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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
一章 異世界侵略対策委員
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異世界に行って最弱職は不遇では無く、最弱より一個強いのが一番不遇のことが多い

「とりあえず本部に連絡を入れます!」


「それには賛成だけど佐川とか言うのに気取られないかしら?」


 まぁこれも全部あの佐川って奴の作戦ならそうだろうな。


「絶倫王子を仲介にして連絡を取る」


「熱があるのかしら?風邪?それとも頭痛?正気じゃ無いのはたしかね」


「やべぇ・・・メデェーメデェ!」


 キャリーが失礼な物言いをし、青谷が衛生兵を呼ぶ。

 とりあえず二人にはげんこつを二発喰らわせておいた。


「これがDVの始まりだというのね!」


「な!?ご、ごめん」


 俺はキャリーの殴ったところを撫でる。

 たしかにDVの始まりってムカついて手を出すところからだったな。


「さっきから宇宙語で話してて何もわからないんですけど?」


 似非シスターは、未だに英語を宇宙語だと思っているのか。

 まぁいいやほっとこう。


「明らかにこっちを向いたのに無視とはどういうことですの!」


「ていうかお前男嫌いじゃ無かったか?」


 似非シスターは救援依頼を引き受ける前は、死んで下さいとか言ってた癖に、構ってやらないと駄々をこねて本当にわからん。


「え、あ。そうですわ!死んでしまえと今も思っていますわよ!」


 あ、こいつ自分で作った設定忘れてたな!

 似非シスターどころか似非男嫌いか!


「悪かったよ。お前はさっきの偽猫より猫やってるよ」


 猫かぶってるしな。

 悪い意味で!


「まぁいいや。絶倫王子を仲介に本部と連絡を取る。今回の件は俺達には荷が重い」


「何故わざわざあの変態を仲介にするのかしら?別の人にでもいいですのに」


 それは疑問に思うだろうな。

 最近任務を一緒に行ったあいつはまだ日本にいるだろうしな。

 あいつも元々イギリス支部だし。


「それはまぁ通りだけど、入れ替わりや回線ハックの可能性もある。その点あいつなら――――」


「直接呼べばいいんですのね。じゃあわたしは失礼しますね」


 俺は似非シスターの肩をがっしり掴む。

 あいつに会いたくないのはわかるけど逃がすか!


「ま、まさか――――これがセクハラ、浮気、NTR!」


 なんで英語はわかんないのにNTRは知ってんだ!


「え、光、嘘よね!?そうだわ。この似非シスターを殺せばわたしだけに愛が向く・・・ふへへへ」


 おいナイフを取り出すのをやめろ。

 キャリーは生粋のヤンデレ――――

 AACに所属してる人間はどうしてこうも濃い奴が多いんだ!


「俺は毎日お前に搾り取られてるんだ。浮気するほど飢えてないわ。こいつが逃げると本当に俺達の生存率が下がるから掴んでるんだよ」


「冗談だわ。そんな真に受けないでほしいわ」


「冗談に聞こえなかったんだが」


 そういってまだ出会って間もない任務の時、女勇者を全裸に引っぺがして浮浪者の慰み者にしたのを俺は覚えてるぞ。

 あれは勇者だったからいいが、今回は話が違う。

 こんな奴でも同僚だ。

 さすがに同僚に手を出すのはアウトだからな。


「まぁいいや。絶倫王子に連絡するぞ」


 まだ夕方前だから風俗は空いてないだろう。


『やぁミスターアカシ。ボクに何かようかい?』


「悪いんだけど、俺達の学校に今から来てくれないか?」


『今からかい?帰国便のチケットが明日だから、任務とかなら手伝えないよ」


 早いな。

 こいつはもっと日本の風俗を楽しむとか言って残ると思ってたんだけど。

 まぁタイミングはよかった。


「構わない。とりあえず本部と連絡が取りたいんだ」


『オーケー!理由はわからないけど入り用だね。生きオナホを提供してくれた君の頼みだ。いくよ』


 それは失礼だと思うだけどな。

 まぁあんなのの任務を手伝ったおかげで、今は助かってるから何とも言えないが。


「とりあえず絶倫待ちだ。屋上なら問題ないだろう」



「やぁ君たち。おぉ似非シスターとミスキャロラインも一緒か」


「俺も居るんだが!」


「ミスターアオタニ!すまない。女性がいるとどうしても男性から視界が消えてしまうんだ」


「謝罪の気持ちが全く感じられない!」


 一々突っ込んでたら疲れるぞと言いたい。


「絶倫、本部に連絡。さっさとしろ」


「ミスターアカシ。それは頼む――――」


「絶倫早くしろ。冗談はその下半身のナニだけにしてくれ」


「アヒィ!」


 興奮してんな。

 ドマゾに礼節を重んじるなんて馬鹿らしい。

 絶倫は息を荒げながら、本部へと連絡を取った。


「こちらプリズ・レイ・プミ。日本支部本部応答願います」


「ぷっ」


「フフッ、ダメ・・だよ青谷。笑っちゃ・・・可哀想・・フフフフッ」


 二人は笑いをこらえてる。

 たしかにこんな変態に相応しい名前、笑うなと言う方が無理がある。

 あいつの親はなにを意図してつけたんだ?


「なんで二人とも笑っているんですの?」


「気にするな石川。あの絶倫の所為だ」


「そうなんですの?笑える要素が見当たらないですけど」


 こいつは英語ができないからあいつの名前の意味もわからないんだろうなぁ。


「はいもしもーし。こちら本部でぇーす」


 上から声がする。

 最悪のパターンじゃないか。

 上には宙に浮かんでいる佐川隆二とその取り巻き三人がいた。

 偽猫もいる。


「誰だい君?」


「外人さんが二人もかぁ。初めまして。佐川隆二ってんだ。よろしく頼むぜ」


 ぱっと見、黒髪だが素朴な顔って感じだ。

 ザ・普通。


「魔王を倒して現代(こっち)に戻って来たが、まさか戻ってきて早々命を狙われるとは思ってなかった。あのクソ女神が!死んだあとまで俺達に迷惑をかけやがって」


「まぁまぁ隆二。あのムシは、わたしたちで殺したんだから」


「そうにゃー。それに隆二に何かできる奴なんていないんだからにゃー」


「この前来た奴らとか、スキルは特殊だったけど隆二様の相手にもならなかったしの」


 制服を着た女性、桃色髪の美人と偽猫、そして金髪のエルフか?

 なんにしても全員強そうだ。

 ていうか神殺しって――――ステータス見たくねぇなぁ。

 まぁ見ないとな。

 隠蔽がかかってないといいな。


――――――――――――

名前 佐川隆二 19歳


レベル1


ジョブ 鍛冶士


状態 健康


HP15645454/15645454

SP30000000/30000000

筋力456234574

俊敏456234574

技量999999999


スキル

身体強化 限界突破 残機+1 瞬間移動 ステータス偽造 無限倉庫 翻訳

――――――――――――

――――――――――――

名前 メーテル・佐川 17歳


レベル1999


ジョブ 聖騎士


状態 健康


HP2145475/2145475

SP1985642/1985642

筋力192645

俊敏458126

技量645947


スキル

身体強化 限界突破 残機+1 剣舞 見切 翻訳

――――――――――――

――――――――――――

名前 パピヨン・佐川 19歳


レベル1859


ジョブ 聖職者


状態 健康


HP18256/18256

SP999999999/999999999

筋力1524

俊敏1524

技量99999999999


スキル

身体強化 限界突破 残機+1 無詠唱 SP還元HP 翻訳

――――――――――――


 あー、なんというか。

 もう少し自重してくれないかな。

 勝てる気がしないんだが。


「お前か?俺にこの資料を送ったの」


「ん?俺だが、お前――――オークとのハーフか?」


「ぶふっ!」


「なに笑ってんだ明石!」


「いや異世界帰りらしい反応だなと思って」


 しかしオークのハーフって。

 いけないいけない、ツボりそうになった。


「俺のプリティーな鼻に嫉妬してるからってオークはねぇだろ!」


「いや、言い得て妙でしてよ」


 その考えは同意だ。

 けどお前はバカなんだからそんな難しい単語を使うな。


「ハハハ!おもしれぇなお前等。闘う気でいたけどやめだわ。殺すには惜しい。なぁ、俺もAACとかいうのに入れてくれないか?」


 え?マジ?

 クレソン・ウメダの例もあるしいいんじゃないの?

 こっちは5人であっちは4人。

 人数差では勝ってるけど全員のステータスを比べると圧倒的にあっちが強い。

 そんなことを考えていたが――――


「勇者はちゃんと始末しないといけませんのよ!ぺっ!」


 唾を飛ばす似非シスター。

 佐川隆二の頬へと弧を描いて飛んで行く。

 あー綺麗にべちゃっとついたなぁ。


「って、空気読めや!くそアマァァァァ!」


「なんか文句あるんですの!」


「大ありだわ!」


 ほらこっち睨んじゃってるじゃん!

 あー戦闘は避けられねーか。


「答えはそういうことでいいのか?」


「いやごめん。こいつ――――」


「当たり前ですのよ!受けて立ちますわ!」


「てめぇは話を遮るんじゃねぇぇ!」


 全員各々武器を取り出した。

 佐川隆二は剣。あれぇなんか数がおかしいんだけど。

 どこの王様かなぁ。

 ピンクは細いレイピア。 

 偽猫は拳闘士だから何もなしか。

 エルフはなんかすごいでかい杖出したよ。

 アレもう杖じゃ無いだろう。

 あとで説教だ似非シスター。

一読ありがとうございます。

似非シスターの鍔は、バスケの綺麗に決まるシュート並みに弧を描いていました。

これからもよろしくお願いします。

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