表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
一章 異世界侵略対策委員
5/290

仏教学部の似非シスター

 本部からはボーナスと称した、謝礼金を受け取った。

 どうやら本部もあの汚物の面倒は見切れないようだ。


「あいつと組むと給料はいいんだよなぁ」


「それ以上に気持ち悪いから嫌!」


 キャリーの言うとおりだな。

 あんなのと組むのはできる限りごめん被る。


「あ、明石くん。キャロラインさんおはよう」


 歩いていると後ろから声をかけてくる声。

 梅田美帆だ。


「あ、おはよう委員長」


「グッドモーニング、イインチョー」


「クレちゃん知らない?あの日から戻って来てないの」


 おい、青谷。記憶改変してないのかよ。

 めんどくさいことになる前に記憶改変してもらわないとな。


「クレソンさん?見てないな。キャロラインさんは?」 


「クレソン?一体ダレのことデスカー?」


 あ、いけね。

 クレソンのことキャリーは知ってたらおかしいんだった。

 ファインプレイだキャリー。


「あ、クレソン・ウメダっていうわたしの親戚の子なんだけど、あ、これ写真」


 クレソン・ウメダの写真を見せる。

 今やこの顔は、アヘってる顔しかしないと考えると、殺されるより地獄だよな。


「クレソンさんを見かけたらボクも委員長に言うね」


「ワタシもこの人見たら伝えまス」


 満面の笑みを浮かべて御礼をしてきた梅田美帆。

 今やそいつは奴隷にも近いぞとは言えないな。


「じゃあ遅刻しちゃうし、早く行こうか」


 俺達は雑談を交えながら登校した。



 ここは体育館裏。

 スクールカーストが不良に呼び出され恐喝を受けるような場所。

 そこに青谷と俺は立っていた。


「青谷。記憶改変が済んでないのになにかようか?」


「悪いな明石。緊急の任務があってな。それを先にこなしてからで良いか?」


 ここでAACの任務について説明しよう。

 AACは大きく分けて二つ任務がある。

 一つは、天池龍輝のような勇者を隠してる人間を密かに見つけ出し抹殺すること。

 これは給料は高いが、その分適わない敵と当たる可能性もあるので、危険が伴う。

 二つ目はAAC本部から直接依頼を持ってこられること。

 情報部解析班が、勇者を見つけ出し、その任務をこなせるであろう人物に通達する。

 その依頼の場合AACのエージェント救援をもらうこともできる。

 青谷にも先日駆り出されたし、汚物が駆り出してきたのもこのシステムが原因だ。

 救援を貰った場合、基本的に断ることができない。

 じゃなきゃあんなやつの手伝いなんか誰がするか。

 ちなみに俺と青谷はこの学園で起きた出来事をある程度処理する義務がある。

 例えば青谷は記憶改変。俺は死体が出た場合の処理。

 その分給料をもらってるけどな。


「緊急って事は本部からか?」


「あぁそうだ。そしてここに呼び出したのも、手伝って欲しくてな。少々厄介なやつだ」


「はぁ・・・わかった。どんなやつだ?」


 そして資料を渡してくる青谷。

 おいおい。最悪じゃねぇか。


「ジョブ鍛冶士って書いてあるんだが・・・お前の任務かこれ本当に?」


「俺だって問いただしたさ!でも間違いなく発行されたものだ。最悪だよまだ死にたくねぇから、手伝い頼むぜ」


 顔が真っ青だ。

 正直俺もこんなの相手にしたくない。

 

 異世界帰りには希にジョブが勇者じゃない勇者が帰還することがある。

 ラノベでもよくあるだろう?

 一般職、不遇職が実は最強でしたーみたいなの。

 今、まさにそれが相手だ。

 鍛冶士って言うのは、一般的な職業だろう。

 しかしこういうやつは大抵強い。

 なにせこの資料のステータスはでたらめに等しいとすぐにわかる。


――――――――――――

名前 佐川隆二 20歳


レベル 1


ジョブ 鍛冶士


状態 健康


HP500/500

SP500/500

筋力 156

俊敏 28

技量 189


スキル

テヘペロ (`・ω・)ゝ オレノ スキル ナニモ ナイヨ

――――――――――――


 何がテヘペロ俺のスキルなにもないよだ!

 スキルに絵文字まで使いやがって!

 本部も本部で、ここは該当なしでいいだろうに。


「正直、俺達二人だけでも荷が重いんだが?」


「だよなぁ。キャロラインさんは?お前の恋人だろ?手伝いお願いできねぇかな?」


「キャリーは手伝ってくれるだろうけど、もう一人ほしいところだな」


「絶倫王子はダメだぞ。あいつ男の救援依頼はサボるからな」


 ホントなんであいつが俺達より上官なんだろうね。

 まぁ本部としてはめんどくさくても成績出してるあいつに評価をつけないといけないんだろうけど。

 しかし他に当てになる奴が・・・一人居たな。


「と、なると。頼みはあいつだな」


「あの似非シスターに頼むのか?俺は面倒だから行かないぞ」


「いやお前の任務なんだから来いよ」


「えー!あの女、俺が行く毎に、神の思し召しです。死になさいって言うからいやなんだが」


「知らん行くぞ」


 青谷が似非シスターといった、女性に頼みに行くのだ。

 学校は同じだが、校舎が違う。

 仏教学部は少し歩いた所にあるんだ。

 シスターなのに、何故仏教か?

 それが似非シスターたる所以だ。



「神の思し召しです。即刻ここから立ち去りなさい。そしてケツの穴が裂けて死になさい」


「いつもよりひでぇ」


 さすがの罵倒だ。

 青谷ざまぁみろ。


「あら?明石さんも一緒でしたか。切れ痔になって死んで下さると助かるのだけれど」


 切れ痔って・・・地味に治らない病気だな。


「冗談はそれくらいにしてよ。石川さん、ちょっと真面目な話がしたんだけど」


「石川?一体誰のことでしょうか?わたしの名前はストーンレイクでしてよ」


 こいつ。ぶん殴りたくなる。

 しかも石川を英語にしてるつもりだろうけど、英語で川はリーバーでレイクは湖だ。

 仏教学部はバカの集団だししょうがないが。


「ごめん。ストーンレイクさん。放課後、普通科の校舎の屋上に来てくれる?」


「嫌ですわ。神の失敗作の男のいる普通科になんて行きたくないですの」


 言わせておけば・・・。

 こんな所で任務の話をするわけにもいかないのに。

 音声遮断のスキルが普通科の校舎の屋上にはかかってるから任務の話を学校でするのはそこしかないのに。

 この似非シスターの大の男嫌いには困ったモノだなほんと。


――――――――――――

名前 石川静 17歳


レベル35


ジョブ 僧


HP323/323

SP456/468

筋力44

俊敏48

技量68974


スキル

神様召喚(笑) 玩具生成 念話 翻訳

――――――――――――


 相変わらずジョブは僧のまんまなのな。

 女性だから巫女かと思ったら僧だもんな。

 しかもスキルに(笑)が入ってるのは世界広しといえどもこいつくらいだろうな。


「あー、しょうがないか」


 俺は携帯を取り出してキャリーに電話する。


「あーキャリー?悪いんだけど、仏教学部の校舎に来てくれないか?場所は・・・」


 そして俺はキャリーに場所を教えた。


『わかったわ。今行くけど、なんでそっちの校舎にいったの?』


「あー気にしないでくれ」


 言えば絶対に来ないと確信があるから言わなかった・・・


「急に変な言葉を喋り始めてなんですの!さては貴方邪神を呼びましたわね!?」


 あーこいつ英語もわかんないのか。

 よくそんなんで高校生ができるよ全く。


「キャロラインさん来てくれるって?」


「あぁ来てくれるってさ」


 英語で話しかけてくる青谷。

 青谷もスキル記憶改変でよく海外に救援に行くから、英語喋れるんだよな。

 こいつ最初に言われたこと根に持ってわざと英語で言ったな。

 ちなみに俺は素で英語を喋ってしまった。


「二人して何を話してるんですのよ!」


「気にするな。宇宙語だ」


「そうだよ、ストーンレイクさん。普通科では一般的な授業だよ」


 驚いた顔でそうでしたのという似非シスター。

 やっぱりこいつ馬鹿だ。

 そんな言葉あるわけないのに。


「宇宙語とか言うのは知りませんけど、とっとと出てってくれませんの?


「はぁ・・・もう少し待ってくれないかな?もう一人来るからさ」


「まだくるんですの?あの変態が来るんですの?あれは貴方達より汚れてるから視界にも入れたくないんですの」


 変態ってのはおそらく絶倫王子だろうな。

 視界に入れたくないって気持ちはよくわかるけど。

 まぁとりあえずキャリー待ちだな。

一読ありがとうございます!

気に入ってくださったらブクマ、評価を!

感想をくれてもいいんですよ!感想を!感想をくれぇぇぇ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ