしまおうと炎を撃つ。
しかし炎を弾いてしまった!?
「無駄なのだ!この段ボールは耐熱仕様!たとえファイアドラゴンと言えど燃やし尽くすことはできない!」
そんなに炎に強い段ボール需要あるだろうか?
処分に困るだけじゃないかな?
一読ありがとうございます!
ついにきましたコナエルさん!
天使の名前の由来は、お気付きの方はいらっしゃるのではないでしょうか?




