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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
三章 天使VSサイコパス編
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それぞれの思い!まぁほとんど愚痴だね!

「貴女、弱いわね。彼氏におんぶに抱っこ?」


「うるさい!!」


「無駄口を叩かないの!はい1セット追加!」


 全く。

 地盤のステータス値が弱すぎて何をすればいいかわからないから、とりあえず腕立て1000回10セットをやらせてみたけれど、話にならないわね。

 5セットで根をあげるなんて。


「他のみんなはおそらく実践形式でやってるわよ!!」


「だったらハァハァ、貴女もそうしなハァハァ、さいよ!」


 馬鹿ね。

 貴女は戦闘センスは高いけれど、それな伴うステータスじゃない。

 だからこその筋トレ。

 いくら俊敏が強化されても、元の足の速さが少ない所為で、明石光ほど俊敏は増えていない。

 課題が多すぎるからどれから手をつけていいのかわからなくなったわ。

 隆二もあの時同じ気持ちだったのかしら?


「ねぇ、貴女って異世界人、なのよね?」


「まぁこっちの方達から見たらね」


 だってわたしからしたら、こちらが異世界ですもの。

 異世界では王女だったわたしが、今じゃ最弱と言われ罵られた彼の妻として異世界に来るんだもの。

 人生に何があるかわからないわね。


「つまり故郷も家族も捨てて、ここにいるってことよね?」


「故郷ねぇ。わたしは自分のいた国の勇者を殺した人間の妻。言わば叛逆者よ」


 復讐を果たした隆二の妻。

 そしてその勇者を召喚したのもわたし。

 まぁ必然よね。


「後悔してる?佐川隆二についてきたこと」


「してないわね。わたしは無能でも隆二が好きだったし、思いも告げてたの。でも勇者にも言い寄られていたのよ。そして嫉妬から隆二を犯罪者の無能扱いし、奴隷に落としたクソ勇者が、わたしは大嫌いだった」


 そしてそんな勇者を擁護する、お父様も大嫌いだった。


「だからね。勇者はダンジョン内で、わたしの服を脱がして襲ったのよ。そんなところを隆二に救われた。でも隆二の目はそれはもう酷かったわ」


 なにせ、勇者を殺そうと精神が蝕まれていた。

 この状態で勇者を殺しても虚無感に囚われる。

 そう思ったわたしは―――


「そして心が壊れかけてた彼が、勇者を刺そうとしたところを割って入って刺されたの」


 あの時はすごく痛かった。

 死まで覚悟したけれどね。

 なんか死ぬ心配はしていなかった。


「彼はあぁみえて繊細なのよ。だから勇者への復讐よりも、死にかけてたわたしを優先してポーションを飲ませてくれたわ」


「そのとき勇者は?」


「わたしをとっとと見捨てて逃げたわよ。勇者なんて名ばかりのクズね」


 実際あの場面で、自分のことを考えずにわたしを救いにきてたなら、また結末は変わったかも知れない。


「確かに同情するわ」


「でしょ?それからわたしは打倒勇者を胸に、今と同じように隆二からしごきを受けた」


 何度血反吐を吐こうが、効果が最良のポーションを何度でも飲ませられて、心が疲れても身体は元気だったのよね。

 

「懐かしいわね」


「1つ聞きたいのだけれど、貴女達の元ステータスはいくつなの?」


「全て二桁以下よ。今の貴女よりも低かったわ」


 勇者は五桁で、当時のわたしじゃ逆立ちしても勝てない強さだったのよ。

 わたしがんばった!


「そっ。まぁどうでもいいけど」


 ――――――パンッ!

 この女。

 銃を向けてきやがった。


「危ないわね」


「チッ!不意打ちもダメか」


「この話を聞いてなんで撃ってきたのかな?かな!!」


 普通何か言葉かけるでしょうが!


「ごめんなさいねぇ。聞こえなかったかしら?どうでもいいって」


 ムッカー!

 この空間ではHPは0にならないように設定されているわ。

 でもそれは教えない。

 だから殺し尽くしてあげる。



「勇者の取り巻きが、わたしに指導?ふざけてますの?」


 はぁ。

 たしかに聖職者の儂は適任じゃと思う。

 でもこやつに教えるのは正直面倒じゃ。


「特に性格がのぉ」


「勇者風情がわたしの性格にケチ付けますの?」


「ケチ付けられない要素があったなら教えて欲しいわい」


 大体、神を信仰してる時点でロクでもないわ!

 ジョブが聖職者でも儂は無神論者。

 それもあのムシ女神を殺す前からの。


「んまぁ!じきにに神の天罰が下りますことよ」


「主等を見捨てた神のか?」


 黙っちゃってまだまだガキじゃのぉ。

 言うて儂と二つしか変わらぬが。


「大体なんですの?エルフは年を取るのが長いって聞きましたわよ。ほんとはおば――――」


「儂は19歳じゃ!それにエルフは耳が長いこと以外人と同じじゃ!寿命だって100歳くらいじゃ!誰じゃそんなこと言うたやつは!お主死にたくなければ土下座せい」


「誰が!」


 おばさんなんて、近所の子供達に言われたことなかったのにのぉ・・・


「なんというか、主を見てると、昔殺した修道院の妹を思い出すぞ」


 奴はムシに利用され、化け物と化した。

 ムシの甘い言葉に身を委ねて、我々と敵対し魔王をも吸収した奴を殺すのはしんどかったのぉ。


「貴女の行いは神の冒涜です!」


「もうええわ!」


 儂は無詠唱で”平手うち”をする。

 巨大な手が出てきて、お嬢ちゃんを吹き飛ばした。


「主は、神に見捨てられたのじゃ。いい加減認めろ」


「神様には何か事情があったのですわ!なにか・・・」


 あらら。

 泣いてしまったのじゃ。

 追い詰めてしまったかのぉ?


「なんじゃ。子供らしいところも――――――」


「もらい!」


「おおっと。なんじゃよ。嘘泣きか」


 こいつ自分ではシスターを名乗っといて不意打ちして気負った!

 神は曲がったことが大嫌いという教えはどうした!


「惜しかったわね」


「いやどこが!?今、完全に見切っておったぞ?」


「またまた~強がりは良くないよ~」


 こやつホント話を聞かないタイプじゃのぉ。


「もうええわ!主には魔法を覚えて貰う――――――」


「嫌ですわ!」


 ブチッ!

 何か切れちゃいけない音がする。

 ていうか普通にムカついた。


「おい似非シスター!てめぇの主は今日から儂だ!儂だけを見習え!儂を姉と思って言うことを聞くのじゃ!」


 ――――――ボコボコボコ!


 荒治療だが仕方あるまい。

 埒が明かん。

 拳に治癒魔法を纏わせながら殴る。

 なんか段々笑顔になってきた。

 怖いのぉ!


「あんっあんっあぁんっ!あぁお姉様!罪深きわたしをもっと殴って下さいませ!」


「きっもい!」


 いや判断を間違えたかのぉ。

 顔が幸せそうじゃ。


「お姉様。先ほどの無礼をお許し下さい。どうかわたくしめに魔法と、恥ずかしながら罵って下さると嬉しいです」


「いや気持ち悪いのぉ!マゾさんじゃったのか!」


「あっふぅん!」


 腕をさすりながら、身体をくねくねさせる姿に儂は冷たい目をするしかない。

 だってキモいんじゃモン。


「まぁ学ぶ気になったのじゃから結果オーライか?」


「あぁお姉様を間近に感じる。あぁこれだけでご飯三杯はいけますわぁ。あふぅん」


 全然良くないんじゃ。

 弟子としてはかなり外れを引いてしまったのぉ・・・。



「ハァハァハァ・・・」


「おい明石」


「なんだよ佐川」


 なんだよじゃねぇよ。

 この一分間攻撃をせずにただこの施設をボロボロにしただけ。

 転移させといてよかった。

 あの場で闘ってたら物がいくつ壊れたか。


「お前これ弁償な?」


「いやなおってるじゃねぇか!それにお前が一分以内に倒せって言ったんだろ!」


「お前倒す気なかっただろう!どうせ嫌がらせで周りボロボロにしてたにちげぇねぇ!」


「そんなことちょっとしか考えてねぇよ!」


 ちょっとは考えたんだなこいつ!

 俺が苦労して作ったこの施設をよくも!

 俺だって全力でやってや――――――


「やっべ・・・身体強化切れた。今日は終わりか」


「っしゃあ!俺の勝ちだ!」


「んな訳あるか馬鹿野郎!」


 ダメだ。たった一分の出来事に疲れた。

 今日はもう寝よう。

 そう深く決心した。

一読ありがとうございます!

AAC組は癖が強すぎて勇者側も困ってますね

そして何より共通することが、全員喧嘩腰w

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