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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
四章 区立千葉高等学校 文化祭編
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主演男優賞おめでとう!え、まだなってない?

「バーちん、穴倉は死んだでござる?」


「ハイ死にました。元から期待はしておりません」


 正直に言えば少しだけ期待しておりました。

 彼はもう一週間以上経ったのに、あれ以来なにもしてくれないですから。

 カセットも無料じゃありませんしね。


「だよね。バーちんは俺だけを期待しているのでござろう?」


「えぇ。だから早く結果を出して頂きたいのです」


 いい加減にしてほしいです。

 アマテラス様からも毎日のように進捗を聞かれます。

 まさかなにもしていないと言えるわけも無いです。


「まぁそうカリカリしないでよ。セーブデータかおりんセットアップ」


<Save Data Loading now>


 それに少し状況がまずいですね。

 まさかゲーム機本体を破壊されるとは。

 わたしの抱えている勇者も本体を破壊されてしまえばただの一般人。

 使徒に至っては、存在することもできません。


<Save Data Load 100% Game start!>


 女性の姿になるのは彼女の趣味なのでしょうか?

 この姿で彼女のことを彼と呼ぶと怒るんですよね。


「バーちんちゃんと考えてるよん。彼らもこの手は予想してないと思うね♡」


 彼女から紙を渡される。

 これは――――――


「すごいでしょ?」


「えぇ。さすがですね。やはりあなたは勇者です」


「へへーん☆」


 この作戦は極悪非道な彼だからこそ思いついた者ですね。

 そしてこれなら、今までの彼らの反応からして予想外でしょう。

 やはり彼は適任だった。


「わたしの作戦は完璧よん。任せて頂戴♪」


「今度は期待してますよ。早くしないと別の神族があなたのことを始末しに来てしまいます。あなたの素行はお世辞にも良いとは言えませんから」


「わかってるわ。あとごめんねバーちん。今日はりっこの危険日だからちゃんと孕ませてサンドバックを増やさないと♡」


 そういうと彼女は女性達を閉じ――――――女性達の寝ている部屋へと足を踏み入れていった。

 彼の女性への扱いも困ったものです。


「ですがこの作戦は期待できますね」


 さてわたしも天界に帰りましょうか。



 眼福だ。

 キャリーの振り袖姿。

 彼氏目線でフィルターがかかっていなかったとしても、誰もが目を奪うだろう。

 フィルターも付いてる俺はもう、気絶しそうなくらい上から下まで品定めするかのよ――――――


「ハズカシい!やメテ!」


 ――――――ゴツン。

 げんこつを喰らった。

 こいつわりと本気で力入れやがったな。


「ごめんキャロラインさん。あまりにも君が綺麗でさ」


 嘘は言ってない。

 実際綺麗だしな。

 金髪だからコスプレ感があるかと思ったが、そんなことはなかった。

 ロングヘアーだからか?


「もう・・・」


「あーキャロラインさんが照れてる~めずらしー」


「イギリス人なのにわたしより和服着こなしてるのは解せないわ」


 梅田美帆と近藤夢がキャリーをからかっている。

 かしましい。

 最近この三人一緒にいるな。

 クレソン・ウメダは外の木からこちらをみている。

 あとでクレソン・ウメダにも穴倉の件を話さないとな。

 先日、俺と青谷は家に帰ってから穴倉諒太朗がゲームを使って河野薫のように変身した事を話した。

 佐川とキャリーは俺と同じように、勇者の量産の可能性を思案していた。

 さすがの二人だ。

 対処法さえわかっていればそこまでの脅威ではないと思うが警戒しておくに越したことはない。

 ちなみに穴倉諒太朗の記憶は、青谷によって全校から抹消した。

 さすがにこの時期に転校はおかしいからな。


「二人とも似合ってるよ」


「ふふっ。ありがとう明石くん」


「お世辞はいいのよ!どうせ短髪でモジャゲのわたしは似合わないわ」


 普通に似合っていると思うが?

 おっとキャリーが睨んでいるからこの話はここで切っておこう。

 全く嫉妬深い。

 まぁ俺は世辞は言わないからな。

 嫉妬してもしょうがない。

 綺麗とは言っていないしな。


「あと一週間だね。そういえば河野くんあれから一度も学校に来てないね」


「河野って誰?」


 近藤夢よ。

 一応クラスメイトなんだから名前くらい覚えて置いてくれ。

 まぁ俺も名前忘れてたが。


「文化祭実行委員に立候補してたやつだよ」


「えー?あれ鹿野くんじゃなかった?」


 そういやあのクソ担任本田道明も鹿野って呼んでたな。

 俺も鹿野って勘違いしたけど。


「わたしは河野だと思ってたけど。あ、名簿取ってきたよ」


 クラスの名簿を見ると鹿野はやはりいなく、河野薫がいた。

 河野薫の下に近藤夢がいる。

 出席番号のひとつ手前の奴くらい覚えておけよ。


「河野薫くんだね」


「あら。本当ね」


 まぁ、担任にも間違えられてたしな。

 いくら俺でも前後の人くらいは覚えているが。

 相内優紀と稲田苹果(りんご)だ。

 ちなみに相内優紀は天池龍輝の転校を知ったときに告白すれば良かったと言っていた奴だ。

 男をみる目が無い。

 まぁそんなことどうでもいいけど。


「そんなに文化祭実行委員になりたかったのかしら?」


「いや、美帆を狙ってたに決まってるでしょ」


「僕もその可能性が高いと思うなー」


 まぁ梅田美帆を狙っていたって事はわかってる。

 あとはあいつがどう来るかなんだけどな。


「女子の衣裳も男子の衣裳も全員決まったみたいだな」


「え?明石くんのは?」


「ごめんね。受注ミスでひとつ注文し忘れちゃって」


 まぁこれは嘘だ。

 俺は着たくなかったからひとつだけわざと注文を忘れた。


「何言ってるんだ明石?ひとつ余ってるじゃないか」


「え?」


「ほらみろこれ」


 はっ!

 しまった。

 河野薫の分も頼んであったんだ。

 いやでもそれを言えばいいか。


「それは河野くんのでして」


「何を言ってるんだ?文化祭の準備をしてなくて、来るかどうかわからない奴より、委員をがんばったお前にこそ衣裳はふさわしい」


 うん。

 至極まっとうなことを言っている。

 クラスの全員が頷いてるしどうしよもないな。

 

「わかりました。着ます」


「「「おー」」」


 キャリーがキラキラとした目でみている。

 やめろ!

 一応付き合っていることはバレてはいないんだ。

 バレたらめんどうだ。

 少なくとも陰キャとは思われなくなる。

 俺は袖を通して着物を着る。


「ほぇー。さすが黒髪だ」


「明石くんかっこいい!」


「さすがヒ――――――明石くんネ!」


 ため息を吐きたくなる。

 キャリー、光って言おうとしたろう?

 まぁ聞こえてないみたいだから良いけど。

 てかさすがってなんだ!


「いやーびっくりしたよ先生。明石がこんなにも着物が似合うなんてな」


「「明石の癖にぃ」」


 似合ってるのか?

 俺にはわからないけど。


「今回の時代劇喫茶の主役は明石でいいか?」


「「意義なーし」」


 おいおいおいおい!

 ちょっとまてい!

 男子は全員にやついてるし、女子は何人かがキラキラした目をしてる。

 主役なんてごめんだぞ?

 男子達よ。

 さっきの恨めしい目とは裏腹だなおい!

 誰か異議を唱えろや!


「満場一致で決定だな。明石、がんばれよ」


「僕に主役な――――――」


「よぉし!脚本は先生が書いてやる。任せろ!」


 本田道明!

 あんたは完全理系大学の出だから国語力ねぇだろ!

 絶対最悪の脚本だ。

 俺にはわかる。

 あとで全員覚えてろこんちくしょぉ!


「光!がんばれ」


 キャリー。

 英語わかんないやつでも、Hikaru fight くらいわかるぞ?

 はぁ~この一瞬で頭が痛いよ、もう。

 外を見るとクレソンウメダも笑いをこらえていた。

 てめぇ、他人事だと思ってこの!


「じゃあ今日はこれで解散!」


 本田道明のその号令と共に、全員教室から退出していく。

 今日もまた、資料をまとめて帰宅か。

 河野薫のことにしろ、演劇の主役のことにしろ、文化祭が憂鬱なんだが!

 くそめんどくさい。

一読ありがとうございます

疲れて何もやる気が出なかったこのごろ!

さぁ楽しくなってきたゾォ!

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