息子とは・・・男性が基本的に夜に楽しむときに握るアレ
似非シスターはキャリーに抱きついていた。
「もーキャロちゃんが来るなら早く言って下さい」
「ねぇ光。こいつが居るってわかって・・・キャー!このレズシスターもどき、下着にを手を突っ込むのやめなさい!」
「何言ってるかわからないですわ。宇宙語じゃなくて日本語で話して下さいまし」
状況を説明すると、キャリーを餌にシスターを屋上に連れて行こうという算段だ。
しかしこれは、俺の息子も元気になってしまうぞ・・・
特にキャリーの所為で。
「あぁん。ヤメテクダサイ!ミスイシカワ!」
「わたしの名前はストーンレイクですよ」
「あーもう。あ、いやっ。んっ!」
「あーキャリー瞬間移動で先に屋上まで行っててくれ」
これ以上は俺の息子が爆発しかねん。
今日の夜はイケイケならぬイクイクだな。
そして二人が転移したのを確認すると、俺と青谷は普通科校舎へと戻った。
*
「ワタクシを売ったわね光」
「悪いな。こうでもしないとこの似非シスターはここに来なかったんだ」
涙目で訴えてくる。
あの似非シスターが生粋のレズビアンで本当に質が悪い。
おかげでたかが屋上に来るのにこんなに時間がかかってしまった。
辺りはもう暗いぞ。
ちなみに良い笑顔で似非シスターは寝そべっていた。
ほほには手のひらの跡・・・まぁキャリーが引っぱたいたんだろうな。
「それでえ・・・石川さん。君の力を貸して欲しいんだ」
「そうね。薄汚い男の貴方が死んで、神の慈悲により女に生まれ変わったら考えてあげるわ」
寝そべりながらそう返事する似非シスター。
青谷は青筋を浮かべて、見るからにイライラしている。
まぁこれはどうしよもないし、キャリーに頼もう。
俺は目配せでキャリーに説得するよう頼む。
「オネガイ、シスターシズカ。貴方の力が必要ナンデス」
「キャロちゃんの頼みならしょうがないわね!女性の頼みであるなら、豚と明石くんのお手伝いをすることも神は許してくれましょう」
「な!なんで俺は豚で明石はちゃんと呼ぶんだよ!」
「顔」
「ぷっ」
ヤバイ。思わず吹きそうになった。
真顔で言うなよ。
別に青谷は別に体型が太ってるわけじゃ無く、顔がそう・・・豚鼻だ。
「顔って、俺は特別顔が醜いわけじゃね・・・」
「そういう、自分が醜くないとか思ってるナルシスト感が、貴方を豚とたらしめる所以の一つですのよ」
そして、こいつは極度のナルシストだ。
自分が豚鼻で醜いと思っていない。
いやむしろ・・・
「はぁ!?ナルシストじゃねぇし!それにこんなプリティな鼻を持って生まれた俺が醜いわけないだろうが!」
こいつは自分の鼻に自信を持っている。
ここまで豚鼻を自信ありげに自慢するの珍しい。
俺や似非シスターとは価値観が全く違うんだろうな。
「石川落ち着け。任務の話をしよう」
「あら?口調が変わりましたね。明石さんってもしかして二重人格とか言っちゃう、厨二病さんなのかしら?」
にやつきながら言ってくる似非シスター。
これはもうぶん殴ってもいいだろうか?
いいよな?
俺は一発げんこつを喰らわせた。
「一発殴っていいか?」
「それは殴る前に発言して下さいまし!」
「言ったら殴ってもいいのか?じゃあ殴るぞ?」
「殴る前に言えば良いってことじゃないですのよ!」
「質問の答えになってないってことは殴っていいってことだな」
そして再度げんこつを喰らわす。
「痛いですわ!殴っていいわけないでしょうが!」
なら最初からそう言えよ。
まぁ俺はストレス発散できて満足だからこの辺にしといてやろう。
そして俺達はやっと真面目な話に入る。
「石川。今回の標的はこいつだ」
「佐川隆二?ていうかなんですのこのスキルは?舐め腐ってるのも大概にしてほしいですわね」
テヘペロ俺のスキルなにもないよは、たしかにむかつくよなぁ。
スキル隠蔽の規模がでかいから厄介ということはたしかだが。
「でも実力は強そうですわね。本部は何を考えて豚にこの任務を任せたのでしょう?」
「それは俺にもわからん。あと豚って言うのは・・・」
「はいはい。それでこいつの潜伏先はどこなんだ?」
「私立千葉商済大学附属高校だ」
千葉商済って、隣の駅か。
俺は地図を開いた。
近くに高いビルがあるな。
「このビルから対象の観察をしよう」
「わたし男ののぞき見の趣味なんかありませんわよ・・・?」
この似非シスターは無視!
一々馬鹿の相手してたら話が進まん。
「相手が相手だ。情報は多いに越したことはない。後手に回ってたら今まで殺してきた勇者達でさえ、寝首を掻かれかねない」
天池龍輝なんてのが良い例だ。
あいつは今まで殺した勇者の中でもステータスが異常に高かった。
だからわざわざ青谷に演技をしてもらって殺害した。
影斬は便利だが、天池龍輝をあの場で殺せていなければ他に殺す機会なんて作れなかっただろう。
クレソン・ウメダは・・・殺せたかどうかなら殺せたけど、生け捕りだったら梅田美帆がいなければ苦戦を強いられただろうな。
限界突破だけでも強力だったし。さすがに今回は勇者じゃないからそのスキルは持ってないだろうけどさ。
「まずこいつの家を突き止めてから・・・」
「明石さん聞いてますの?わたしには」
「自宅を特定できたら、作戦を練る。とりあえず尾行は・・・」
「聞いてますの!」
「うるせぇ!話が進まねーンだよ!文句はあとで聞くからとりあえず最後まで聞けよ!」
ついキレてしまった。
反応すれば要望が飛んでくるに決まっている。
「男性の跡をつけるなんて」
「わかった!石川は実行の時に手伝って貰うから尾行はパスってことでいいか?」
「あーそれでよかったんですの?じゃあ任せますわ」
こいつ・・・。
いやまぁこいつがいない方が上手く話が進むか。
「もう17時だ。いくら何でも帰宅してるだろう。今日は帰宅して、明日昼休みになったら学校を抜け出して尾行開始だ」
「ところでなんで俺の任務なのにお前が仕切ってんの?まぁ助かるんだけどさ」
「ぶ・・・青谷に任せてたら絶対に遅くなるだろ?」
「今豚って言おうとしただろう?」
「豚に豚と言うのは間違ってないからいいんじゃないんですの?」
危ない。似非シスターが豚、豚いうから豚って言いそうになった。
さすがにここで内輪もめしてもしょうがないしな。
「じゃあ今日は帰ろうか。キャリー行くぞ」
俺はキャリーの肩を掴んで帰宅を促す。
「キャロちゃんを連れてどこへ行こうと言うの!」
「うるせぇ!お前の所為でこっちの息子は超絶元気なんだよ!」
キャリーのあんな声を聞いてしまったんだ!仕方ないだろう!
俺は帰ったらキャリーを貪り尽くそう。
「お前も絶倫王子並みに性欲魔人だと思うんだけど」
「わたしは嬉しいわ。今日はたっぷり愛して下さいな」
「あぁ。ズボンも膨れ上がってて辛いから早く帰ろう」
「また宇宙語で話して!わたしにもわかるように言って下さいまし!」
なるほど。英語で話しておけばこの似非シスターは話についてこれなくなるのか。
これからはそうしよう。
一読ありがとうございます。
更新時間は不定期ですけどできるだけ毎日上げようと思いますw
では、今後ともよろしくお願いします。
短い?短くないヨ。全然短くないヨ