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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
三章 天使VSサイコパス編
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影斬の真骨頂。フクロウさん。悪あがきの時間です

「僕が君に影斬の使い方を教えてあげる。よく見ておいて」


 影斬の使い方か。

 もしかして俺の傷を治したのも、影斬の力?


「せいかー、おっとっと。まさか影を固定していたのに動くなんてね。腐っても魔王の側近かー」


 剣が飛んできたが、難なく避けれた。

 動いてはいない。

 単純に口が動かせて、詠唱ができただけ。


「驚いたわ。でも貴方は独り言が多いのね。おかげでワタクシの身に何が起きたかわかったわぁ」


 上に光の球体を発生させた。

 なるほど、真上に球体を飛ばして影を人型から円状に変えたのか。


「ホーホッホホ!これで動けるわぁん!」


 思ったけど影の固定って、影斬の斬の要素がなくないか?

 フクロウ擬きはまた消える。

 球体ごと高速移動とは恐れ入る。


「光があるから影が生まれるとか思ってるなら大間違いだよ。本当に強い影は光を喰らう。宇宙の星々がいい例だね」


 納得はできないが、言いたいことはわかる。

 濃い影は、光をも包み込む。

 だから、あの球体もなんとかできると―――


「ほらね」


「ワタクシの光玉が・・・」


 後ろを振り向くと、フクロウ擬きが蹴りを入れ込むギリギリでピタリと動きを止めていた。

 光の球体が無くなっている。

 俺が手も足も出なかったこいつが遊ばれている。

 すごいな。

 影斬はここまで進化していたのか


「そうだよ。扇風機を作ってたでしょ?それと同じ要領でなんでもいい。例えばライオンの影で光の球を呑み込んで、影に戻すと光の球を呑み込めるんだよ」


 背筋がゾッとした。

 それって生き物にも、人間にも効くのだろうか?

 

「さすがに、今のスキルのレベルじゃ無理かな。技量をもっと上げてよ。もしかしたらそういう能力に進化するかも知れない。がんばって」


 その言い方。

 まるで他人事だ。

 もしかして、俺に身体を返したら意識が消えるのか?


「うん。今回は緊急事態だったからね。一度だけ死ぬ前に救えるまでは進化させていたからね」


 つまりまだスキルが意識を持つほど進化はしていないと。

 そして俺が致命傷を負ってなかったら、お前は出てこなかったのか。


「いいや。今の君じゃ彼女には勝てないのを確信していたからね」


 そしてフクロウ擬きの胸を揉み始める。

 なんで揉み始めた?

 揉み始める理由無かったよな!?


「くっ!さっきから何を言ってるの!」


「あんたには関係ないよフクロウ擬きさん。だってここで死ぬんだから」


「どうかしらねぇ!」


 もう一度光の球を作るフクロウ擬き。

 しかし指を弾いてすぐに消失した。

 こんな一瞬で消せるのか。


「使うなら光の球じゃなくて炎の魔法を推奨するよ。まぁもっとも炎は影ができるからもっと簡単に消し去れるけどね」


 そしてフクロウ擬きの腕を影で包み込み、消し去った。


「あっがぁぁぁ・・・」


「良い悲鳴だね。どう?勝ち目の無い気分は?圧倒的ステータスの中で、手も足も出ない気分は?」


 これは俺をイメージしてるのか?

 これ第三者視点で見ると、こんなにも悪役に見えるのか。

 いや、やってることは悪役か。

 何を今更綺麗後を言おうとしてるんだろうか。


「放て!限界など知らない。遙かなお思いを」


 詠唱か。

 本人は真面目なんだろうけど、このシリアス場面でその詠唱はどうかと思う。

 落雷が俺に迫る。


「最後の悪あがきって所かな?残念だけど効かないよ」


 落雷は寸前で霧散した。

 正確には切り刻まれて消えた。

 影斬の本来の使い方だ。

 今のは俺でもできた。


「貴方はなんなのよ!」


「僕?僕はなんだろうな?助っ人?」


「ふざけないで!」


 無詠唱で風のカッターを飛ばす。

 しかしそのすべてを霧散させる。

 最早何も考えてないな。

 余裕の無い人間は、無鉄砲になる。

 俺がそうだったように。

 そして即座に足を切り落とした。

 俺が言うのもなんだけど容赦ないな。


「なんでもする。わたしの身体を好きにしてもいいわぁ。だから命だけは・・・」


「アハハハハハ。僕はババァを抱く趣味はないんだ。死んでくれや」


「そう」


 フクロウ擬きは絶望した顔を――――――していなかった。

 単純にこの場で最後に隙ができる可能性に賭けたのだろう。

 そして黒いなんだかわからない影斬で作った生き物で、フクロウ擬きを包み込んだ。


「世界よ。砕けなさい」


 フクロウ擬きの声。

 そういうと世界が砕け始める。


「なるほど、彼女が指定した場所に僕達を出すために、敢えて世界を壊したってところかな」


 場所を指定。

 本当に最後の悪あがきか。

 黒い生き物が何か吐き出す。

 そういえば、まだ生き物は吸収できないんだったな。

 首と胴体が泣き別れしたフクロウ擬きが出てくる。


「さて、そろそろ僕は消える。次に死にかけても僕は出てこれないからね。死にかけないでよ?」


 わかってるさ。

 助かったよ影斬?


「呼び方はなんでもいいよ。外に出たら、全力で逃げることを推奨するよ。フクロウ擬きと違ってあの巨人は僕にも勝ち方がわからない」


 たしかにステータスがわからないから対策のしようもないか。


「あ、ステータスはこの身体じゃ見えなかったね。じゃあこれはサービス」


――――――――――――

名前 月屯イトナ 19歳


ジョブ 天使


状態:超越


レベル 100


HP 12349881/12349881

SP 19042319/19042319

筋力 1236547321

俊敏 74185296385

技量 75315942681


スキル

自由の翼 共食い 小さな巨人化 限界突破 身体強化 魔法無効 精神妨害無効 記憶改変無効 太陽神の加護 ステータス解析通知 

――――――――――――


 俺の頭の中に月屯イトナのステータス情報が流れ込んでくる。

 なんでわかったんだ?


「企業秘密。さっきのフクロウ擬きはスキルがなかったけど、彼女はとても勝てるとは思えないからね」


 たしかに人型になったおかげで、スキルが全部封印された。

 スキルがあったら、殺せてたかは――――――


「それは殺したよ」


 あ、断言しちゃうのね。


 ――――――――パキパキ


「じゃあね。検討を祈るよ、明石光」


 そして俺は自分の身体が返されるのがわかった。


「あぁ。ありがとよ」


 返事は無いけど、なんか笑われた気がしたな。

 世界が壊れて白い光に包まれる。

 そして視た光景は、俺の想像とは違った最悪な状況だった。


「ジンタン!?貴方が殺ったの!?」


 目の前には月屯イトナがいて、首を捕まれたキャリーがいた。

 周りを見渡すと、右腕を失った佐川隆二。

 どこに傷があるかわからないけど、血だまりができているパピヨン。

 満身創痍で、肩で息をしているメーテルと青谷。

 ニャンコスターを似非シスターが支えている。


「クソが!まずはこの女を殺す。次は貴方よ」


 そしてキャリーに向かって手刀を突き刺そうとしていた。


 





 ふ・ざ・け・る・な







 なんともわからないこの気持ち。

 いやこの感情は怒りか。

 時がゆっくり進む。

 自分が理不尽な状況に陥るとこんな気持ちになるんだな。

 今まで勇者を殺してきておいて虫が良い?

 知るか。

 そして、俺は意識を落とした。

一読ありがとうございます!

どんなに理不尽なことをしていても、自分がその不幸に陥ると人間って怒っちゃう生き物ですよね。

あー眠たいしお腹痛い。


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