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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
四章 区立千葉高等学校 文化祭編
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ゲームをするとき、プレイ中にカセットを抜くなよ!データが破損する恐れがあるぞ?

 まさか武器を封じてくるなんてな。

 穴倉にラッシュの猛攻を受けている。

 今までの敵よりステータスが低いと言っても、一般人からしたら一撃一撃が即死の威力だ。

 

「すげぇな。様子見で何も考えず殴ってるだけとはいえ、全て受け流すなんて」


「あんたとは命がけの場数が違う」


 たしかに速いし痛いが、受け流せないというほどじゃない。


「じゃあキック!」


 サッカーでボレーシュートをするような勢いで蹴りを入れてくる。

 これは直接受けたらまずい。

 まぁここまで素手でやれば、影斬も武器攻撃だと思われるだろう。

 影斬で、穴倉の足を切断する。


「あぁぁあぁー!俺の足がァァ!てめぇのそれは武器によるものじゃなかったのかぁ!」


「痛そうだな」


「明石ぃ!テメェ殺す!」


 違和感を感じる。

 どうもこいつは勇者じゃないように感じるんだ。

 どういうことだ?


「なんてなぁ!ユーザー権限!リトライ!設定変更、このラウンドのスキル使用不可」


<Really?>


「イエスだ!」


<OK!Mode Change.Player skill Not Available>


 スキル使用不可か!

 純粋なステータス勝負とは、俺への勝機を消しにくる。


「これでスキルも使えねぇ!つまりてめぇは俺に嬲り殺されるしか選択肢がなくなったわけだ」


「そうか?それは早計だろ」


 実際はあいつのいう通りなんだけどな。

 攻撃は躱すことができても、攻撃手段がゼロだ。


「じゃあとっととガス欠起こして死ねヤァ!」


 今度は重たいけど、それでもさっきとそこまで大して変わらない。

 やはりおかしい。

 この程度で魔王を倒せるとは思えない。

 ステータスはクレソンウメダ程度しかないのに、まるであいつとは違う。

 しかしそうは言っても俺に無限に体力があるわけじゃなく、疲れ、隙を見せた瞬間にもろラッシュを食らってしまった。


「ぐっ。ガハッ」


 たったその程度で何ができよう?

 スキルが使えなければ一般人と大差ないAAC達にとって、これは厳しい。


<You win!>


「俺の勝ちのようだな」


 俺の体力は回復しないのな。

 本格的にピンチだ。

 スキルを使用できないと、この程度の相手でも勝つことすら許されないのか。


「さぁ、最終ラウンドといこう」


<Final Round>


<Are you Ready?>


 いいえ!


<3>


<2>


<1>


<Ready Go!>


 次の瞬間腹に蹴りが来る。

 くそったれ!

 いいえなのに!


「てめぇの所為でキャロラインの浴衣ミニスカ見れなくなったんだ。俺は文化祭の夜キャロラインを犯し尽くそうと思ってたのによぉ!」


 こいつ―――でもこれだけスキル封じができるなら可能性はある。

 つまり殺さなければならない。

 何かないか。

 

「じゃあな明石!頭潰して、飛び降り自殺したことにしといてやるよ!」


 あるじゃないか。

 しくじれば確実に死ぬ。

 これにかけるしかない。

 拳の振り下ろしを横に転がり躱す。

 そしてその勢いのまま立ち上がり、ポケットに入っていた、ゲーム機のようなものを抜き取った。

 そして勢いよく叩きつけ、ゲーム機を壊した。


 ――――――ザッザーザーッ


<Error goodbye Mymaster!>


「てめぇ!なんて事しやがる」


「思った通りだ」


 この世界がゲームの中なら、壊せばなんとなくこうなると予測できた。


「形勢逆転だな」


「この世界が壊れる前にてめぇを殺せばいいだけだ!死ねぇ!」


 まぁそーなるわな。

 崩れるまで耐えるしかないな。


「あえて言ってやる。その短時間で殺せるわけがない」


「ほざけ!」


 世界が崩れゆく中、戦いに集中するなんてどうかしてる。

 そして完全に元の世界に戻っていた。


「明石、勝ったんだな」


「豚が!今までどこいた!」


「外に追い出されてたんだ!この中に入れねぇから外で待ってたんだろうが!」


 良心的なのか、青谷も殺すつもりだったのか。そこまでは知らんが。

 ともあれ、危険度としてはヤバイな。


「あのゲームは厄介過ぎる」


「だなぁ。ほら拳銃」


 武器を外に出していたのか

 なんて不用心なんだ。


「とりあえず穴倉を殺すか」


「そうだな。勇者みたいだし」


 勇者にしては弱過ぎるけと。


「せめてもの慈悲だ。言い残すことは?」


「命だけはご勘弁ください」


「無理だ」


「てめぇにじゃ―――あァァァァァアバァァァスさまァァァァァア」


 次の瞬間に穴倉の頭が破裂した。

 どうなっている!?

 バース様とか叫んでいたが。


「おい明石、これは一体?」


「俺にもわからない」


 勇者が自爆したことなんてない。

 勇敢なる者がそんなことするはずもないだろう。


「とりあえず全校生徒に穴倉についての記憶改変を明日にやっておいてくれ」


「げっ!またやんのかよぉ」


 お前しか頼れる奴がいないんだからしょうがないだろう、こればかりは。


「俺だってこれを片付けるんだ。清掃」


 すると、トマトのように頭が破裂した、穴倉の死体を処理される。

 久々にこのスキル使った。

 綺麗に消えるもんだなぁ。


「お前のスキルは一瞬で終わるじゃねぇか!」


「ごちゃごちゃうるせぇ!」


 穴倉のおかげで一つわかったことがある。

 敵は複数で一緒にいようと、追い出される可能性があること。

 つまり事実上、護衛は最早、そこにそいつがいると言ってるようなもんな、目印に成りかわる。

 梅田美帆に護衛は欲しいが、見るからに護衛とわからない人間がいい。

 その点はクレソン・ウメダが適任すぎる。

 しかし、クレソン・ウメダだと難点もある。

 それは、俺らの中では最弱だってこと。


「クレソン・ウメダに任せたままでいいと思うか?」


「どうだろうな。誰がついていても同じだと思うぞ」


「豚でもそう思うか」


「豚じゃねぇけど?でもまぁ追い出されてるしな実際」


 そういや河野薫のときは、梅田美帆が時間が止まったように動きが止まってたな。

 

「おい青谷。追い出されてから俺が出てくるまでどれくらいだ?」


「ん?15分くらいか?」


 だよな。

 つまり、時は止まってない。

 梅田美帆の反応からして、あの時は時間が止まっていた。

 考えられるのは、種類によって異なる現象が起きるってことだが――――――


「わっかんねぇ。クソ親父達に連絡して、聞いてみるか」


 そうなると、勇者を逃したことがバレてまた面倒なことになる―――か?


「なぁ明石」


「なんだ?」


「穴倉諒太郎って奴は勇者じゃないんじゃないか?」


 豚のやつも同じことを考えていたか。

 たしかにその可能性がある。

 未だにAR世界もVR世界も実現できていない現代だ。

 あんなゲームがあれば、勇者と疑いたくなる。

 しかしあのゲームはどう見ても格ゲーだ。

 仮に格ゲーのラスボスに魔王を配置していたとして、万が一魔王を倒していたとしたら、あの程度の強さじゃないはずだ。

 

「豚にしては鋭いな」


「豚じゃないねん」


 俺、個人としては勇者であってほしいところだ。

 なんでかって?

 あのゲーム機のようなものがあると、一般人が()()()勇者になれると言うこと。

 そんな地獄はみたくない。

 月末の文化祭に河野薫がターゲットに絞っていた場合も考えられる。

 考えられる、まずい点がいくつもあり過ぎて困るな。

 

「青谷。もし穴倉諒太郎のようなやつがいた時の対処法は触媒を壊すことだ」


 ゲーム機さえ壊してしまえば、世界は崩落する。

 逆に言えば、ゲーム機を壊す以外で明確な対処法はないわけだが。

 青谷も怖い顔をしながらなるほどと言っている。

 今日の戦闘で唯一の収穫だな。

 このことをキャリー達に知らせないとな。

一読ありがとうございます!

ピエロ、会社を辞めて無職!

ピエロ目指します

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