忘れてると思うけど今は文化祭中だよ!大きさは何よりの強みだよね!
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名前 パピヨン・佐川 19歳
レベル1900
ジョブ 聖職者
状態 健康
HP991825/991825
SP894623114/99999999
筋力46596562
俊敏14658134
技量9999999999
スキル
身体強化 限界突破 残機+1 無詠唱 SP還元HP 翻訳
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笑っちまうよ。
さっきまでと全然違うステータス。
ほとんど僕より上じゃないか。
スキルを封印して起きたかった。
「君、性格悪いだろ?」
「はて?どうかのぉ」
白々しい。
このステータスを最初から表示しないなんて。
しかも彼女は魔道士タイプ。
聖職者だって?
聖職者の筋力がこんな化け物になるわけない。
どの世界も共通で腕っ節を鍛えることは神への冒涜と考えられてるんだから。
「すっとぼけやがって。まぁ仕方ないよね。こっちにはまだ不死が残ってる。気長に闘うよ」
「ふむ。まぁ不死が必ずしも良い結果を生むとは限らぬがのぉ」
それでもステータスが抜きん出てバカな彼女に対抗する手段はこれしかないんだ。
勝ちを模索することが決して悪いことではない。
「レーザーチャージ!」
「それはもう見抜いたわ!」
そう言うと彼女は扇子をパチンと閉じる。
やっぱり聖職者とは思えないスピード。
そして頭に重たい物が降ってきたような痛みが生じる。
「いってぇ!鈍器かよ!」
「ふむ。鈍器ではないな。ほれ」
頬が切り裂かれる音。
この身体はロボットの身体だから、血こそ垂れないものの痛みがある。
「このように刃物にもなれる」
「隔たる力の差は、数値以上にあるようだな」
「はて?どうかのぉ?ふふふっ」
またすっとぼけやがる。
管理者権限で武器だけでも強奪するしかないな。
あれ?管理者権限と口にできない!?
まさか!?
「封印・・・まさか」
「お主の考えてることはお見通しじゃ。スペルシールの対象を封印から管理者権限に切り替えた。これでお主は、この世界でのアドバンテージが不死のみとなったわけじゃ」
「このクソアマ!」
「どうしたのじゃ?化けの皮がはがれるたようじゃのう?口調が荒々しくなっておるぞ?」
チッ!
やられた。
冷静に考えれば封印以外でも管理者権限は使える。
そしてそれをこのタイミングでやって来る辺り、正確に人の心を読める性格の悪い相手。
「なるほど。君たちの中で一番非情なのは君だって事がよくわかったよ」
「お褒めにあずかり光栄じゃ、天使様?」
そのにやけかたをやめろ。
レーザーチャージがダメならチャージしなければいい。
威力や速度が落ちるが、連射はできる。
「威力を殺して連射にしおったか。悪くない選択じゃ」
横に走ることによりすべて避けられてしまった。
ならば撃ちながら、僕も横に走る。
同じ方向に手前辺りに打ち始める。
隙ができたら、目の前に斬りつけに行けば良い。
「ほぉ。さっきの予想外と言う言葉はあながち嘘でもないようじゃ。儂の魔法を剣で撃ち落とすとは」
「あのモンスターを倒せるのは伊達じゃ無いんだよ」
「そのようじゃのぉ。どこまで持ちこたえられるか見ものじゃの」
舐めないでほしいな。
持ちこたえるどころか殺すよ。
それが主の意思だからね。
僕はバース様に作られた。
その恩を返す。
そしてここからは激しい戦闘がくり広げられる。
僕がレーザーを放てば、あちらは光魔法で相殺。
高速でこちらに近づいてくるから、僕はカットスティールで裏に回り斬りつける。
しかしそれは読まれていたので、全く見ることもなく扇子で受けとめられる。
ならばとそのまま背中から蹴り飛ばそうとする。
直撃したが手応えがない。
吹っ飛んで勢いのまま切り替えて向き直り、扇子を開いたかと思うと竜巻が巻き起こる。
そして石や岩を生み出す魔法を使い、竜巻を入れることによって石や岩の対処をしなければいけない。
それからも攻撃が収まることが無く、次は炎の弾が爆発。
爆発自体はそこまで威力はないが息がしにくくなっているのに、平然と扇子を振り回してくる。
避けるのがやっとで離脱し酸素を吸った。
しかし次には氷の弾を生み出す。
1発でも刺さればそれだけで隙が生まれる。
そのような魔法を織り交ぜた近接戦が繰り出される。
剣を千本生み出すサウザンドソードだったか?
それと組み合わせた体術の応酬。
剣が降り注ぐ中、その剣が術者に当たるようなことはなく、扇子と剣が鍔競り合う。
とても扇子が生み出すような威力じゃない。
斬撃のようなことはしてこなかったが、それでも鈍器を思い切り振りかざしたかの様な威力がある。
バース様は一体何を相手にしようとしているんだ?
よく考えれば、歴代でもかなり高い方の実力を持つ天使のイトナとメモリを倒した奴らの取り巻きなんだ。
これくらい当然の結果だろうね。
残念ながら僕らでは彼女たちには逆立ちしても勝てないんだから。
気がつけば、僕は片膝を突いていた。
「ハァハァ。君はジョブ聖職者って言うのは嘘だよね?はぁはぁ・・・こっちは疲弊しながら闘ってるのに、息一つ乱してないなんて」
「そうじゃのぉ。残念ながら当の昔に神への信仰は忘れたからのぉ」
「君があのゴミ女神からされたことは聞いているよ。その節は悪かった。今からでも主のことを信仰しないかい?」
「お断りじゃな。それはムシでもうこりごりしておる。それに聞いておるといったか?」
さっきまで淑女の様に笑顔をしていた表情が一気に冷たくなる。
言葉選びを間違えたか?
「聞いておるならそんな戯言を言うはずがなかろう。どうせ色を付けて報告されたんじゃろうな」
そんなバカな。
たしか、あのばか女神が勇者を嗾けて佐川隆二を殺そうとしたと聞いたが。
「あのムシの所為で儂ら亜人種は滅亡の危機に陥っていたんじゃ。母様も親父殿も人間に殺されたが、あのムシが亜人を魔族の変異種認定した所為でのぉ!」
佐川だけじゃなかったというのか!?
だがまぁ、その程度神の些事では仕方の無いこと。
「それは痛み入る。だけど神は偉大な御方。それは貴女達の試練だったんだ。やり方には胸を痛めるが――――――」
――――――ボトッ
ビリビリと右腕から音がする。
「貴様!」
「聖職者みたいな事を言うでない。うっかり殺してしまいそうになったわ」
悔しいが反応できなかった。
他にも問題がある。
右腕がなくなったと言うことは剣が持てなくなったということ。
「気に触ったことは謝るよ。あーこの手は使いたくなかったんだけどなぁ」
「この手じゃと?」
僕がこのゲームのラスボスを倒したのは実はまだ三日前。
そして記念に取っておいた死体がある。
「来い!ラーシャーロウ!」
ネクロマンス。
死体を操るスキル。
残念ながら僕のスキルは人間には適用できないが、これだけでかいモンスターを操れるなら御の字だろう。
――――――ドスン。ドスン、ドスン
「ほぉでかいのぉ」
ドラゴンゾンビだ。
大きさは18階建て高層ビルよりもでかい。
こいつを倒すのに1時間はかかったんだ。
苦労した。
それだけ苦労するだけレベルを上げたステータスでも、あの女には勝てなかった。
けれどラーシャーロウと協力すれば勝てるかもしれない。
「そんなのが一体増えたところで戦力差は少ししか埋まらぬぞ?」
「なら二体ならどうだ?」
「なんじゃと!?」
初めて焦りのような声が聞こえる。
もちろん二体目を殺したわけじゃない。
二体目は――――――
「う゛ぉぉぉぉぉぉ!」
「ラスボス戦のラーシャーロウだ。もちろん俺にもヘイトは行くが、俺のしもべの方はお前しか狙わないぞ」
「さすがにこの二体とお主を相手にするのは、骨が折れる」
勝てないとは言わないんだな。
俺も一度転生しておこう。
――――――ビューン!
<You die!Continue?>
Yes/Noと言う文字が目の前に出てくるので選ぶ。
<OK!Respawn>
よし腕が再生してる。
ゲームならばほとんどがそういう物だが、実際に腕が再生させるなんて魔法以外ならばこれしかない。
「実際に目にするとコンティニューというのは厄介じゃの」
「ならば敵対はやめて、謙るかい?」
「おかしなことを言う。さっさと死ぬが良いさ」
あの女をこれで倒したらゲームの電源を切ろう。
あれに勝つのはキツイ。
しかしその心配は要らないと僕はすぐに知ることとなる。
一読ありがとうございます!
タイトルにある通り忘れがちですが、文化祭中です!
もう勘のいい方は天使の名前の由来にお気づきではないでしょうか?




